#6「敵意と嫉妬」



翌日、アイツはこともあろうか遅刻しやがった


「ごめん、待たせちゃったね」


噴水の前にアイツが走ってきた


「う、ううん……だ、大丈夫……わわわ、私も今来たところだし……」


グミは顔を真っ赤にしてうつむいた

嘘だ、グミは待ち合わせの時間の30分前からいた

それだけ……楽しみだったということなのだろうか……



結局、私は、グミやアイツに内緒で後をつけることにした

黒のパーカーのフードをすっぽりとかぶって、ポケットに手を突っ込む

マスクもしたし、そう簡単にはバレないだろう……自分でも怪しいと思うが


「グミさん、私服もかわいいね」

「ええええええ!あ、ああ、あ……そ、そそそ、そんなことは……」


くそっ、なんなんだアイツは!

妙に腹が立つ

グミは耳まで真っ赤になってしまっている


「グミさん、リラックスして。さ、行こうか」


そういって、アイツはグミの手をそっとひいた


「……あ……え……わ……」


そんなことを好きな人にされたグミはすでにパニック状態だった……何一つことばになっていない


っていうか!アイツ!なんで、グミの手を!!

ああああああ!!!!!ものすごくぶん殴りたい!!!!!

そんなふうに私は物陰でバタバタしていた……周りの人たちは見ないふりをしていた






それから、アイツとグミは……

一緒に服みたり

一緒にゲーセンいったり

一緒に昼ご飯食べたり


……もう二人はまるで……っく


それに……どこにいってもグミは、とてもいい顔をしていた……

……あんな顔……みたことないよ……

私はどんどん、自分がみじめになっていく


「あ、そうだ。グミさん、映画は好き?」

「え……あ、はい、あまり詳しくないですけど」


この頃にはさすがのグミも落ち着きを取り戻していて、ちゃんと会話できている

私がいなくても男の子と会話できているグミに……私はどこか寂しさを感じていた


「じゃ、映画館いかない?近くにあるの知ってるよね?」

「は、はい、いきます」


ぐっと両手を胸の前で握っているグミ

頑張っているんだなって思いつつ、頑張らないでという思いもある


そして、重要なことを思い出す


……あ、やばい

映画館は尾行できない……



と、いうのも……

今日の朝、家を出る際に財布がないということに気が付いたのだ

おそらく昨日……



>>


「この手袋、出来たら、リンちゃんにあげるね?」

「ほんと!ありがとう!!」


私はとても嬉しかった

グミが私にプレゼントをくれる

しかも、手作りの

グミは本当にいい子だ


「では、その手袋の前払いとして、私がジュースを買ってきてあげます、何がいいですかー?」


お財布を手に持ち、ご機嫌にグミに近づく


>>



あの後、アイツが来て忘れてたけど、私は財布を部室においてきてしまったのだろう

いままでは財布がなくても尾行できたけど……映画館はお金がないと中に入れない



……仕方ない

学校まで取りに行くしかないか……

幸い、ここから学校はそんなに遠くない

今の時間なら、部活している部もあるだろうし……たぶん、入れるはず



私は二人の尾行を一時中断して、学校に向かって走った

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

私とアイツとあの子 #6

尾行することになったリン
しかし、財布を部室に忘れていた!

この後、どうなる?

閲覧数:123

投稿日:2014/01/09 19:10:19

文字数:1,394文字

カテゴリ:小説

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  • イズミ草

    イズミ草

    ご意見・ご感想

    まままままさかぶぶぶぶぶぶ部室に!!!
    ああああああああ新たな!!!
    ききっききききキーパーソンが!!!???とかとかとか!!!??ですか!!!??
    あっ読んでのお楽しみですよね!!そうですよね!!ごめんなさい!!!

    2014/01/09 20:52:24

    • しるる

      しるる

      私の毎回の目標はね、イズミさんや、ゆるりーさんの想像通りにいかないようにつくることww
      二人は特に私に近い考えや価値観あるから、当てられたらwwって思っちゃうw

      2014/01/09 21:28:30

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