大抵 物語は 積み上げが大事と云いますが
最終ノ局面で 此処から何を積みましょうか

振り子時計の針は 正確に今を刻んでいく
原稿用紙は今日も今日とて
徒然なるまま 白紙のまま

脚本家 みたいには
描けないわ 描きたいわ
闇と光のあいだ その差分なら描けるのに

はい残念賞 もう何遍も
繰り返しても ”無名人”
芥子粒のような光を頼って 騙されて
山もないし 華もないし 衝撃もない終焉
其れを他人は 駄作と呼ぶのでしょう

拝啓 物語は 伏線が要と云いますが
回収出来ないまま其れは
斜陽に野垂れ死んだ

塵芥の海も星雲に見立ててさ 手を翳した
夢を編んで 砂を噛んで 月曜日
綴って綴って綴って

はい皆勤賞 此れしか無いの
続けるしか能がない脳
隣家に舞う花吹雪 なぞって 黄昏れて
今日も宛もなく 性懲りもなく 書き足していく終焉
其れを他人は 蛇足と呼ぶのでしょう
笑うかい?

はい残念賞 もう何遍も
繰り返しても ”無名人”
暁の来ない部屋にて 影に懐かれて
奇も衒えないし 脚色もないし 予定調和の展開
その軌道も角度も 変えらんない 為体

はい残念賞 もう残念賞
無意味とて また描いて
芥子粒のような光でも滑稽に しがみ付いて
山もないし 華もないし 終わりもしない終焉
其れを他人は 駄作と呼ぶのでしょう
笑うかい?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

駄作

作詞曲:かしこ。「駄作」の歌詞。

脚本家(Scenario writer)
”無名人”(No name)
終焉(Last)
月曜日(Monday)
奇も衒えない=きもてらえない
脚色=いろ
為体=ていたらく

閲覧数:209

投稿日:2022/02/28 10:40:11

文字数:576文字

カテゴリ:歌詞

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