タグ「SF」のついた投稿作品一覧(6)
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一週間後、僕と進君は朝のHR前の時間に旧校舎に来るように呼び出された。基本的に部活の朝練は禁止されているため、朝、旧校舎には誰もいない。そんな中、部活棟の一室に電気がついていた。
土足のまま昇降口から入り、その教室のドアを開ける。そこには数人の男子生徒がいた。その生徒はこちらを見て、ニヤリと笑っ...零の鎖 ~星の華編~ 6
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六浦柳〈むつうら りゅう〉。それが私……いや、僕の本当の名前だった。元々僕は、男として生まれた。この時から、きっと歯車は狂っていたんだ。
僕は小さい頃の記憶がほとんどない。その当時、多数いた断片的記憶喪失者の一人だ。思い出せる中で一番古い記憶は僕と進君が初めて約束をしたときの記憶。
小学校低学...零の鎖 ~星の華編~ 5
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「ずっと、一緒に居ようね」
純粋な思いから交わした約束が二人を傷つけるのなら
〝僕〟は〝僕〟で在ることをやめよう
依頼その零 「ずっとキミが好きだった」
「手が止まってますよ? 副会長さん」
隣から書記担当の椿ちゃんが笑顔で促してくる。それが非常に怖いのだが文句は言えない。
ため息を吐きながら...零の鎖 ~星の華編~ 4
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目を開けると青い光が消えていく光景だった。生徒会室に戻って来た。
と言っても、元々この部屋にいた人からすれば数秒間の出来事だ。
完全に青い光が消えるとその瞬間に少女が膝から崩れ落ちるので床にぶつかる前に何とか支える。
少女はすーすーと寝息を立てている。
これも俺の能力のせいだ。
人間は寝...零の鎖 ~星の華編~ 3
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「お前らおせーよ」
旧校舎についた時の第一声はそれだった。
九重翔〈ここのえ かける〉。赤い髪に蒼と紫のオッドアイ。学ランの前は全開で、中には指定のシャツではなくカラーTシャツという、どう見ても真面目には見えそうもないこの男。これでも生徒会役員だ。
「あぁ、悪い・・・もしかして」
「もう、先に来...零の鎖 ~星の華編~ 2
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囚われ続ける〝記録〟を消し去りたいならば
すべてを捨てる覚悟をしてから刻め
〝永遠〟の印と共に・・・
依頼その一「こんなことなら出逢わなければよかった」
ある日の午後。窓側の一番後ろの席から教室を見回すと、昼休みが終わった後の授業ということもあり三割の生徒が居眠りをしていた。にもかかわらず、...零の鎖 ~星の華編~ 1