知らない町並み 誰とも会わぬまま私は歩く
知らない通り道 止まることを知らぬ私の足
いえ 止まることができないの
ああ 勝手に歩く私の足
不安を抱きながら進んだその先
お店の前でようやく止まった
しかし今度は手が動き お店の扉を勝手に開けた―――
「いらっしゃいませ。喫茶紅蝶々(クレナイチョウチョ)へ」
私に気づいて笑う男 いつのまにか自由になった体
それでも私は店に入る そうしなければいけない気がしたの
椅子に座り店内を見ればいたって普通な喫茶店
そんな店の壁にあったのは たくさんの蝶々と一人の男の水彩画
色とりどりの蝶 それに手を伸ばす男 その表情は優しく切なげで
絵の蝶が動いたように見えたのはきっと気のせいね
メニューの隅には真っ赤な蝶々 その赤色を最近見た気がするわ
コーヒーとカボチャプリンを頼んで外を見ながら考える
これは私の夢の中なの? そうとしか考えられないわ
それでも私は起きたくない そうしなければいけない気がしたの
椅子に座る私に注文品を持った男がきた
「ごゆっくりお考えください」
いくつもの疑問が私の頭をよぎっていく
色とりどりの蝶 それに手を伸ばしてみる けど蝶々はなんにも語らない
絵の蝶に救いを求めみても何の意味はないのにね
救いを?求める?いったいなんのこと? その答えがまったくわからないの
コーヒーとカボチャプリンを食べ終え外に行こうと立ち上がる
「お決まりましたか?」
なんのことよ! そう言うと男はこう言った
「生きるのか死ぬか決めましたか?」
そう言われた私は思い出した
ぶつかり飛ぶ身体 倒れ手を伸ばしてみる だけれど猫が静かに笑うだけ
あの蝶のように紅くなる身体 そして闇に沈んだの
そうだ 私は あそこで死んだんだ じゃあここはあの世というところ?
「ここは境目。あの世とこの世の。あなたはまだ死んではいない
生きるか死ぬか。それを考えるためにここは作られた
さあどうします?どちらでもかまいませんよ」
色とりどりの蝶 絵から飛び出してきて 私の周りで舞い始めたの
最初から答えは決まっていました 私は強く叫んだ
病室のベッドで私は静かに目を覚ましました
泣いて喜ぶ父と母 私も思わず涙をこぼした
ふと外に顔を向けてみた
あの猫が蝶を睨んでいた
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