【小説】wor L d's end 01

投稿日:2010/02/22 21:13:01 | 文字数:2,925文字 | 閲覧数:276 | カテゴリ:小説

ライセンス:

新連載のタイトルは「world's end」。挫折してしまったオリジナル小説をアレンジしました。二十話ちょっとくらいになると思います。

レン視点(L)とリン視点(R)が交互に進んでいきます。LとRはまったくの別世界で起こる独立した物語ですが、最後まで読んでくだされば、繋がりが見えてくるかと思います。Lだけ、Rだけでも分かるような構成にしたいなぁと思います。
Rは現代の中学生アイドルのお話になります。Lよりも軽い感じです。

前のページへ
1
/1
次のページへ
TEXT
 

 ここで暮らし始めて、どのくらいの時間が経ったのだろう。僕はいつから存在しているのだろう。
 そんなこと考えたこともなかったし、君と出逢わなければこれから先も疑いなどしなかっただろう。
 世界はここにあり、僕はここにいる。そう、信じて疑わなかった。他の世界なんてどうでもいいと思っていた。

-----

 魔法使いは、そう珍しい存在でもない。だけど、それなりの力を使えるようになるには適性も努力も運も必要で、重宝されているのも事実だ。

 この村には、僕以外に魔法使いがいない。僕よりも強い人はいくらでもいるけれど、たまに現れる異形の存在「魔物」と戦うためには、どうしても僕が核となり司令塔となる必要がある。

 だから、ずっとそれなりの扱いを受けてきたし、君の言葉には驚いた。

「あんたなんて存在自体迷惑。早く消えてよ」

 そう言われたって、ここは僕の家だ。
 第一、倒れていた君をわざわざ助けたのに、何故そんなことを言われなければいけないのか。

「消えるってどういうこと?」

「言葉通りだよ。分かんないの?」

 本当に酷い言葉だな。
 見た目は僕と同じくらいの年齢で、髪や瞳の色も僕と同じ。きっと、顔立ちもよく似ているのだと思う。自分の顔はあまりよく知らないけれど、多分きっと、目の前の少女はすべての点において、自分によく似ている。中身以外。

「んーと……さ、君は誰?」

「答える義理はない」

 いやさ、一応助けてあげたのだけれど、それはカウントされないわけ?

 僕は溜息をついて、ベッドの隣に椅子を持ってきた。
 僕のベッドの上に丁度よく納まっている少女。猫のようにきつい目つきだが、それを除けば本当に可愛らしい。

「僕の名前はレン」

 そう告げると、少女の肩がびくりと反応した。
 僕の名前を知っていたのだろうか。だから、僕のことが嫌いなのだろうか。
 でも、たとえそうだとしても、誰かに恨まれるようなことをした覚えはないし、少女に見覚えもない。

「この家にひとりで住んでる。君はどこから来たの?」

「そんなの、なんで答えなきゃいけないの」

「この辺りは治安が悪い。魔物が出るよ。昼しか出歩けないんだ」

「だから何」

 だから何、って……。
 会話が一方通行過ぎて、どうすればいいのか分からなくなる。
 僕、そんなに悪いことしたっけ? もしかして、勝手に着替えさせたこと……かな。だってそれは仕方ないことじゃないのか?

「だから、つまり……。帰るなら、時間帯とか色々考えなきゃいけないわけ。帰る場所が分かってるなら、送るよ?」

 少女は、何も答えずにそっぽを向いた。
 ひとに「消えろ」などと言っておきながら、自分はこの家を出ていく気がない、というわけだ。まったく、どうすればいいんだ。

「まぁ……とりあえず、しばらくここにいていいから。男と一緒が嫌なんだったら、隣の家の方に話つけてくるし」

 少女は答えない。別に、僕が男だから嫌だ、というわけではないらしい。

「えっとさ、僕の名前、さっき言ったけど、覚えてくれた? レンって言えば、この村の中では通じるはずだから。魔物が出るからあんまり出歩かない方がいいけど、もし村の中で声かけられたら、レンの知り合いだ、って言っておいて」

「言わない」

 即答だった。僕は頭をかいて溜息をつく。

「どうして?」

「だって、あんたは違うから」

 違う。それが一体何を意味しているのか、僕にはさっぱり分からなかった。ただ、少女が泣きだしそうな顔をしているのだけは分かったから、僕はそっと背を向けた。

「あんたのことなんか、認めないんだから……」

 少女は、そう呟いて、布団の中で身体を丸めた。

 少女の言葉はひどかったけれど、それ以上に少女は傷ついているのだろう。そして、その理由はまったく分からないけれど、それが原因で僕のことを拒絶しているらしい。
 しかし、拒絶しているといっても、この家を出ていこうとしているわけではない。魔物が出たときに一番安全なのは、魔法使いの家だから、その意味では少女はひとまず安全だ。ならば、あとのことはゆっくりでもいいだろう。

 とりあえず体力が回復できるように温かいものでもつくってやるか、そう考えながら、部屋を出て扉を閉めた。

-----

 地下室で魔法の研究をする。
 魔法は日々進化しているけれど、首都から遠いこの場所にはその情報がなかなか届かない。だから、独自の魔法を発展させることを僕は選んだ。
 とはいえ、魔法使いが一人しかいない村では、研究はなかなか進まない。せめて助手がいればいいものを、とは思うけれど、助手を養えるだけの経済力はない。

 魔物がこの辺りに多く出る理由は、いくら調べても分からない。ただ、「そういうもの」なのだった。
 だけど、魔物から村を守るための方法論は、徐々に確立されつつある。それさえ完成すれば、僕がこの村から離れてしまったとしても、いなくなってしまったとしても、皆を守れる。

 僕は魔法使いとして確かに成功したけれど、どちらかといえば大器晩成型で、魔法をろくに使えない時期も長かった。そして、その間、村の人々に守ってもらっていた。その分を返したい。恩返し、なんて言えるほど大層なことではないけれど。

 ふと、意識の端で、何かが走った。糸が切れて弾けるような感覚。

「誰か来たかな……?」

 それは多分、村中に張っている結界のどれか。
 結界といっても、「入らせない」のが目的ではなく、何かが通過したら僕に知らせるように陣を改造してある。
 昨日もそれのひとつを何かが通過して、不審に思った僕は少女を見つけたのだ。
 今通過されたのは、かなり近かったから、おそらくは僕の家に張っていたもの。

 地下室から出て、玄関の方へ向かう。もうすでに、そこには二人分の靴が脱ぎ捨てられていた。

「まったく……出迎えも待たずに……」

 仕方なく靴を並べてから、部屋に向かった。少女が寝ている、僕の寝室。いつも、あの二人は真っ先にそこへ向かうから。

 寝室の扉を開けると、その扉が何かにぶつかって、がん、という鈍い音をたてた。

「……なにしてんの、カイト兄」

 扉がぶつかった「何か」に対して、僕は訊いた。カイト兄は涙目を僕の方に向けたけれど、扉をぶつけたことを謝る気はない。そんなところに転がっている方が悪い。

「あと二、三回ぶつけときなさい」

 そう無慈悲に言い放ったのはメイコ姉だった。僕が数時間前ベッド脇に用意した椅子に、背もたれを前にして座っている。

「初対面の女の子に対して、いきなり『可愛い!』って抱きついたのよこのロリコン」

「ロリコンじゃないよ! いいじゃないか可愛かったんだから!」

 どおりで、少女が妙に緊張していると思った。先ほどまでの敵意をこめたまなざしではなく、どこか助けを求めるような視線を僕に向けている。可哀そうに。

「で、この子誰?」

 メイコ姉に言われて、僕は困った。少女は僕に、名前も教えてくれなかったのだ。

とりあえずいろんなことに手を出しまくってる鏡音廃です。巡音も買ったようです。

マイリス→http://www.nicovideo.jp/mylist/18736642

オリジナル曲の二次創作・派生作品等は、ボカロやPIAPROの規約の範囲内でご自由にどうぞー。

小説の更新が滞ってますが、プロットはちゃんと出来てますよ><

http://hozue.blog-fps.com/

http://sns.cv02.net/?m=pc&a=page_f_home&target_c_member_id=2229
http://v-nyappon.net/?m=pc&a=page_f_home&target_c_member_id=12234

-----

2010/2/17 追記
HNを秋穂(あきほ)から穂末(ほずえ)に変更しました!

2010/7/18 追記
ニコ公開三曲目となる「水鏡プリテンス」で、P名を頂いてしまいました(ありがとうございますっ)。

-----

一応、お仕事やコラボのことに関して書いておきますね。以下の文章は、状況によってコロコロ変わります。

現在、曲・絵の新規依頼は受け付けておりません。交流のある方(複数回のメッセージ交換が目安)からの依頼ならば検討しますのでご一報お願いします。
作詞ならば依頼を受け付けられますが、依頼理由はきちんとお書きください。

一つの作品を仕上げるまで根気強く手伝ってくださる(ここ重要)絵師さん、動画師さんは常に募集しています。
また、作品ごとにイラスト募集を(突発的・〆切あり)することがあります。

コラボはお互いに本気じゃないと自然消滅するだけですので、やるなら本気でやりましょう。一報したうえでの延期・降板は受け付けますので。

もっと見る

作品へのコメント0

ピアプロにログインして作品にコメントをしましょう!

新規登録|ログイン

オススメ作品10/26

もっと見る

▲TOP