
呪姫(とこいのひめ)
呪(とこい)の吐息 逢魔刻(おうまがどき)の
憂鬱を弄び嗤う
其の接吻(くちづけ)で息の根を止め賜(たも)れ
彼岸に咲く 甘い毒に噎(むせ)ぶ
打ち羽振(はぶ)きて 散らす地獄花
此の身委ね 其の身は死す
屍(かばね)愛(め)で寄り臥(ふ)す
老いず死なず 美しきもの奇(あや)しきもの
呪の瞳 無明(むみょう)の淵で
重ね重ね果て指し惑う
其の眼差しで釘付けにして賜れ
願いは唯 終(つい)えぬ命の終
打ち仄めく 燃ゆる彼(か)に焦がれ
遊戯(ゆげ)に枷を 魔女(ここめ)の檻
忌ま忌まし 疎まし
絶えず輪(まわ)る 輪廻を外れ
道無き道
呪の調べ 幽玄に舞う
玉響(たまゆら)の露も留まらず
其の歌声で心を抉り賜れ
呪の吐息 黎明(れいめい)に染む
愁いを打ち捨つ 泣き沈む
其の接吻で息の根が止まるまで
放さないで
呪の躯(むくろ) 傍らに散る
結ばれず偲(しの)ぶ 地獄まで
其の愛執(あいしゅう)で
総てを葬(はぶ)り賜れ
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