タグ「鏡音リン」の付いた投稿作品(34)

ReAct  1  ※2次創作

THE PRESENT ≒ SIDE:γ
 今、温もりが消えさってしまったその場所で、三人の男女が立ちすくんでいた。
 それは宵闇、ちょうど日の沈んだ時刻だった。その瞬間、まるで時が止まってしまったかのように三人も動きを止める。ビルの屋上。つい先程まで、外周をぐるりと取り囲んでいるぶしつけなフェンスの向こうの世界では、遥か彼方に沈みゆく太陽が見えていた。その夕陽が消え去った今、彼等を温めるのは自らの、そしてお互いの体温の他に何も無かった。聖夜も近づく師走の頃、大気というものは日光が無くなればすぐさま肌を刺すような冷たさへと変貌する。
 だが、そんな大気の温度にも負けず、三人の間に揺れ動く感情は停滞することなく目まぐるしく変動を続け、屋上には張り詰めた空気が漂っていた。
 男が一人と女が二人。いや、男女と言うよりはまだ少年少女と言った方が正しいであろうか。一人の少女――恐らくは三人の中では歳上なのだろうが、長いツインテールと可愛らしい顔立ちは、そこにあるはずの年齢差を全く感じさせなかった――は倒れ込んでしまっており、その華奢な身体を支えるようにして少年がかたわらに寄り添っていた。その少年と、少し離れて立ちすくんでいる少女はどことなく似ている。恐らく同い年であろう二人は、まだ学生だろうか。おそらくは大学に通っている年齢なのだろうが、二人のその童顔は、まだ高校生だと言われても違和感を覚えなさそうである。

周雷文吾さん

周雷文吾さん

2013/12/07 15:16

▲TOP