タグ「和風」のついた投稿作品一覧(10)
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微睡みの間(あわい)に
愛し君の影を見る
覚めれば淡い雪
春待ちの枝に揺れて
「新たな花の
咲く頃は
何れこの恋も
消え行く」と
告げた声が
密やかに絡めた指が...淡雪の花(あわゆきのはな)
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S
はらり 散り逝くなら
今際その頬触れて
君が零す、ただ一滴(ひとしずく)
きっと拭い去ろう
A
別れは薄紅の
色に染め上げられ
散りゆく片(ひら) 触れあえば
幽かな音色...四季詠相聞歌(しきよみそうもんか)
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1A
彼方から密か
貴方手招く
囃子の音に似た
鼓の音、狐の音よ
1B
黒白の面(おもて)
素顔隠し
集い来(きた)るのは人か否か
弓張りの月が昇れば...紅葉 葉隠れ(もみじはがくれ)
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S
花に 風に 願いをのせて
今宵 君へ捧ぐ
A
春宵の霞に浮かぶ
花明かりの元で咲う
一年(ひととせ) 千年(ちとせ)に
待ちわびた人よ
今宵は未だ名も知らない
この心を音に寄せて...神遊(かみあそび)
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清(さや)かな風
夕(ゆう)の気配、運び
誰そ彼時
空は色を変えゆく
幾重にも色重ね
描き出そう
君との時
名残の花を散らしゆく
雨は 柔く肩濡らす
静かに傘を差し掛けて...色重ね(いろがさね)
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白い花の髪飾り
神様のモノの印
ふわり風にさらわれて
不思議な貴方と出会う
繰り返し繰り返し
教わった子守唄
神様を慰める
大切な役目だと
月満ちる夜のたび
捧げるの子守唄...白花ノ小鳥(しらはなのことり)【シリーズ:青葉と小鳥(2)】
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君に恋したのは
青葉の頃
風が散らした青葉時雨
君は指でそっと払った
神様の為の子守唄
歌う君は可愛い小鳥
小さな村の籠の中で
変わらずに歌を歌うだけ
射干玉を飾る白い花
いたずらな風にさらわれて...青葉ノ時雨(あおばのしぐれ)【シリーズ:青葉と小鳥(1)】
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花明かりが過ぎれば
また別れの時がくる
花散らす、雨に降られて
濡れ落ちた花びら
君の手をひいては
夜をそぞろ歩いた
ひとつ、ふたつ消える灯りに
気が付かないふりして
忘れ得ぬのは
頬に触れた柔らかさ...花滴(はなしずく)
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倦怠感と紫煙
燻る部屋、二人きり
巧く取れない綾を
上の空で交わして
嗚呼、
崩れた
ぐちゃぐちゃの
儘ならない
解いて、
さあ、はじめから...カミサマと二人遊び
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薄氷の羽
待ち人は来たらず
止みそこねた六花
居もしない君への
遣らずの雫、餞の白
掻き消えた足跡
辿れない君の影
真白の原に埋もれて
独り寝の、嗚呼、うそ寒い
未だ名残だけが...薄氷の羽(うすらいのはね)