Tacchan_668の投稿作品一覧
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「俺だって助けてぇんだ。だけどあっちへの行き方がわかんねぇんだよ。」
「それならワタシ達が知っているよ。」
上から、美空の声が聞こえた。
「美空ちゃん!?」
「真二朗クン、名美チャン。キミたちには悪いけど、ここで消えてもらうよ。」
「クソッ。海田。こっちへ来い!」
「逃がさない!」
真二朗がまるでこ...Black dusk 第2章-6
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夕暮れから夜になるとき。その時間は、足早に過ぎ去っていく。
その時の空がきれいだ、なんて皆は言うが、僕は違う。
その時間が、一番嫌いだった。
まぁ、理由なんて単純で、たまの休みで両親が遊んでくれても、その時間が来ると終わり。
どれだけ遊びたくても、問答無用でおしまいだ。
だからってその時間を嫌いにな...Black dusk 第2章-5
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「どういうこと?真二朗。」
「いや、深い意味はない。まぁ、聞き流しといてくれよ。」
そういって掃除を再開する真二朗に向けて、名美が声を荒げる。
「どういうこと真二朗!いきなりそんなこと言われて聞き流せとか・・・無理だよ!」
「・・・なら、この事実に向き合えるか?」
真二朗は、名美をしっかりと見つめ、...Black dusk 第2章-4
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「凛。あの二人はいない?」
「うん、いないよ。大丈夫。」
美空が入念に確認し、本題を切り出す。
「凛、廉。【Black dusk】のことなんだけど・・・。」
「どうしたの美空姉ちゃん。何かあった?」
「【アレ】を発動した人は、その後、暗い闇の中と、今までの記憶の中を行ったり来たりするの・・・。」
「...Black dusk 第2章-3
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「うわ、暑い。ってここは近くの公園?」
遊んだし、泣いたし。いろんな思い出がある公園。
だけど、今あるはずの近代的な建物はなく、自然が広がっていた。
そしてそこで遊ぶのは・・・幼い僕と両親。
「父さん・・・。母さん・・・!」
久しぶりに両親の姿を目にして、思わず駆け寄る。
「和人ー!落ちるわよー!」...Black dusk 第2章-2
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・・・また、この暗闇か。
いい加減何かヒントぐらいくれよ。ホント。
さっきは名美が子供だったはずなのに、いきなり中学生になったりして。なんなんだ?・・・
・・・あの頃は、まだ両親もいたっけ。今は死んじまってるけど。
たしか名美が10才だったから・・、あれ、いつだったっけ?
まぁ、どうでもいいや。その...Black dusk 第2章-1.5
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第二章
ここは・・・どこだ・・・?
ひどく体が痛い・・・。僕は何をしたんだ・・・?
あれ、何か見える。・・・なんだろう?
『もう、いなくなってしまえばいいんだ。』
『何もかもっ・・・なくなってしまえばいいんだ!』
・・・あれ、僕の姿?だけど、何か違う・・・。
くそっ、なんだってんだよ・・・。
こっち...Black dusk 第2章-1
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夕暮れに僕を変えられて、朝焼けが君を包み込んで、
地獄のような感覚と、天国のような音楽と、
この精神は僕に何をさせるの?
この夕暮れは僕を何にするの―――?
この春は新しく、前の秋はとても古く、
僕の記憶にはまだ君がいて、
君の記憶には僕はもういなくて、
そんな関係ももう慣れっこで。
だからって何も...Dusk Changes Me
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次の日、4月18日。僕たちは美空の家に行くことになった。しかし、やっぱり不安だ。
僕は別にどうなってもいいが、心配なのはやはり名美だ。
保険で真二朗を連れてきたものの・・・。やっぱり不安だ。
そうやって考えながら歩いていると、真二朗に小突かれる。
「ほら、なに不安がってんだ。俺がいるから大丈夫だろう...Black dusk 第1章-11
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その日の放課後。美空からメールがきた。しかし、そのメールに返信することはできなかった。
と言っても、誰かに誘拐されただとか、ケータイを盗まれたとかではない。
ケータイが壊れたのだ。それも予兆がまったく感じられなかった。
「これ、確か替えてから半年しかたってないよな・・・。はぁ。」
「で、なんで俺がつ...Black dusk 第1章-10
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というか、美空とはなんだか怖くて話せない。あの晩の出来事もあるし・・・。
ぼーっと外を眺めていると、美空が話しかけてきた。
「ねぇ、和人クン。今度、家来ない?いろいろ話したいし・・・。」
「え、・・・うん。いいけど・・・。」
「どうしたの和人?美空ちゃんと何話してるの?」
横から名美が話しかけてきた...Black dusk 第1章-9
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初めてのBIRTHDAY!
今日から始まる人生劇場!
おめでとうBIRTHDAY!
自分しか作れない一生にLet’s Go!
お母さん、お父さんありがとう。
僕は見上げて生きていくのです。
お兄ちゃん、お姉ちゃんありがとう。
私は一緒に生きていくのです。
幼稚園で皆と出会い、
小学校で皆と笑い、...おめでとう。今日の自分。
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「え、美空?」
「和人くん。ワタシね、気になるの。和人クンの事が・・・ね。」
美空に押し倒され、ベッドの上に叩きつけられる。
抵抗しようとするが、美空の方が強く、結局はそのまま倒れこんでしまう。
「ちょっと、美空!?何やってんのさ!?」
「ん~?和人クンの事調べているんだよ~?痛かったら言ってね~?...Black dusk 第1章-8
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「・・・っつ!て、ここは?」
目を開けると、知らない部屋の中にいた。
「見た感じ、女子の部屋だけど・・・。」
きょろきょろと当たりを観察していると、見慣れない物体を見つける。
形状はシャーペンのようなものだが、迷彩色で、ところどころに焼けた跡がある。
(なんだこれ。新しいシャーペン・・・にしては変だ...Black dusk 第1章-7
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なんて出来事があり、今に至る。あれから名美に笑顔で殴られっぱなしだから、たぶん大丈夫だ。
あの三人とは、いまだに深い話ができていない。
「ただいま~・・・って、誰もいないか。」
誰もいない家に向かって、帰宅を告げる。
冷蔵庫をあさり、今日の晩御飯を考える。が、何もない。
「あっちゃ~。買い物忘れてた...Black dusk 第1章-6
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それからは忙しくなり、三人とは少ししか話すことができず、一週間が過ぎた。
三人は、クラスにもすぐ馴染むことができているようだった。
その一週間は特別な出来事もなく、真二朗とつるんで、先生に怒られるいつも通りの日常だった。
・・・いや、一つだけ、特別な出来事があった。
「真二朗~。今度、カラオケ行かな...Black dusk 第1章-5
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夕田 廉である。僕が乗り込んだ後に、僕に気が付いたようで、
「あ、矢田 和人さん。こんにちは。」
と、愛想笑いすら浮かべずに、真顔で言い放つ。
「こんにちは・・・ははは・・・。」
真顔で呼ばれる名前にドキッ、としながら挨拶を返す。
・・・というか、やっぱりだ。
美空、凛が知っていた名前、廉が知らない...Black dusk 第1章-4
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おして ひいて さけんで つかんで
もういっかいと もうなんかいも
いたいいたいと なきさけんで
だいすきだって もういえないと
しんでいきて ねむっておきて
ていさいきにせず つむぐあいを
あなたはいつも おくれてきてさ
いつもいつでも ねぐせのままでさ
すねてみるけど けっきょくおれてさ
る...To my sweetheart
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「え、なんで僕の名前・・・」
言葉が出た時は、もう近くに彼女はいなかった。
「どうしたの、和人。顔色悪いよ?」
「・・・いや、何もないよ。大丈夫。」
横で名美が心配してくれているが、今はそれどころではない。
なぜ、僕の名前を?まだ自己紹介もしていないのに・・・
なぜ、僕だけに話しかけた?隣に名美もい...Black dusk 第1章-3
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校門に立っている屈強な体育の教師に挨拶しながら、教室へと向かう。
時計を見ると、ちょうど8時20分だった。あと5分で遅刻。ぎりぎりセーフ。
「うちの担任、無駄に朝の学活早いよね・・・。今日もセーフだね。」
「いや、もう始まってるかもしんねぇぞ?」
学校の構造は、一般的なものと変わらない。強いて言えば...Black dusk 第1章-2
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第一章
俺の名前は矢田 和人(やた かずと)。
ふつうの中学二年生。
と言っても、うちの町は少子化が進んでいるらしく、中学生は俺を含め35人ほど。
そのうち同じ学年なのは12人だ。
だからこそ、今日は胸を躍らせていた。
なんと、今日から僕の学校に転入生が来るのだ!それも同じ学年に!!
(どんな人なん...Black dusk 第1章-1
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暗闇の中に、四つの光が浮いていた。
そのうちの一つが言葉を発する。
「この町に、アナタたちを派遣します。」
こくり、そのほかの影がうなずく。
「まず、First Music、アナタにはこの町の情報収集を。」
「ワカリマシタ。」
「次に、Mirror Music、アナタたち二人にはこの町にわが軍の配備...Black dusk プロローグ
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絶望って、誰から与えられるんだろ。
こんなもの、この世から消えてしまえばいいのに。
でもねって、君はあたしに語りかける。
絶望にも、ちゃんと意味はあるんだよ。
昔の自分はどんなだった?
昔の夢はどんなだった?
未来の自分はどうなの?
今じゃ絶対わからないね。
でも未来の技術なら・・・
そんなことでき...希望と絶望と未来と過去
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~漢字あり~
ほら 僕の中には君が住んでるから。
まだ 君の奥に僕はいるのかな。
二人の間に咲いた花 それを僕が育てるよ。
でも この花が枯れてしまったなら
それは すべて僕の責任なのかい?
そんな悲しいことあるはずないだろうよ。『My flowers』
いつか 出会ったよ。君とこの場所で。
僕は...Flowing time and flowers
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~漢字あり~
今日もほらまた、同じ顔して。
同じ雰囲気、同じ事して。
何も感じず、何も変えずに
自分を殺して生きてる。
もう無理だって俺の人生。
どうすりゃいいの?My先生。
次もあるんか?俺の醜い構成。
僕らは、生きると決まった時、
勝手に、人生決められてんだ。...鐘の音の人生
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さぁ、発車のベルが鳴る。僕の、テンション高くなる。
このコーナー曲がった後、僕の人生に、誓ったんだ!
今の人生にも満足だけど、もっと、人生過激にしたいな。
だけど、危険を冒して、快楽は求めたくないな。
昔の人生でも、案外楽しいよ。昔を追い求めたくはないし。
しかし、安全過ぎたら、もっとつまんなくなん...僕と心と発車ベル
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Rainy Heart 君は、そこに、
Rainy Heart 僕の心に、立っていた。
いつしか、君のことを、
忘れていたのは、僕のせいなの?
『僕は、君』で、『君は、僕』。
君の心は、雨。 晴れることはない。
「君のことを忘れない」と、誓ったあの日の僕が、
君を苦しめるなら、僕は、『僕』を選んでし...Rainy Heart
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まだ、流れてる。
ワタシは、いつまでも流れてる。
ワタシは雲だから、当たり前だね。
太陽(あいつ)が、笑ってる。
ちょっと日差し強すぎない?
あいつの笑顔は、迷惑なのよ。
ワタシの声が、皆に届いてるかな。
皆、どっかへ向かっているから、わからないけれど。
流れる雲のウタが、今日もどこかで響いてる。
...流れる雲のウタ
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僕の心の中で。
つないだ左手は、離さない。
ギュッと握ってた。ハズなのに。ハズなのに。
君は、どうして、この手をはなすの?
僕なんかは、もういらない?もういらない。
君の笑顔、それだけで、僕は、生きていた。
だって、君が好きだから、好きだから!
君と歩いた、この道をもう一回、
君と、歩きたい。君の歩...失恋妄想
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チーターって、なんであんなに速いんだろ。
そんな疑問が降って湧いてきた。
だけど、そんなのわかりゃしない。
わかったら、もっともっと速く走れるのに。
ある友達は、「低い重心が大事なんだよ。」と。
ある友達は、「足の回転を重視しないとね。」と。
コーチに聞くと、「考える前に、走って感じろ」と。
・・・...風を目指して
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「今日もこっちは晴天でした。」
君は、その報告ばっかりだよね。
ワタシの心は雨模様だ。
そんな報告、しちゃダメだよね。
「今日、こっちは雨だったよ。」
あなたは、そんな心模様なの?
俺の心は青空が広がってる。
そんな報告、元気無くすかな。
かみ合ってない二人だけど、
そんな二人だからこそ、見えるもの...ワタシの天気、俺の天気
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昔の人は言ったんだ、 「地球には果てがあるんだ」と、
「その果てに行けば、どこまでも落ちてしまう」とも。
だけど、キミがあきらめない限り、果てはないんだよ。
落ちずに踏ん張ることだってできるさ。
キミは、いつもみんなにからかわれてた。皆、キミを笑ってた。
私はね、自分のことみたいに、深く傷ついたんだ...スカイチェリー