蛇神様は人の子を愛する11

投稿者: usericonエリーさん

投稿日:2020/09/05 00:50:04 | 文字数:1,491文字 | 閲覧数:23 | カテゴリ:小説

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桜の精霊、紗良に連れられてなぎさは、精霊の世界に連れてこられていた。
意識を取り戻したとき暖かい温もりに包まれていたので愛おしい人の名を呼んで手を伸ばした。
「麗・・・」
しかし、その手を取ったのは麗ではなかった。
抱きしめられている腕は麗の腕より細かった。
少しづつ意識が鮮明になっていく。
なぎさは瞳を開き、急いで温もりをくれていた者と距離を取った。
「紗良・・・!」
「覚えてくれて嬉しいな」
そう呟きながら紗良はなぎさの手の甲に口づけした。
「元の場所へ帰して」
今いるところは一面の青の世界。
一目で違う場所・・・麗の神域から外れた場所だという事がわかる。
(駄目だまた麗に心配をかけてしまう)
「嫌だよ、僕もなぎさのことが好きなんだ。千年前からね」
「え?桜の木って千年も生きられるの?それに紗良が好きなのは”ゆかり”でしょう?」
冷たく告げると紗良の瞳がすぅっと冷たいものに変わっていくのを感じた。
「どちらも好きだ。あの時は”麗様の嫁”だと思い込んでいたから身を引いて、嫌がらせをいただけなのに」
「・・・嫌がらせ?」
紗良に問うと笑顔になりながら言った。
「ねぇ、なぎさ。千年前君が死んだあの日、どうして村人があんな辺鄙な場所にいたと思う?」
「・・・え?」
(まさかー・・・)

「そうだよ、社まで村人を導いたんだ」
くすくすと笑いながら告げられる事実に呆然とするしかなかった。
「何で・・・そんなことを!?」
「手に入らないなら壊れてしまえばいいと思って」
まるで子供のような考え方だった。
「まさか、麗が生き残って君が死ぬなんて思わなかったけれどね」
「そんな・・・」
怒りと恐怖で体が震えた。
(麗・・・早く来て)
「この空間は僕の力で作ったものだから、麗はすぐには見つけられないと思うよ」
「こんなことして何が目的!?」
「なぎさが欲しい」
そっと、伸ばされた手をなぎさは拒絶した。
「僕が怖いの?大丈夫すぐ好きにさせるから。麗のことも忘れさせてあげる」
(麗は今頃きっと探してくれている・・・っ)
なぎさは祈るような気持ちで強く想った。
「・・・紗良と”ゆかり”の関係ってどういう物なの?」
「思い出せないんだね。いいよ。話してあげる」
そう言い踵を返しなぎさに背を向け話し出した。
「僕はね、”ゆかり”助けられたんだ」
「助けた?」
紗良は背を向けたまま話し続けている。
「そう、僕たち精霊は自分の木や枝に何故か触れることができないんだ」
「?」
なぎさは紗良の言っていることがあまり理解できなかった。
「”ゆかり”は先代の僕の木から落ちた”僕”を拾い優しく世話をしてくれたんだ」
「どういうことなの?」
「僕たち精霊の宿る木は500年に一度枯れて死と再生を繰り返すんだ。死を覚悟したときだった。”ゆかり”に出会った。ゆかりは僕が宿る桜の枝を拾い上げて土に植えて毎日水やりに来てくれていた」
「・・・」
なぎさは思い出そうとしたがどうしても思い出すことができなかった。
「僕たちは毎日会い少し話して別れていたんだ」
「恩があるなら何故”ゆかり”の幸せを願えなかったの!!」
なぎさが怒鳴ると振り返りようやく紗良の表情を見ることができた。
その表情は寂しそうな微笑みだった。
「話過ぎたね、この空間の中に大人しくしていてよ。傷つけたくないんだ」
紗良はなぎさに一言、言い残し青の空間から出ていった。
なぎさの頭はまだ混乱していた。
今、なぎさが強く想うのはただ一人・・・麗の事だった。
「きっと見つけ出してくれる!」
力強くなぎさはその言葉を口にした。

コラボにいらしてくださった方ありがとうございます。
初めてコラボ立ち上げます。
宜しくお願いします。
最終的にはニコニコ動画やYouTubeへのアップを目指しています。

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