―もう、過ぎ去ったけど―
―せめて、貴方の傍で―
「初めましてカイト、今日から貴方は私のボーカロイドよ!」
目覚めた時、始めてみたのは貴方だった。
貴方は優しくて、明るくて、温かくて。
僕はすぐに貴方が大好きになった。
マスターとしてか、恋愛感情かは分からないけど。
「カイトは本当にアイスが好きだね!」
そう笑いながら言うマスター。
僕にだけに見せる、マスターの楽しそうな顔。
…だから、数あるKAITOの中で選ばれた僕は、貴方の特別な存在だと信じていたんです…。
ある日、貴方は嬉しそうな顔をして帰ってきましたね。
「カイト、新しいボーカロイド買ってきたよ!」
「初めましてカイト。私はメイコ。よろしくね。」
僕ではない他のボーカロイドが僕のマスターの隣で僕に向かってお辞儀をした。
―マスター、ソイツナニ?―
マスターは楽しそうにメイコと話す。
今まで、僕にしか見せなかった笑顔、僕だけが居た貴方の隣。
…僕だけが特別な存在では無かったのですか?
僕だけ見ていたマスターの目、僕の声だけ聞いていたマスターの耳。
全部、全部取られていく。
―どうしたら、僕だけを見てもらえるのだろう―
マスター、マスター、貴方はあれからリンレンとミクも買いましたね。
貴方の中で僕はボーカロイドの一つでしかないのですか?
やだ、そんなの知らない、僕には理解できない。
マスター、マスター、貴方は知らないでしょう?
僕がアイスを好きな理由が、貴方がアイスを食べると嬉しそうにするから。って。
嬉しそうな貴方の隣でアイスを食べるのが僕の幸せなんです。
だから、冷凍庫にアイスが入っているから好きに食べて。なんて言わないで。
僕は貴方の隣じゃないと嫌です。
貴方に「食べよう!」って言われるのが嬉しいんです。
でも、貴方は僕を見てくれない。
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続く…
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