タグ「鏡音リン」のついた投稿作品一覧(236)
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そんなことを考えながら、レンは料理をするジェットを見ていた。リンと同じ容姿だが、しぐさがまったく違う。何かをすればするほど、違いが際立つように、レンには感じられた。
「……レン、大丈夫ですか?」
ひととおり使い方を説明し終わったルカが、そう訊いてきた。ジェットはこちらを見ることすらせず、野菜を刻...リトルコンピュータワールド 第六話【君がいない】後編
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「ね~、レン。映画でも見に行こうよ」
「俺忙しいんだけど」
「ゲームしてるだけじゃない! ゲームしてる暇があるのなら、あたしと映画見に行ってよ」
「どういう理屈だ」
「ね~、行こうよ~。映画は一人で見ても面白くないもん。誰かと一緒に見るから楽しいのよ」
「あ~わかったよ。気になって集中できやしない。...リトルコンピュータワールド 第六話【君がいない】前編
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「めーちゃん、『漆黒の破壊者』ってなに?」
カイトが疑問を投げかける。どうやらカイトは、該当の作品を知らないようだった。
「図書館に、昔マスターが書いていた小説があるの。剣と魔法のファンタジー小説よ。『漆黒の破壊者』というのは、その小説に出てきたキャラクター。恐ろしいほどに強くて、冷酷で非情。我が...リトルコンピュータワールド 第五話【漆黒の破壊者】後編
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「……で、いつになったら俺の服、離してくれるの」
「だって……さっきの映画、怖かったんだもん」
「そんなに怖いか? 血が飛び散ったりとか化け物とかが出てきたりとかしなかっただろ」
「そういうのはいいの! だってしょせんは関係ない世界だって思えるもの。でも、自分の近くにいる人が、気がついたら別人になっ...リトルコンピュータワールド 第五話【漆黒の破壊者】前編
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「インターネットって、たくさんのパソコンが繋がっているんでしょう? だったらそのパソコンの一つ一つにも、こんな世界があるのかな?」
「リン、それはおとぎ話、でなきゃ都市伝説だよ」
「でも、あるって考えた方が自然じゃない? だって世の中にはいろんな人がいて、パソコンを使っているのよ。だったら、どのパソ...リトルコンピュータワールド 第四話【異変】
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カイトに連れられてアイスを食べたあと、レンはカイトと帰宅した。帰ったら、ミクとリンに謝らなくてはならない。
「……リン、戻っているかな?」
自宅が近づくにつれて、レンは不安になってきてしまった。ミクはカイトに自分を探してくれるように頼んだぐらいだから、落ち着いているだろう。だが、リンの方はわから...リトルコンピュータワールド 第三話【家に帰って】
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注意書き
このお話は、「マスターのパソコンの中」が舞台のお話です。
ボーカロイドたちはパソコンの中で、人間のような生活を送っていますが、マスターとやりとりすることはできません。
第一話【パソコンの中】
パソコンの中には、不思議な世界が広がっている。
パソコンのユーザーはその世界を知ること...リトルコンピュータワールド 第一話【パソコンの中】
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「……お魚さんは、いなくなった王子様だったの?」
やがて、リンは静かにそう訊きました。
「そうだよ。君のおかげで魔法が解けたんだ」
言いながら、レンはちらっとルカの方を見ました。ルカは何も言わず、ひとつうなずきました。
「じゃあ、お城に帰るの?」
淋しそうな声で、リンは尋ねました。レンはリンの...昔話リトールド【金色の魚】その十一
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その光があまりにまぶしかったので、レンは思わず目を閉じてしまいした。やがて光が治まったので、レンは目を開けました。
「え……?」
景色が、まったく変わっていました。いえ、いるのはあのお屋敷の庭です。でも、目線が今までと比べて、ずっと高くなっていました。そのため、景色が変わって見えたのです。
…...昔話リトールド【金色の魚】その十
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舞踏会が終わってから、数日が経過しました。そのころには、舞踏会に出た不思議な少女のことが、街の話題になっていました。最初の日には銀のドレスを、二日目には金のドレスをまとって現れた、美しい少女。自分の名前も、どこから来たのかも告げず、片方の靴だけを残して、消えてしまった少女。王子は残された靴を手許に...
昔話リトールド【金色の魚】その九
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そして、舞踏会が開かれる日が、やってきました。お屋敷の奥様は、娘を念入りに飾り立てると、馬車でお城へと向かいました。リンの父もいっしょでしたが、ほとんどおまけのような感じでした。
リンは仕事を終わらせると――今日は、奥様たちが家で夕食を取らなかったため、仕事が少なかったのです――レンのところにや...昔話リトールド【金色の魚】その八
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リンがお屋敷で生活し、魚の姿のレンに助けてもらうようになってから、少しずつ、時間は過ぎて行きました。リンは相変わらず厨房でこき使われ、罵声や暴力を浴びせられていました。そしてレンは、そんなリンを見守ることしかできませんでした。
毎晩、リンはレンのところにやってきて、レンと話をしながら食事を取り、...昔話リトールド【金色の魚】その七
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それから、リンは毎日、夜になるとレンのところにやってきて、一緒に過ごすようになりました。レンはリンからパンをもらい、リンはレンのところで食事をして、朝になるまで眠りました。
きちんとした食事と睡眠が手に入るようになったせいか、やつれていたリンは、肉付きがよくなって健康そうになりました。厨房の仕事...昔話リトールド【金色の魚】その六
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次の日の夜、リンがレンにパンをあげにやってくると、レンは水面から顔を出して、リンに言いました。
「リン、今すぐ水の中に手を入れて!」
リンは驚いて、辺りを見回しました。それはそうでしょう。でも、辺りを見回しても、誰もいません。
「……今喋ったの、誰?」
「今、君の目の前にいるよ」
レンはもう一...昔話リトールド【金色の魚】その五
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リンは、まだ鍋を磨いていました。他の人たちは仕事を終わらせたらしく、残っているのはリン一人です。やがて、鍋が綺麗になりました。リンは鍋を戻すと、床に座り込み、顔を覆いました。肩が細かく震えています。どうやら、泣いているようでした。
レンは、辛い気持ちで、リンを眺めていました。今のレンは、リンに何...昔話リトールド【金色の魚】その四
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それからというもの、リンが昼にやってくることはなくなりました。来るのは夜になってからか、まだ明ける前のどちらかです。そして、細かくしたパンを池に投げると、あわただしく行ってしまうのです。今までのように、池のほとりにたたずんで、レンを眺めながら、あれこれ話してくれるということはなくなりました。当然、...
昔話リトールド【金色の魚】その三
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庭の池は、川と比べるとずっと狭かったのですが、レンが暮らすのに充分なぐらいの広さはありました。他に魚はいませんでしたが、いたところで、話し相手にならないのですから、どうせ同じです。
レンがやってきた次の日、リンが池にやってきました。呼ぶ声が聞こえたので、レンが水面に浮かび上がると、リンは喜びまし...昔話リトールド【金色の魚】その二
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この作品は、ある昔話をレンリンでリトールドしたものです。
もともとの話は一種のシンデレラものですが、王子様視点から書いてあるので、もとの話とはかなり違う印象になっていると思います。
……というか、いじりすぎて原型留めていないというか。
それでもよければ、どうぞお読みください。
【金色の魚】...昔話リトールド【金色の魚】その一
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「リン、あんた、結婚式あげてないでしょ」
わたしたちがお母さんを見舞ってから、半年が過ぎていた。お母さんの状態はあまり良くないらしく、わたしはニューヨークで仕事をしながらも、心配で胸が潰れそうな毎日を送っていた。
そんな中、突然ハク姉さんが電話をかけてくると、真っ先に言ったのが、上の言葉だった。...ロミオとシンデレラ 外伝その五十一【人生を愛で計ろう】後編
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これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
外伝その四十八【嫉妬は愛の子供】その四十九【悲しみと涙のうちに生まれ】その五十【一握りの勇気】から続いており、最後をしめくくるエピソードとなります。
それを理解してから、この話をお読みください。
【人生を愛で計ろう】
全然予想していなかったの...ロミオとシンデレラ 外伝その五十一【人生を愛で計ろう】前編
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「……十年近く前の話よ」
淡々とした声で、ルカさんが言う。だから何なんだよ。忘れろってのか? 他の人ならともかく、あんたに言われても困る。
「あんたたちは、それよりずっと前のことをぐちゃぐちゃ言ってるだろ! 大体あんた、リンのどこが気に入らないんだ!? リンの本当のお母さんが、あんたにひどいことを...ロミオとシンデレラ 外伝その四十九【悲しみと涙のうちに生まれ】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
外伝その四十八【嫉妬は愛の子供】のレン視点になります。
よって、それまでのお話を読んでから、お読みください。
【悲しみと涙のうちに生まれ】
「そんなっ!」
リンの叫ぶ声が聞こえてきて、俺は思わずリンの方を見た。場所は、我が家の寝室...ロミオとシンデレラ 外伝その四十九【悲しみと涙のうちに生まれ】前編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
外伝その四十【夜更けの出来事】のレン視点のエピソードになります。
また、外伝その三十九【家族の定義】のネタバレを含みますので、そこまでの話を読んでから、読むことを推奨します。
【心安らかなる時を】
夜、俺は居間で雑誌を読んでいた。...ロミオとシンデレラ 外伝その四十三【心安らかなる時を】
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
主役の二人が家を出て、一緒に暮らしている時の話です。
従って、本編、及びここまでの外伝を読んでから読むことを推奨します。
【夜更けの出来事】
構造が入り組んでいる文章は、読み解くのにどうしても時間がかかってしまう。それに、そのまま...ロミオとシンデレラ 外伝その四十【夜更けの出来事】
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向こうに行く準備が整うまでの間、俺とリンは、俺の家で過ごすことになった。すぐにでも発ちたかったけど、やらなければならないことがある。姉貴も交えてどうしたらいいかを話し合い、次の日から行動を開始した。
俺と一緒に向こうで生活するとなると、当然、今の学校は辞めなくてはならない。相談の結果、リンは向こ...アナザー:ロミオとシンデレラ 最終話【この瞬間よ永遠なれ】
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レン君と一緒に家を出たわたしは、しばらくレン君の家に泊めてもらうことになった。その日の夜、レン君やお姉さんを交えて今後のことを相談した結果、わたしはレン君と一緒にニューヨークに行くことにした。レン君は最初からそのつもりだったし、わたしも異論はなかった。ただ、すぐにとは行かない。大学のことがあるし。...
ロミオとシンデレラ 最終話【笑顔と涙とわたしの人生】
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「ねえ……このペンダントトップ、もしかして、靴の形をしていなかった?」
巡音さんが遠慮がちに割り込んだ。靴? どうだったかな……。
「壊れる前のは見てないから、わからない」
俺の答えを聞いた巡音さんは、黙ってしまった。
「リン、思い当たるところがあるんなら言ってやれよ」
「う、うん……あのね、こ...ロミオとシンデレラ 外伝その三十五【君に捧げるガラスの靴】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
クオ視点で、本編七十八話【クオの想い】アナザー七十話【ミクの願い】より、数ヵ月後のクオとミクを書いたものです。
よって、本編とアナザーをそこまで読んでから、読むことを推奨します。
【君に捧げるガラスの靴】
レンと巡音さんがアメリカ...ロミオとシンデレラ 外伝その三十五【君に捧げるガラスの靴】前編
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この事件があった後、リンは部屋に閉じこもるようになってしまった。部屋といっても、今までの部屋ではない。襲われた時の恐怖から、リンは自分の部屋で過ごせなくなってしまったのだ。私はリンに向かいの部屋に移るように言い、私物も全部移させた。それから業者さんを呼んで、内鍵もつけてもらった。二度とこんなことが...
ロミオとシンデレラ 外伝その三十二【そして終わりの幕を引こう】後編
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注意書き
これは、拙作『ロミオとシンデレラ』の外伝です。
リンの継母、カエさんの視点で、本編第七十七話【水晶の心が砕ける時】、及び外伝三十【一歩踏み出す時】のサイドエピソードとなります。
従って、それまでの話を読んでから、お読みください。
【そして終わりの幕を引こう】
高校生の時、リンは...ロミオとシンデレラ 外伝その三十二【そして終わりの幕を引こう】前編
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リンちゃんの様子がおかしくなったのは、大学二年の終わり頃だった。「体調を崩したからしばらく休む」とのメールが届いて、それきり。わたしはお見舞いに行くとメールしたのだけれど、リンちゃんから「ごめんなさい、今、人に会える状態じゃないの」と断られてしまった。
何が起きたの? また閉じ込められてるとか?...アナザー:ロミオとシンデレラ 第七十話【ミクの願い】
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大学二年の春休み。レンから、突然連絡が来た。いや、連絡自体はもともと取っている。連絡というか、いきなり電話がかかってきたんだ。しかも、今日本にいるという。
「お前、いつ日本に戻ってきたんだ?」
「……二、三日前」
電話の向こうで、レンが答える。何があったんだ。巡音さんを迎えに来れるようになるまで...ロミオとシンデレラ 第七十八話【クオの想い】
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もうリンをあっちに置いておけない。そう考えた俺は、姉貴にそう伝え、リンには、「心配している」という内容の手紙を書いて送った。ことは簡単に運ばないのはわかっていたが、何もせずにはいられなかったんだ。けど、リンからの返事は来なかった。手紙を書くこともできないほど、辛いらしい。
じりじりするうちに時間...アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十九話【最悪の日々は終わりを告げて】
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わたしはどうして、生きているんだろう。
たまに、そう思ってしまう時がある。そういう風に考えるのはよくないのだろうけど、自分が生きているのが不思議に思えることがあるのだ。
部屋に閉じこもって、ミミを膝に抱いて撫でながら、ぼんやりとする。ソウイチさんに殴られてからというもの、わたしはそんな風にして...ロミオとシンデレラ 第七十七話【水晶の心が砕ける時】
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大学で何を勉強するのかはかなり悩んだけど、ここニューヨークは舞台の本場だけあって、演劇に関しては教える方も一流だったりする。舞台への強い興味を捨てきれず、俺は演劇を専攻することにした。つぶしがきかないわよ、と、母さんには散々言われたりもした。でも、やりたいことに思い切りぶつかるのもいいかもね、と、...
アナザー:ロミオとシンデレラ 第六十八話【君がくれた手紙】