天上ニンゲンファクトリー

誰も知らないどこかで一人
今日も始まるルーチンワーク
自然生命種類さまざま
なんといってもメインは君
ゴーグル嵌めて視界をガード

Howling

傷口を痛がって　奥底を見逃した
標のない道行き　君は何処を外れる
焼けたフィルムに遷ろう甘い幻
捨てて行けるとばかり思った
暁に染め抜いた空から朝が来る

世界は変わらない

海へとハンドルを切る
抱え続けた空洞は暖かい
ラブソングを口ずさむ
あまりに幼い憧れの残骸
こころは目に見えないから

千人分の神様

君に突き刺さるような言葉は
未だ僕も知らずに
叶わぬ人の願いを
眺めるだけで未来は過ぎた
ろくに人間(ヒト)のフリもできないのに

ラピュタ

忘れたタイトル
思いだそうとしてる
みんな知ってる映画
私だけ　思い出せない
雲と雲の間に

Clock chip

ぐるぐる　
朝を繰り返し
ぶら下がる
わたしは歯車
まだ寝ててもいいかな

トラジコメディ

『飾りすぎないで　
僕が目立てないから』
悪意で縫った瞳(め)に
ああ　また殺されるのか
色錆びた独房(へや)で

OveR Re/writE

堕落のカナン　乾いた神を視る
満たされ過ぎた今日で　
潰れた旗にしがみつく群衆
羨望は絶望へ
何度目の上書きの果て

2.00

なんでもないような顔をして
今日も君に　信号を送った
気付かないでと祈りながら
君を好きになっちゃった、とかね。
まったくもう　どういうミスだろう

展望の街

きみはまだ　蛹の青
地中深く　眠りに束ねられている
崩れ落ちた心を知らずに
ここにある　全てのもの
明日になれば　別れを告げることになる

17cm

ほどけた靴紐を　もういいやと放る
残酷な指先　静かに引きとめた
ミニチュアみたいな　
この優しい街から　君は消え去る
流れる時間は

逃げ水

遠くで火が焼けて
きみは　水彩の麦わらかぶる
変わってしまった　ぼくを嘆いて
ここから逃げるなら
きっと　夢を裏切る以外には

e.pty

はちがつの　ここのつの日の
きみの　心臓の音
ここにまた　帰る時まで
ぼくは　羊水のなか
眠る

螺子と痛覚

剥がれた跡を眺めて
痛くないのに泣いていた
螺子の空洞　覗くひとがいないなら
生きてる限り　がらんどう
すこし、遠い場所に来ただけで。

心象トンネル

目が覚めるような夜色の
ラジオの速報　朝は殺されたらしい　
トンネル声がすり抜ける　俯瞰の角度
いま　君のフードがゆらゆれた
生真面目にサーカス　ブランコの紐

マゼンタ

つめたい配線　繋ぐのはマゼンタ
その世界　奥底で背を向けるきみ
ゆらりら
朝と呼ぶには昏い　夜と呼ぶには淡い
泡みたいな時間でいきていたいな

zng

きおく　打ち砕いて
沈み込む　いまを
そっと　睨みつける
いつも　振りほどいて
ばらばらに　千切り

浴葬

洗剤の蒸せる匂い
心臓を詰まらせる
なまぬるく滴るのは
日付の無い追憶
ブレーカーの腐った跡

終幕影像

指先は　逃さず　映す
その靴　階段に　揺られる
額縁の　片隅　そっと
紙の鶴　羽ばたく　影像
君はまた　視線を　伏せながら

アウトサイド

夕焼け　環状線　抜けてく速度
僕ら　哀しみを翳したがるだけだ
思い出は　丸めて　スーツケース
一回きりのウソを　許してあげる
外れた線路　アウトサイドで願うよ

レンガの城の王様

レンガの城の王様は　いちにち、ひとつを積み上げて
ばたつくはだしで　未来を蹴りあげる
残る臣下のめんどりは　積み上がるレンガ見上げて
届かない声で　その名前を呼ぶの
明日は毎日やってくる　昨日は一度もやってこない

透明標本

そんなに　遠くないような未来
土に手を引かれる日がきたら
この指　丁寧に齧りとって
あなたの標本にしてほしい
捲り続けた　本のページ

mi-i

追い越したのか　追い越されたのか
もうわからないくらい　半壊の絆です。
どうやってさあ　笑いあったのか
もうわからないくらい　そんなのって哀しい
ほんのすこし　濡れた手で繋いで

ダミー

あの花ひとつ摘んで　飾って
ぼくへの手向けにしてくれないかな
error　ぼくは、ぼくに似すぎて
どちらが　どちらかわからないから
あの花ひとつ摘んで　飾って

she

耳鳴りを塞ぐ
ちっぽけなからだに
ぜんぶ留めて
なくさないように
ねえ　まだ　聞こえるでしょう

灰と息

灰を吐いて　デジャヴ
持続する　不整脈の朝
伏せた視線は嘘
言葉なんて後でいい
唇が微かに彩る

トウシューズとアンブレラ

(流れ出す　すべてを　見つめるだけの)
横切った、モノクロ　
ぬるい言葉　爛れ落ちた
浮かび上がる　視線の痣
向こう岸で　太陽がおちてく

ピエロタイム

足を　踊らせたら
セカイへ　笑いかけて
あたし　AM:3:00（さんじ）の月
おどけて　ピエロになる
ねー。　かわいいでしょう？

meia

黒い柩の底　靴を並べて
あなたが眠る音を聞く
寄り添って　息だけが鼓動を明かす
開けない夜を守るように　佇んだ
anu'a crossun noawra

sign

stay　裾を掴んで　うつむく
rain　どしゃぶりなんて　ウソつく
コトバは　巡り　巡る
コドウが　行き場　なくす
ココロが　ゆらり　ゆらり　

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もう聞こえない音が　かすめたようで
だから息をやめた　そっと靴を脱いだ
耳に障るね　痛い呼吸の音
波間のまぼろし　さらわれてしなびた
きみがぼくを過去にして　あんまりに

フロートチャイルド

ねじ曲がる気圧が　両腕をさらう
空中分解の感情と　氷点下の体と
伝い、落ちる　儚さだけなら
やさしく殺してください
静寂に揺られて　引き攣って