タグ「鏡音リン」のついた投稿作品一覧(9)
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夢幻が
月のように丸くならずに
少し欠けたままで
グラスで香り募らす
揺れるように出した選択肢
それじゃ何かが終わる
声にならぬ、息も止まる
明日を決めて遠ざかる空が
知らぬ間に溶けた
雲と風の消える訳も...三日月ユートピア
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簡単な計算だけして
絡むためのわがままっぷり
奇抜さと異端さを捨てて
丹念に女眉書けば
話題立ち昇る
軋む音鳴る関係やこの割り切れない情報戦も
カラクリ人形みたいに振る舞ってしまえばいいのかな
AHギアとギアになっちまって
もうたまらないね
愛すべき人の発見を鷲掴みにしてやる...ギアとギア
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午後の10時に鳴りやまぬ耳鳴り
綺麗事ばかりが囁かれている
遠くの出来事であると祈るばかりで
ここまで来ない訳ではないとか
蛇の目時より付きまとう耳鳴り
秘密の情事が近づいている
近くの出来事だったりしまわないか
背後の気配だけ神経尖る
嗚呼、嗚呼、なんてことない平日だ。
揺れる想いが穴のあいた船の...夜の気配
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定期的に現れて玄関前でうずうずしている
セールスマン。
何を届けてくるかと思えばただの薬。
怠惰性の薬。
「こちらお安くなっております」なんて言われても
要らないとでも言えればいいのだが。
献身的な心得なんぞどうでもいいのだろうが
セールスマン
弱っているところ付け込んでくるのは
卑怯とでもいうか...時間のセールスマン
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翼の力を試したい訳ではなく
逃げるためかもしれないとは考えず
突き抜けて、夢を見て
痛いだけで、空を見て
翼の限りに気付いてる訳はなく
汚れてばかりの曇り空を見降ろして
突き抜けて、地面見て
痛いだけで、空を見て
着地したのはニ回転半
繰り返した我が身を...恨みを込めてアイラブユー
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ガールが気にするヘッドフォン
募る気持ちが燃え盛る
綺麗な面持ちモンブラン
オシャレ気取れど晴れ切れぬ
灰皿、グラスに、サイフォンと
リラクゼーション息巻いている
木目に、座って、眺めつつ
あのステーション思い出してる
私と同じ、私の甘さ、
音流して、ゆっくり戻す。...ヘッドフォンとモンブラン
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名前を付けてみる、誰ともかぶらないような
仮の名名乗っている、目立ちたいと言うように
意味はあるかないかとどうか
意識は浅ましさと同居
文脈に「さりとても」誰にもわからずやになる
ピエロになりきれる?残る事がないような
姿は見るが居るがとしかし
目蓋は写りえぬがとか知る
説明できるなら事足りる
語る...かりそめの名
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彼は煙のように消えた。
胸の奥底に空いた穴は、
埋めようにも埋まりそうにない。
しばらく時間を入れてみたけど、
とても深くて埋まりそうにない。
彼は煙のように消えた。
彼の残り香、座った部屋は、
誰が住んでも不満が残った。
しばらく代理を入れてみたけど、
とても暇で不満が残った。...彼は煙のように消えた
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街路樹は色づいた衣服を脱ぎ棄て、
乾いた風が掃除する、
横では車が通り過ぎていく。
美しく舞い散った季節が通り過ぎ、
錆びれた心を謳歌する、
空では寒さが澄み切っている。
全てが忙しくなっていく。
半分以上が新しくなりそうだ。
冬を越える準備をしよう、
明日になれば、1年前の今日が来る。...12月31日