phantom / 初音ミク

閑古鳥が鳴いたどこまでも寂しそうに
終着駅は此処だ
佇んだ街灯と
帝都の何処かで麻縄を巻き付けて揺れていた
聴けば聴くほどに効く　あなたの歌で僕を彩って

リリー

煤けた色の本を手に取った
隣にはリリーの香を詰めた缶
拙い文章の終わり
震える字で『眠たい』とだけ書き足されていた
「世界の終わりが欲しい」

月を　/　VY1

堕ちていく、朽ちていく
流れていく、爛れていく
汚れた靴を僕に投げ
落ちていく、朽ちていく
流れていく、溺れていく

よるのうた　/　MAYU

僕たちが見ていた
アスファルトの路のどこかに、
きっと片足の靴を棄てたのだろう
愛 夢 音 色
形のないものなんて、

ユーエンミー

陽が空を焦がすのを待ってた
花瓶に生けた椿は転げ落ちて
飽きもせずにひたすら待っていた
雪に染まる窓は壊れて開かない
ガラクタの指輪と苦し紛れの花束で永遠を誓ったけど

紺碧　/　初音ミク

貴方の涙は夜をゆく
くるりと踊る
風の唄声
夢をみていた砂はまで
くるりと踊る

Lie

また吐いたんだ小さな紫煙
それは透明の管を通って
毒ガスのようなエゴが心臓握って離さないの

またついたんだ小さな嘘

シンデレラ

年に一度の舞踏会
夢みる女の子を探して
町中、帽子屋の床を掃く
きみを見つけた
「王子様に会いたくないかい？」

群青

「空は続いてる。」
少女はそう言うけれど
地球がくるまれてそう見えるだけだよ
メイビー 森の奥
いつまでも少女といる

Beast

君と暮らすようになって
いくつか年を過ごした
ゆるりと弧を描いている
その小さな唇
いつまでも解けない呪い

砂時計

さらさら
流れている
落ちていく、溶けていく。
寂しいこの一時が
どうしても好きになれない

深海のグレゴール

暗い冷たいこんなところで
ヒカリも見えないフリして
深海のグレーゴル
僕はまた一人で哭いていた
そのからだのすべてが

お茶会ゲーム

目を開けた　思考の先
ガラス玉を口に入れて
逃げられない箱の中
「地獄だ」と脳味噌がつぶやいた
「何十億もの人類の中で

歌姫

青い空見上げては１人寂しく歌う
歌姫は座ったままでガラスの靴を落とした
暗い塔の中で割れた鏡
時間はわからない
あのとき咲いていた赤い花が