タグ「巡音ルカ」のついた投稿作品一覧(70)
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第六章 悲劇 パート3
ウェッジ率いる二千の決死隊が無謀なる尾根越えを開始したのは十月も下旬に到達した頃合いである。平地では実りを迎える季節だが、高地では一足先に、まるで駆け去る様に秋が過ぎ、時折木枯らしのような冷たな風が吹き始める。尾根は果てしなく広がり、その果ては何時までも見通せない。大きく伸...ハーツストーリー80
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カイトとみんなと新年会!
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革命の闘士
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第三章 決起 パート12
だが、リンにとって思考できる時間は二週間と与えられていなかった。いつまで経っても法案に対する返答を寄越さないロックバードに対して、帝国が痺れを切らせたのである。そもそも、帝国が元黄の国の軍事大臣を務めていたロックバードに対して臣下としての信頼を寄せていたかというと、決して...ハーツストーリー 52
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第三章 決起 パート4
リンとセリス、そしてアレクがルワール城に戻った時、城内が上に下にという大騒ぎに包まれていることに三人は気が付いた。一体何事だろう、と瞳をぱちくりとさせたリンの目の前を、ミレアが猛烈な勢いで駆けて行こうとしていた。その勢いで、真っ白なエプロンの端がぱたぱたと揺れている。温水だ...ハーツストーリー 44
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第一章 逃亡 パート20
ミルドガルド帝国によるルータオ侵攻作戦が展開されたのはルーシア戦争に先立つ、ミルドガルド暦1805年5月14日の出来事であった。その日付はメイコの逃亡からおよそ一週間後に当たる。メイコの逃亡如何に関わらず既に綿密な準備を整えていたミルドガルド帝国軍は、いずれにせよリン元女...ハーツストーリー 21
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第一章 逃亡 パート19
「赤騎士団?」
セリスは途端に表情を引き締めたロックバードの横顔を見上げながら、そう訊ねた。先程の馬蹄音は既に納まっており、緊迫した雰囲気も多少は収まっている。どうやらルータオを襲うつもりは無いらしい、とセリスが考えていると、ロックバードが慎重な口ぶりでこう答えた。
...ハーツストーリー⑳
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第一章 逃亡 パート18
だが、ルカの心配が杞憂であったことはその十数分後には証明されることになった。リンにとっても、ルカにとっても懐かしい顔がルータオ修道院を訪れたのである。ウェッジが複雑な表情をして、修道院の食堂へと案内してきたロックバードの姿を見て、ルカは安堵の吐息を漏らし、リンは食堂の椅子...ハーツストーリー⑲
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第一章 逃亡 パート17
「漸く戻ってきたね。」
リンがルータオの街を懐かしむような口調で同行しているルカとウェッジ、そしてハクに向かってそう告げたのは、メイコとアレクの痛快とも表現すべき脱獄劇から三日が経過した昼過ぎの出来事であった。迷いの森からオデッサ街道を歩き続け、大陸中央に位置するミルド...ハーツストーリー ⑱
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魔術師ルカ
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第一章 逃亡 パート2
「リンの馬鹿!」
アクの姿が見えなくなり、リンが心から安堵の吐息を漏らしたとき、声の調子をはずしたハクの声がリンの両耳に突き刺さった。直後に感じるハクの体温。リンよりもほんの少し背の高いハクが、リンに向かって抱きついたのである。
「ごめんね、ハク。」
「無茶をしないで...ハーツストーリー ③
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第一章 逃亡 パート1
光に消えていく。
リンは薄れていくレンの姿を最後の一瞬まで視界に残していようと、必死にそのサファイアのような瞳を見開いて淡い光の奥に消えてゆくレンの姿を見つめ続けていた。リーンの姿はもう見えない。きっと自分の生まれ育った時代に戻って行ったのだろう。それなら、あたしは?あた...ハーツストーリー ②
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第二章 ミルドガルド1805 パート22
「そこまで。」
凛としたアクの言葉がビレッジに響き渡ったのは、ハクが詠唱を始めた直後のことであった。直後に、事態を見守っていたメイコとウェッジが向き直り、剣に手をかける。
「どうしてここに・・。」
瞬時に剣を抜けるように身構えたメイコは、アクに向かっ...小説版 South North Story 40
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第二章 ミルドガルド1805 パート21
それは、迷いの森以上に不思議な場所であった。
目の前に見えるのはまるで村の入り口をあらわす門扉のように植えられた二本の大イチョウ。その大イチョウの奥に見えるのは赤煉瓦作りの聖堂であった。横に長く造られているその聖堂は相当数の部屋が用意されているらしい。こ...小説版 South North Story 39
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第二章 ミルドガルド1805 パート20
翌日、普段よりも早い時間に目を覚ましたハクは、なんとなく落ち着かないという様子でその均整のとれた肢体を不安そうに捩じらせた。今日、ビレッジに戻る。もう二度と戻ることは無いだろうと思っていたビレッジに。あの場所での生活はあたしにとっては悪夢のような出来事だっ...小説版 South North Story 38
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第二章 ミルドガルド1805 パート19
グリーンシティ。
かつて黄の国との戦争に敗れ、建築物が破壊され、民衆が虐殺の憂き目にあったその都市は四年の歳月を経過してようやく本来の文化都市としての性格と落ち着きを取り戻しつつあった。戦争の痛手と悲嘆がたった四年の歳月で消え去る訳もなかったが、表面上の...小説版 South North Story 37
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第二章 ミルドガルド1805 パート18
静かな夜であった。物音はリンとハクが踏みしめる土の擦れる様な音と、周囲の叢で嘶く蟋蟀が鳴く声だけである。場所はロックバード邸の裏庭であった。この場所ならば未だ眠りにつく気配も無い街の明かりに邪魔されることは無い。今宵は月もなく、ただ星の瞬きだけがリンとハ...小説版 South North Story 36
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第二章 ミルドガルド1805 パート17
「うぁあ、美味しそう。」
リンが目の前に用意された食事を見て、その様に声を上げた。その後結局、リンの一行はロックバード邸に一晩の宿を借りることにしたのである。ロックバード邸は流石かつてのルワール王国の居城であっただけあり、その敷地は相当の広さを誇っている...小説版 South North Story 35
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第二章 ミルドガルド1805 パート16
「せいやぁっ!」
可憐な少女の声が広い平原の只中に響き渡った。どうやら一人、剣の素振りをしている様子であった。小麦色の髪を潔くポニーテールにした少女はもう一度剣を振り上げて、そして鋭く振り下ろす。剣が風を切る音が周囲に響いた。その素振りだけでも、見るもの...小説版 South North Story 34
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第二章 ミルドガルド1805 パート14
「結論から先に言うわ。ここにいる全員で迷いの森に向かうの。」
ウェッジの表情を一瞥した後、ルカは全員に向かってそう言った。お互いの顔を見合わせ、手を叩いて喜んだのはリンとリーン、困惑した表情を見せたのはそれ以外の三人であった。
「あたしも行くのですか?...小説版 South North Story 32
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第二章 ミルドガルド1805 パート13
「とりあえず、何があったのかを説明しなければならないわね。」
ウェッジがさりげなくハクの隣の席に腰掛けたことを確認してから、ルカはその様に言葉を切り出した。確かウェッジはリンの正体を知らないはずだけど、と考えながら、慎重な口調でハクに向かってこう訊ねた。...小説版 South North Story 31
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第二章 ミルドガルド1805 パート11
レンにもう一度逢える?
リーンの声が海岸に響き渡り、その声が波打ち際の潮の音に紛れて消えていった後、リンはその様に考えてその蒼く透き通る瞳をひとつ、瞬きさせた。潮風が吹き、リンとリーンの黄金の髪を綺麗に靡かせる。
「本当に?」
リンは暫くしてから、リ...小説版 South North Story 30
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第二章 ミルドガルド1805 パート11
やっぱり、あたしがいた時代とは随分と様子が違うな。
無言のままで歩みを続けるリンの背中を追いながら、リーンはその様なことを考えた。リーンが生まれ、そして高校卒業まで住んでいた自宅は影も形もないし、大通りを走る路面列車の姿ももちろん見えない。建物は平屋ばか...小説版 South North Story 29
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第二章 ミルドガルド1805 パート10
一体、リン様はどのような生活を営んでいるのだろうか。
一歩一歩近づく、ルータオで一番巨大で、そして最も美しい建築物であるルータオ修道院を目前としながら、メイコはそのようなことを考えた。リン様にレンの最後の言葉を伝え、そして謝罪したい。その想いだけでゴール...小説版 South North Story 28
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第二章 ミルドガルド1805 パート9
翌日、まだ朝日も出ていない早朝にルカは目を覚まし、もぞもぞとベッドから起き上がると日の出前の薄明かりを頼りに宿の寝室に用意されている化粧台へと赴き、そして丁寧に自身の長い桃色の髪を梳き始めた。軽く跳ねている髪を櫛で押さえつけ終わると続けてルカは軽く化粧を施す...小説版 South North Story 27
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第二章 ミルドガルド1805 パート4
「苦い。」
メイコが丹精込めて淹れた紅茶に対するリーンの一言目はその言葉であった。
「私が淹れれば良かったかしら。」
続けて、ルカがその様に評価を下す。その言葉に後悔している気配を感じたメイコは、恐縮しきりという様子で肩を縮めると恥ずかしそうな口調で...小説版 South North Story 22
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第二章 ミルドガルド1805 パート3
どうしてそのような寂しげな表情をしたのかが判断できないまま、リーンはルカに促される様にして立ち上がるとリン女王の墓石を神妙な瞳で見つめ直した。そして、歴史書で読み込んだリン女王の最後の姿を描写した文面を思い起こす。当時黄の国で絶大な権力を誇った齢14歳の少...小説版 South North Story 21
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第二章 ミルドガルド1805 パート2
一体、何が起こったのだろう。ぼんやりとした思考のままでリーンはその様に考えて、目の前でまるで大地がひっくり返ったかのような驚きの瞳でリーンを見つめている桃色の髪を持つ女性の表情を視界に収めた。
「あたしは、ルカよ。」
何かに緊張しているのだろうか。軽く...小説版 South North Story ⑳
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第二章 ミルドガルド1805 パート1
もう、四年も経ったのね。
丁度一年ぶりに訪れた旧黄の国の王都、四年前にカイト皇帝によりゴールデンシティと改名されたその街に訪れたのは、桃色の髪を持つ妙齢の女性、ルカであった。手にしたバスケットの中にはハルジオンの花束と、丹精込めて焼き上げられたブリオッシ...小説版 South North Story ⑲
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第十一章 リグレットメッセージ パート8
普段より何倍も豪華な昼食を終えると、リンはハクと一緒に食器の後片付けを行うことになった。数十名いる修道女の食器を片づけるのはそれだけでも結構な重労働ではあったが、リンは文句ひとつ言わずにそれを片付けてゆく。流石に一週間も同じことをやっていると体が覚えてくる...ハルジオン71 【小説版 悪ノ娘・白ノ娘】