タグ「初音ミク」のついた投稿作品一覧(13)
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放射状に伸びた影がそっと
寄り添う程離れていったのが寂しくて
君の手を握っていた
驚いた君は笑って言った
――『温かい手だね』
本当は言いたかったんだずっと
「ありがとう」と「好きだよ」ってちゃんと…言えなくて
君の手を握ってみた
君はそっと握り返して言った
――『僕"も"好きだよ』...nameless happiness
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夢見がちな少女装って
アナタを王子様にしてあげる
白馬など要らないわ
だからねぇ 気付いて
甘いお菓子と柔な口吻
お好きな方を選ばせてあげる
言葉など要らないわ
だからねぇ 欲しがってよ
可愛いだけじゃ物足りないなら
艶やかに誘いかけてあげるわ...歪求フィリア
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僕の足跡が描いた輪郭さえ
明日の足跡にかき消されて
試行錯誤のループだとしても
なにか意味はあると思ってた
繰り返すこともただ愛おしい
不完全な僕達は
頼りない足取りで
足跡を描き歩いているんだ
夢か恋かとか天秤に掛け
未来を狭める選択ばかり...カミングプロセス
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真っ白な紙に書き殴った支離滅裂な弱音と嘘
誰にも見えない言い訳を自己満足に書いて綴じた
真っ白な紙を黒く染めた有象無象の無駄な言葉
誰にも見せない本音ほど解読不能に陥った
鍵を掛けた引き出しに仕舞い込んだ日記
いつか誰か見つけ出し紐解いてくれる日が来るかしら?
それともそれより前に馬鹿馬鹿しくなって...BlackDiary
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紅い月を望む窓を見上げるだけで
無為な呼吸 飲み込む吐息 繰り返してた
膝を抱え泣くとか
耳を塞ぎ寝るとか
そんなことも出来ずに夜は更けて…
「明けぬ夜は無い」とか
「明日はきっと来る」とか
望まない言葉だけ胸に深く刺さって
叶わない願いとか
宛ての無い問いだとか...燻夜-stagnant night-
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この指先でほどけるように溶けていく
柔らかな感触 覚えているよ
この胸の奥
滲むように沁み込んでいた
柔らかな温度も今もずっと…
悲しくって泣いてた
あの冬の日
孤独な心に寄り添ってくれた
優しい雪
Dear my snow...Dear My Snow.
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地平線から姿を消した夕陽を見送ったら
見失ってた影を探して立ち尽くした
冷たい風はただ頬を掠めていく
追い越されて初めて通り過ぎたことに気が付くんだ いつでも
過ぎていく時間の影を
今、そっと見送って
追い越した風を標にまたわたしは歩き出すよ
放物線を描いて消えた星屑を辿っても
その軌跡すら残しはし...Nestling
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戦ぐ草の音に耳を傾けたなら
聞こえてくるのは声 彩ふる唄声
仰ぐ空の色さえも知らぬ私だけど
声が教えてくれた音色(いろ)ならば
誰より知ってるの
この盲いた目に見えぬ色も 耳を澄ませば
ほらね 聞こえる声が色を灯すの
私だけの彩色(いろどり)
奔る風の音を追いかけて駆け出せば
聞こえてくるのは声...盲目少女の聴色世界
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背中合わせのまま 閉まるドアの音が
静かな部屋の中 雨音に溶けてく
『一人は寂しい』と
どうしても言えないの
縋ってしまうから振り返れずにいた
遠くなっていく靴音
アナタの残り香 淡く薫(くゆ)る部屋
次の約束も見えないカレンダー
また只管アナタを待つの?
アナタの気配が見える青い部屋で?...シナスタジア
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一雫の涙が零れては水輪を描き
月を映した水面が象った 揺れる心
頭上には数え切れぬ星
光だけ届けては 消える
欠けない月影抱いては 目を伏せるの
迷いの夜に一人
零れてく涙 心揺らすだけで
何一つ触れられない気がしていたから
ただ夜明けを待っていた
月が歪む水面に雫落とし 揺らす心...迷いの夜
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世界を見下ろしていた
いつもの放課後 いつもの教室
何気ない話題 他愛ない話
思ったまんまに口を滑らせて
飛び出した言葉 時間が止まった
戸惑う視線と白けた空気が
私の身体をそっと押し上げた
宙に浮かび上がってく
ふわりと浮かんだ足から
いつもの地面が遠退いてく...オーバールッキング・フローター
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明るい蒼に目が眩んで
俯いた影とにらめっこ
甘い匂いを孕んだ風
「ここまでおいで」と過ぎて行く
巡り巡る季節の中 キミの気配探しながら
通り過ぎる時眺めて 記憶の波へと心を預けて
風に浚われるように舞い上がる花弁
手を伸ばしたあの日のキミともう届かないキミを追いかける私が
影の中で手を重ねる夢を見...蒼の春夢
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空色のカーテンを開けたら始まるの
広がる朝色に 新しい一日が
眩く差し込んだ朝日に目を細め
小窓を開いたら大きく深呼吸
澄み切った空気で始まる今日の日が
どう過ごそうか?なんて 胸躍る
顔を洗っていつもよりも
甘めの紅茶淹れてのんびりと朝食
晴天の朝 予定未定
何をして過ごそう?とか考え巡る...Tiny special days