灼

花火は鳴り終わり 寂寥と硝煙の匂い
夏夜の闇へ過ぎて熄える頃
人気のない畦道の通りで
来いよ来いよと招いている影が
何かと思って 近づいてみるけど

生体認証

右から左へ流せる 空白庶務のように 能わず
瞥見で為人を口より 紅魄の跡、痕が然う
涯際に站ち疏し 照合に弾く閾より
見える ぽつる零細が　淋漓と踰える一入が
迂い悠い無紙の上に 戒める釁へ配した

メリー

White steps into the magical
いつもへ溶けない白の彼が
無垢から始まる空箱　その内側に坐ら
変わらなくなった背丈と 比重に敏くなって
日の出の光の隙間の 通知に気を取られて

ネオン78

一身上の域を 忽せに 箍を外す
彷徨わぬように 氛いへを極に示す
想像から火蓋 切る中　顛末 領に励む霧中[キリナカ]
鞭撻填補に入り乱れつつ 晃晃光る影絵を切り抜き
十進数の指を 忽せに 魂を抜かす

エレクトロニック・ハートビーツ

「ねぇ、マスター。」
「曖昧な意味を紡ぐ言葉で、」
「問い続き調声す 私が見えてますか。」
「私の事を 話してみようかなと思うんだ。」
「見えずと紡ぐ 貴方にならば。」

マスカレード

降り追う風とも 頻り謡う　微睡む中 通り抜けを
配達したいという 懇々　其処の戻りを拵えて
存続したいという踏み落としで　何を届けるか 匿名希望の
マスカレード マストレード　斉ので備蓄を再び紡ぐと
マストレート 待って標榜　私の事など放り置く

サンドボックス

見えない硝子 数枚 挟んで
僕に遠い談唱を聞き乍ら
誰も何も呉れずとも 僕は此を作るんだ
誠心誠意の透きの狭間を 沈着たる静養感で
想像するだけ無限の濃度をと 漂う静寂で

空の上へ隕ちていく

末永く 身の丈も在らず　悠々自適の宙に浮いて
押並べて 馳せる入口の 間も無しを濾すも
徒に廻る入道へ 快晴の日差し 添えて包み
冷たさが火照る心身へ 一粒の涓が
嗚呼、なんて気持ち良いんだろう

エール

横たわり既に 目覚めは朧して
朽ち果てた家屋　壊れた肖像
影形すらも見慣れぬ身辺
見知らぬ誰かが 只に棲む　そっと
変わり映えしないお化けのようにか

ようせいのうた

ああ なんかね みあげたんだ　いま ここに いるのが
ああ なんでね ここに いるの
ぼくは そう つぶやくのを きいた　
ほしぞらを みても　もう はねが ない
いきを しても　こころが いないと

デミ！

ね、
情の在るものを創りたい
でも何故だか無機物しかできない
こん中途半端　そな今日なん日々
性懲り無く 紋切りなハッピーエンドを綴りませ

エレクトロニック・ハートビーツ

「ねぇ、マスター。」
「曖昧な意味を紡ぐ言葉で、」
「問い続き調声す 私が見えてますか。」
「私の事を 話してみようかなと思うんだ。」
「見えずと紡ぐ 貴方にならば。」

漸近収束

∀U, ∃I, s.t. ...
「何だかこれじゃ物足りない」
それが開口一番 第一式を書いた台詞
仰いだ軌跡擦る 爪先合わす弧長の
動径を評価する旅

暁鐘の防人

「置いていくから　数限り味わって 忘れぬように」
踏み負う風 通り抜ける　永久の誓いを持った形見を授かり
汲み入るまで 天秤に吊るし　甲か乙か愛でるその旅路に
無音の擬音が言うには
「君は愛せますか　生ける屍となり 価値を無くせども」

Underdogger

Oh, magical!
Hey you, have you seen the things like the dog-like
Hey you, have you ever heard something like that
It is a little wider and more brilliant than you thougt ever
And, what is more, it looks like a dog for some reasons as I've said

leftovers

臍帯 祝う通過儀礼　発語包めて 一世風靡
バイバイを謡う詠　集団への歓迎ムード
一重百千億　裏表裏 引っ繰り返し
散々食らって食らって　年を取り草臥れば
再会 祝う通過儀礼　端から見れば 花一匁

スターダストゲイザー

一つと一つ感情が　崩れて落ちて逝くだけ唐変木
下らない世界線を転じて其処に何を見出せば
どうして星を眺めるのか　「何故星屑を数えているんだろうか」
そうして星を数えていた　僕は星を見る 劣等星
そう聲を張っても　腫物触りで大概か