煤けた色の本を手に取った
隣にはリリーの香を詰めた缶
拙い文章の終わり
震える字で『眠たい』とだけ書き足されていた

「世界の終わりが欲しい」
あなたは小さく言った
僕が消えれば それを叶えられるなんて


あの縹色の花に触れたのはもういつのことだったか
思い出せない
『サルヴァドールの教会で祈った』と
それだけが耳にこびりついた

ただ、息が苦しい
死にたいだけだ、と知って
あなたは何も 止めようとはしなかった

「世界の終わりが欲しい」
あなたはいつもそう言う
僕が消えればそれを叶えられるなんて
自惚れていると、思う。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

リリー

僕はあなたの世界でありたかった。

閲覧数:227

投稿日:2018/07/15 21:52:33

文字数:265文字

カテゴリ:歌詞

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