作品一覧
その他
オンガク
群れに逸れた狼は 道に迷うふりをして 欲に濡れた赤い牙を 月の光で磨いた 鞘に収めた曖昧な 言い訳を最後に今僕は 向かい風に背を向く 月明かりだけが頼りで 不意に躓くのを恐れ 不思議そうに見つめ返す 影を踏まぬようにした 分かれ道に生えた草木 ひらひらと招いているよう 「こっちへおいで。」 冷たい...
深淵の呼声