(歌から勝手に書いた)悪ノ娘 プロローグ
目の前に設置されたギロチンに括りつけられる寸前、ようやく初めて世界をそのままの形で見た気がした。それと同時に今まで生きてきた十四年間の己の小ささを、本当に自覚できた気がした。
自分に悪態をつき樹の枝や石ころを投げつけてくる国民達、彼らからは惜しみなく傲慢な為政者に対しての憎しみが伝わってきた。
それらの感情はむしろ馴染みのあるもので、特別だと思い込んできた自分の境遇が情けない程に平凡であることが理解できた。
なんて愚かだったのだろう。
あのちっぽけな王宮が世界の全てだと思い込んできた、己が誰よりも物事の全てを見通していると信じて疑がっていなかった。