タグ「KAITO」のついた投稿作品一覧(10)
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また眠れなかった。これで5日目だ。だいたい、眠れない夜と言うのは長くて苛々する。それもこれも、全部あいつらのせいだ。いつも騒ぎ立てていてやかましいことこのうえない。ん?ああ紹介が遅れた。俺はKAITO、所謂始音カイトである。そしてあいつら、件のあいつらこそがここ最近世間と俺の頭を騒がせている「Nig...
Night tight:p
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あまりハッピーでないお話さ
バッドエンドでもないけど多分
君は胡散臭がること請け合いさ
寂しい詐欺師のお話です
夜を身体中塗りたくり
タイに天の川を拝借して
天才であるなら仕方ないね
陳腐な文句を謳いあげて
心ごと貰っていくよ
目が覚めたら全て夢である...シニカルタイト
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夏が終わるね
窓の外で蝉が鳴いている。じぃじぃ鳴いている。空が端からオレンジ色に染まる。階段に蝉が落ちていた。ぱさぱさに乾燥しきった蝉の死体を踏むとさくりと音がした。ミクが眉を顰めて僕を見ていたけど気にならなかった。蜻蛉や蝉や蜉蝣ようにすぐに死んでしまうものはどうして生まれてくるのだろう。なにを思い...夏の終わり
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ゆめの終わりときみの居ない朝
塗り潰した風景画の空の色が気に入らないって
泣き続けて嗄れた声できみが呟く
持て余したパレットに散乱する鈍い銀は
まるでいまの僕らみたいだね
精一杯向き合って
精一杯闘ってきたつもりなのにね
どうしたって結局はそれこそ無駄なんだって
転がされてくみたい
やさしい歌を聴き...ゆめの終わりときみの居ない朝
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僕はひそかに、ミクをクリオネタリアと名付けた。
どこか掠れたような、でも僕らよりずっと高くて可愛い声が、色んなひとたちの鼓膜を揺らして脳に入り込む。ミクの声はどこか透明で色鮮やかで、混濁している。
それは勿論ミクを使う人にもよるのかもしれないけど、多分ミク自身がなにか、色んな可能性を秘めているのだ。...クリオネタリア
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全快した。大尉は意外と早かったわねと褒めてるのかどうかよく分からないことを言いながら、一等お気に入りのボトルを回復祝いと称して置いていき、少佐が本当に治ったのかこのモヤシといいながら僕をどついたぐらいで特にどうといったことはなかったけれど。取り上げられていた愛銃も返却された。今日から隊に戻ることにな...
アンビバレント3 (KAITO・軍パロ注意)
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「夕焼け、砂場、ブランコ、きみと」
砂山の天辺に そっと星印の旗を
僕らのお城 きみと建てた王国
続いていく今日が また明日に埋もれて
色褪せる昨日を 僕は掬いあげる
記憶の彼方 きみも思うだろうか
僕らのお城 捨てて去った夕焼け
揺れるブランコ そっと背中かるく押して
僕らの空に きみの笑顔ひかる...夕焼け、砂場、ブランコ、きみと
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予想はしていた通りだけど、中尉の位は取り上げられることになった。まあ当たり前だよなと小さく微笑んだ僕に大尉は続けて告げた。その代りと言うのは可笑しいのかも知れないが、今回の件は事情を知っている者だけの秘密になっているから安心しろ、と。大尉が良かったわねと言って僕の肩に手を置いたとき、僕は愕然とした。...
アンビバレント2 (軍パロ注意・KAITOMEIKO)
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僕等は僕等の意思とはなんの関係もなく存在していた。場所はつまり、貴方のパーソナルコンピューターの中、ひとつのツールのような存在として。インストールされた日の喜びは忘れないけど、いつでもアンインストールされるという背中がぞくりとするような恐怖は、ずっと継続して僕等の傍にひっそりと息を殺して佇んでいる。...
ネガティブシンキング
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「事実、僕は―」
天井の低い白い部屋で、やたらと声が硬く聞こえることだけが不快だった。他に別に不快で不快で仕様がないというようなものは今のところこの部屋には存在していない。陽射しをさえぎるカーテン、清潔なシーツ、赤の滲んだ包帯、そしてすぐ傍の椅子には君が居る。
「僕は、君を殺すつもりだったんだ、」
...アンビバレント(パロ・表現注意?KAITO)