[フーガ・バーンシュタインさんのプロフィールが登録できました]

 引きこもりだった23歳。仲間は新たな門出を祝いたいところであるが、財布の中身が6Gしかないため早々にクエストを受ける段取りをしていく。

「すいません。クエストを受けたいので受注リストを見せてください」

 ミクは1番の窓口で待機する受付のお姉さんに尋ねた。

「はい、かしこまりました。あなたたちが受けれるクエストはこれです」


[イルヴァルス大陸のクエスト]

◎マーストンの酒場へ お酒を配達◎
イルヴァルス大陸 荒野の町ランブルウィードに在るマーストンの酒場へ、お酒の配達をしてあげよう。
なお、ランブルウィードは荒くれ者たちが集まる、イルヴァルスで最も危険な地域なので未成年者は受注厳禁!。

募集条件あり
戦闘ができる職業なら受注可能

報酬は120G

◎臨時募集! 雇われ近衛兵◎
英雄の騎士が集いし国、フォレスタ・キングダムにて臨時で働いてくれる近衛兵を募集してます。
フォレスタ・キングダムでは近日、お姫様のお誕生日を祝うパーティーが行われます。
この機会にぜひ、フォレスタ・キングダムの騎士となって、国で1番キレイなお姫様を間近でみよう!。

募集係代表者の名前は王国騎士団長のローランド・デ・パルマ。

募集条件あり
職業を剣士か魔術師にしてください

報酬は1日20G×任用日数

近衛兵用の寮完備
衣食住が揃っていてかなりお得!

◎専属パティシエ募集中◎
イルヴァルス大陸北部に位置する魔導国家ジャッロのキッチン係からです。
華麗なる魔術師たちの頂点に君臨するリアーナ女王陛下のためにパティシエを募集しています。
パティシエとなったヒトは毎日、午後3時に女王陛下へお出しするオヤツを作ってください。
ブリオッシュ、ジェラート、ビスケット、フルーツピッツァ作りの熟練度が高いヒトを希望します。

募集条件なし
ただし、パティシエ経験者優遇

報酬は1日60G×日数

なお、女王陛下のお口に合わないオヤツを出してしまった場合、陛下じきじきにパティシエに対し、お仕置き【まほう】でご褒美が貰えちゃいますので覚悟してください!。


「おしおき【まほう】でご褒美って、どういう意味なのよッ!」

 リンは、イルヴァルス大陸中で受注できる一部のクエストについて困惑していた。個人的に魔導国家ジャッロと名のついた国のクエストに不思議な運命を感じるようだ。

「でも、リンちゃん。私たちのできる職業でパティシエはないからムリだよ」

「それもそうね…じゃあ、フォレスタ・キングダムってところが募集してる臨時近衛兵はどうかしら?」

 他の3人に意見を求めると……。

「僕は大賛成だよ! 剣士になって騎士団の仲間入りをしてみたいんだ!」

 レンは、すごく乗り気である。騎士と云うキーワードへ、かなりの魅力を感じている。
 騎士=ナイト、厨二病心をくすぐる二文字。それに憧れてしまうのも14歳の健全な男の子だ。

「ぼくも、社会人デビュークエストは騎士《ナイト》になってみたいね……」

 フーガも乗り気である。23歳のオトナも騎士=ナイトの言葉に憧れを抱いている。

「引きこもりだったあんた。あたしより攻撃力低いのに、騎士なんて務まるのッ‼」

「まあまあ、リンちゃん。たまには男子がやりたいクエストを受けてみようよ」

 メンバー全員の意見が固まったところで、ミクは1番窓口のお姉さんへ、受けるクエストの詳細を聞きに行くのだ。

「ええと〜っ、この臨時募集 雇われ近衛兵のクエストを受けさせてください」

「わかりました……残念ですが、あなたのパーティーメンバーに無職のヒトが居ますね……」

 受付のお姉さんは、冷ややかな視線を青年に送っていた。プロフィールを登録したあとは、職業変更してこいよ……と言わんばかりの痛々しい視線である。

「…………」
冷ややかな視線を浴びた青年は静かに涙を流していく。

『フーガさん! まだニートのままだったーーっ!?』

 3人は急いで、新しい仲間のジョブチェンジをしてあげようと思うのだった……。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

G clef Link フォレスタ・キングダムを目指して4

仲間の職業変更は早めにしておこう!

次話
https://piapro.jp/t/AfO1

閲覧数:152

投稿日:2020/01/17 20:40:17

文字数:1,716文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました