残夏の空

べたぼう

ぽつり零す　声が　
君を曇らせる
蝉が鳴いた
夏が終わるの

灯る　赤い　ネオンライトが照らして
冷める身体を抱いて
交わした　約束

落ちた線香花火が　ほら　空で光っては消えて行く
帯が苦しいんだって優しさに頼る
空を仰ぐ手の平　もう　焦って逃したみたいだ
海に溶けていく　交わした約束

屋台のかき氷が
頭を冷やして　
君は笑うの
夜は

屋台で買ったりんご飴
君に渡したら落とした
赤く滲む視界が
遠のく　約束

波が寄せては返す　時は巻き戻せないのなら
夏はもう　要らないの　変わらない夏は
海に溶けた君は今何処を旅しているのかな
残夏に見えるんだ寂しい空が