無題

満月が　サンダル響く空を　渡れば
そよ風にご挨拶
髪に飾る　赤いスミレ　しゃらら　鳴らして
帰りに花を咲かせるの
昨日までの憂鬱さえも

苦痛のインフィニティ

兆層　現れ
狂王　浮かべば
宣教　その名は　苦痛のインフィニティ
本能　慄(おのの)く
警鐘（けいしょう）　巡れば

虹色クレイジング

遠くを眺めました　渦巻いた水音
鬱々クレイジング　なんだか寂しい
予報の通りに急天候
意外と重く　ザーザー
赤い傘　揺らして　つま先を濡らした

Beyond the night sky

sky　ミルク足して　冷えた息呑めば
night　煙（けむ）る街は　今日も眠れない　never
light　響くオフィス　満ちる　沈黙に
heart　恋の波は　そっと　引いてゆく　
もう　過去なら　階下に覗く　ジオラマね

かないろがーる

些細な気まぐれで増えて　請求１００万円
冗談？　所持金１００円！　
もう絶望よ
ハチャメチャしくじって
来たの　涙目フルコース

雨滴は歌う

雨滴（あまだれ）藍を歌う
窓辺に続く海
声なく想う君は
いつも遠く見つめてた
雫を呑み込む

巡りiメール

週末のメールを　晴れ間に流せば
＠(アット)届ける文字は　きっと君の圏内
昼下がり　駆け出す　群青色
マルシェで待ち受けて　ヒールを鳴らせば
リップ　背伸びの色で　やっぱ馴染みのリボン

ドリームタイマー

眠る少女は識（し）る
ドリームタイマー
望む奇跡の影は
逆さまに象（かたど）る十字架
６０兆の逃避行

南風レーン

雨上がりの街で　バス待ち　続いて
ぱっとひろがる空は　chat（チャット）している春ね
水溜り　覗けば　純情行き
話がしたいから　おちゃめに悪戯（いたずら）
ぼーっとしている君の　ハートのノブを　ずっと

summer season

ぬるい日陰で　ゆらゆら揺れて
そんな　僕らは　なにか
セイシュン映画のようだ
ぶらぶら歩く　君が
眩しすぎるから

雨色ラプソティー

雨音の　おしゃべりに
傘ゆれて　ときめきランデブー
降り注ぐ　眼差しに
頬茹でて　溢れるラプソティー
響きだして　瞬（またた）く胸は

無題

羽ばたけないの　遠いウイング
続く高架を　求めているの
声を落とした　響きに浮かぶ
問いかけの　君の欠片ね
東に望む　光の帯も

夜明け前の卵

背伸びをしていたら　芽吹く森が見えたの
月に濡れた めしべと　ネジ巻く金剛の蝶
四花（しけ）は甘露に咲き
融けた季節　まぶせば
ほら　億万に枝（え）を散らして

銀のオルゴール

銀のオルゴールに　瑪瑙（メノウ）のラッパ
手向けに渡された　二人の宝もの
刻んだゼンマイに　夢を巻いて
果てしない郭（くるわ）の　悲しいファンファーレ　溢れては　泣いてるの
高台から見えた青い空は　からっぽの花かごに　ゆらりゆら

a　rose　letter

瞳　閉じたら　光　溢れ
まぶたに漏れた　素直　な味は
しょっぱいけど
あたたかくて
あなたを　感じていたの

over structure

遠い　船よ
君の　海へ　届け
感情線　織り成し　辿（たど）ってみても
so　far
想列　入れ替え　誤魔化しても

ゆりかご揺らす春の歌

ゆりかご揺らす春の歌
素肌に感じて

■
絹風の夢に　口付け

春のように

あの時にみていた夢は
僕らはいつも話し合い笑った
だけど時の流れはとても速すぎるよ
いつも忘れてしまうんだ
四季のように

恋のワンダースィーツ

マシュマロみたいな口から
ハート飛び出して
甘い甘いハプニング
唇に　鍵をした
ちいさな胸に　手を当てて

嘘つきペイシェント

ロトくじの　ナンバー
駄洒落でね　 つけたら
当選　歓喜して
二人　で笑う　夢を見たよ
不眠の　回顧録

ドグマ・ディフェクション

走査線上で抱いた君は　《フィリアの果実》
軌道下（した）へ謎を落とした　《群青（ぐんじょう）の問い》
月面の中継基地（ベース）は　《社畜のドグマ》
追われ続ける構造だけ　《無限ストレス》
永久に廻る衛星のよに

僕のヒーロー

へのへのもへじを　書いて
直ぐに　破り捨てた　ノートの端
教室の片隅から　顔をだして　僕を責め立てる
ホントに伝えたい気持ちも
僕は弱虫で言えなくて

水色少女

水玉　隠して
チラリズムね
ゆらめく　腰つき　誘ってるの
雨降り　裸足で　水浴びして
無邪気に　トキメキ　探してるの

永遠のメモリー

《いろは》
夏の空に　たそがれ
僕は君を　見つけた
それはサハラに咲く　オアシスの花
涼めく　紫苑（しおん）のようさ

乙女走る　響く空

カラコロ　トトトン　カラコロ　トトトン　と
乙女走る　響く空に
鼻歌混じりの　帰り道
誰かのことを　思うの
■

永遠

《いろは》
君は　星を　見つめて
遠い　夢を　話した
それは　終わりのない
砂漠に響く　物語のようだね

夜明けまで

夜明けまで　遠いね
虫の音が　響いた
星空が　綺麗ね
もう少し　起きていたいの
君のこと　好きなの

子猫のハートメーター

このごろ　ハートメーターくよくよ　雨ばかりで
ココロの　栄養足りてないのかな　変なのよ
いくら　歌っても　どうしても弾まない
アタシの中の子猫ちゃん　もう　いじけてる
隣の　にぶい　誰かに　話しかける　きっかけ

雪解けの季節

くもりガラスに　映し出した　雪降る駅
過ぎた　ホームだけ　言葉を　繋いだ
電車の音は　告げる声を　白く消して
恋　隠したまま　さよなら　を　したの
置き忘れた　気持ちから

after signal

向こう側に　求めた
信号待ちの　ときめきは
点滅して始まる　フィクションの劇
振り絞って　放した
すれ違いの　微笑みも

それは　幸せな　お話だから

ひとりぼっちなの　　「願いをしたの」
寂しかったから　　「うれしかったよ」
ナイショ話ね　　「秘密の秘密よ」
あなたに会う為　　「ネジを巻いてたの」
機械の躯　ゼンマイ仕掛けなの

melancholy　flight

憂鬱な紙ヒコーキは
無理しながら　飛んだ
最初の気持ち　どこに行くの？
誰かの淀む声を　洗い落としたくて
メールをしては　傷をつけて

スターエッグ　ワンダードリーム

星落ちる場所　想いの果てに
流れ着いた　君の卵は
夢幻の海　蓮のゴンドラで　深い眠りに漂う
「愛してる」の　言葉だけじゃ　
凍える夜　寒すぎるから

バタフライ・エフェクト

風のない世界の果てから
ココロ　揺らす　はばたきの音
古い　言葉　囲む木箱に　流れた
包む　霧に　浮かぶ　躯（からだ）は　静かで
暗い　森に　並ぶ瞳は　濡れてた