マンハッタン

酔えないわ　そんな利口な犬
利　得る　安寧と怠惰　優雅
そう　顔つまんないね　どっか行って
有用でない炎上が無くちゃ
Uh

みちゆきの花

忙しなさが心地良く感じた
朝凪は木漏れ日　揺らした
足音で歌った何気ない談笑
パステルで描いた空の色
サクラ　サクラ

ツナガルセカイ

繰り返すだけで　意味の無い世界
きっと今更　何も出来ない
パステルカラーのドアノブを回し
やっと会えたね　まだ走れるよ
夢の中で　いつでも君は泣いていて

全力ラブストーリー

ワン・ツー・スリー・フォー ラブストーリー
裸足のままで私は走り出す
(I want you and sweet love story)
はじめは別に　興味なんて無かったのに
いつからか

エンジン

子供じゃ出来ないメイクして
働け今日も　ワタシ
期待の新星フルパワー
倍速ストレート
遊びも恋愛もしないで

おくりもの

カラフルなリボンの海
色とりどりな模様のボックス
あっという間に0時過ぎ
まだ決まらないままで
迷　迷　迷妄

青のメモリー

青空を通り抜けてく
透明な夏の潮風
照らし出す太陽が眩しいよ
次の角を曲がったら
ビーチと海が見えてくる

シャボン玉

君の白いシャツの半袖と
君の肩幅から伸びる影の
半径10センチ以内に座る
心臓の音は走り続ける　
何気ない感情の

STAGE

ふざけて撮った写真
大事に仕舞ってるずっと　引き出しの奥
ギターも買ってみたの　だけどね
難しいこんなの　全然弾けないよ
音楽好きな君と　話したいだけだったけれど

この戦争が終わったら

いつもより早い朝を目覚ましが告げる
小さな牧場と風車
使い慣れた毛布だけが
部屋の隅に畳まれていた
いつもと変わらぬように

業病

放課後に辿り着いてしまう
深い眠りが
覚めない様にずっと逃げ回っていたのに
黄昏に浸る教室が
焼き付いた少年に

シャンバラ

感情や願いとか
そういうのじゃなくて
林檎が地に落ちるような
満たされた答え
脳内で決した最高裁判例

ハルピュイア

【第壱巻】
死者の國にて
終極
暗澹に揺らめく
織り成した羽を垂らして

老人街

ああ若い頃は良かった
助け合いながら生きてさ
活力があってさ
昔はすごかったんだ
悪い事も沢山やった

スカイスクレイパー

交錯迷走が腐りきり
抱く想定　調整　統計　亡霊
義務を成している
バーチャル幻想で二人きり
溶かせ怨念　饗宴　老年　ローゼン

レモネード

切り取った青春を　繋いだ幻想
冷め切った現実に　焼かれてたんだ
蔓延った正論を　無碍にせんと夢を見て
コルク栓の自分も忘れ
「僕だって普通なら」

センシティブ

感情を出す事が怖くなった
見下されているようで
興味無いフリをした
表情すら機能を失った
嘘を付くツールになった

戯言及び外伝

飽きもせずまた
意味の無い歌を繰り返す
くだらない
戯言だ
【戯言】

ミルクパズル

寝る前に聴いてた歌手や
待ち合わせの時間が住んだ
寒空を覗く窓が
あるだけの六畳を描いた
ミルクパズルのように

ヨルムンガンド

偽神<カミ>を堕とせ　乖離し灯せ
慟哭の代償
舞い堕ちる花弁　灰に成る過程
生きることが罪過
もう奪わせない　もう逃げはしない

福音

「間違っていないか　その再現性も　関係も」
「そうなっても何か役に立つの？」
「夢なんか見ないで戦争をしようよ」
瞑想も読経も嗤って
嘆き合う者

ゼロサム

奪え　喰らえ　掴めるだけ掴め
ここはゼロサム
仲間　家族　全部騙せ
自分以外全部嘘
邪魔なヤツを引きずり降ろして

ヸシュヌ

【序】
球体の、或いは格子状の
透明の、或いは極黒の
輪郭は無く（ただし、在るのだが）
全貌を視界に収めることすら出来ぬほど大きく

シャンティ

よう うな垂れてるその兄ちゃん
何か辛い事あったんか？
俺で良けりゃ話してくんない？
力になるぜ
一体どんなことがあった？

デスクトップアイドル

LOVE あなたの曲は
それを歌うけれど
その意味をまだ
私は知らない
音楽で人を救いたいとか

snooze

排気に酔ったケーデンス
もう嫌なこと全部投げ出して
斯く濁った正義へ問う
あなたの話はつまんないよ
Cadence drunk in pollution

リテラシー

罫線が歪み切っていた
筆圧もままならない
言語とすら呼べないくらい
杜撰で　不安定　なんで
Completely skewed ruled lines

コールドケース

教育を謳った芝居も
集団自殺の応援
「禍福だ」とか言い訳に聞こえる
将来はどうしたいの？
勝算はとうに無いよ

ブラインド

当該カメラはエラー参照
海賊版パーツに潜んだトロイで
疲弊
サーモグラフィーに偽装コード
フォルマントはクラスターのノイズになって

オメルタ

朽ちたる廃城に住み着いた吸血鬼の真祖
13の名と不老不死を持つ黄金の髪の少女
「外は危ないですから街へ降りてはいけません」
メイドの言いつけを破り抜け出した罰が下ったとでも言うのか
忌まわしきヘリオスの眼に焼かれ

キリエ

大きな背中をお見送りして
ギュッと（ギュッと！）リボンを結び直すの
広いお屋敷に来てから初めて（ステイホーム！）
一人お留守番なんです
長い長い廊下もピカピカに拭きましょう

アルセーヌ

「大儀名分は善悪の天秤に関与しない」
そんな分かったような顔して目の奥はギラついてる
「刑事さんあんた、いい歳なんだから無理はすんなよ」
代金とコーヒーのカップを残し去っていくトレンチコート
カフェの店員　コーチマン　ドクター

セバスチャン

お嬢様
あなたがこの手紙を読む頃には私はこの世にいないでしょう
ご主人様達も亡くなって屋敷も焼かれて
これからは一人生きてゆくのです
もうドレスもテーブルマナーも何の役にも立たない

アンティーク

日時計の針　真円の月
確たるものさえ　ファンタズマゴリーなのか
アルバムの写真　昨日の日記
両親を名乗る　見たことの無い二人
かつて　いたという私

サクラメント

母に血を落とし我が身は
名誉のため燃やすと誓おう
洗礼の日に初めてを
Errare humanum est
罪深き我々の目にこそ