寂しさには優しさを

投稿日:2010/08/23 22:41:43 | 文字数:1,386文字 | 閲覧数:166 | カテゴリ:小説

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テトさんとマスターで、少し素直なテトさんのお話。
昨夜の飲み会中に思い付いた、突発文です(ノ∀`)

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TEXT
 

「飲み会?今からですか?」


夕飯の支度をする手を止め、テトはマスターに聞き返した。


「うん、会社の。…乗り気はしないけどね」


マスターは疲れた様子で、クローゼットから取り出した服に着替えてく。今しがた帰って来たばかりで、疲れているのは無理のない話だ。


「帰りは遅くなるから、先に寝てていいよ」


着替え終わったマスターは玄関に向かい、その後ろからテトが着いていく。マスターが玄関に座り込んで靴紐を結んでいると、テトが後ろから話しかける。


「気乗りしないなら、行かなくていいんじゃないですか?」


その声は小さく、どこか寂しげに響く。


「…まあ、そういう訳にはいかないよ」


顔は向けずに、マスターは言葉を返す。会社の付き合いは仕事をする上で欠かせないもの、それを無下にする訳にもいかないのだ。

立ち上がったマスターは、振り向いて悪戯っぽく笑ってテトに言った。


「なにテトさん、行って欲しくないとか?」


そんなマスターの顔を見て、テトを軽く溜め息を吐いてその言葉を一蹴する。


「誰がいつ、そんな事を言いましたか?行きたくないなら、行かなければいいと思っただけです」


そんな呆れた顔をするテトに、マスターは苦笑いで返事をした。


「じゃあ、行ってきます」


そう言ったマスターは、ドアノブに手をかけて力を軽く入れてドアを開こうとした。


―――がその行為は、後ろからマスターの服の端を引っ張ったテトによって中断された。


「…テトさん?」


マスターが振り向いて後ろを見れば、テトは視線を落として軽く俯いている。
暫く間が空き、テトが小さく呟くように言った。


「…嘘です。ホントは、行って欲しくないです」


服を摘まむ指先に力を入れ、意志を示す。
だがそれが我儘であることは、テトには良く分かっていた。







「…すみません、今のは忘れてください」


テトはゆっくりとマスターの服から指を離し、顔を上げて笑顔を作る。


「できるだけ、楽しんで来てください。じゃないと、勿体無いですからね」


「行ってらっしゃい」とテトは言いかけたが、それはマスターに抱き締められる事で中断させられた。


「マ、マスター?」


突然の事に、テトは戸惑いながら声を掛ける。


「ごめん、テトさん。気付いてあげれなくて」


一人で居ることの辛さや寂しさは、マスターにはよく分かっていた。
それをテトが感じていた事に気付けなかった自分に、マスターは悔しさを覚えた。


「…マスターが、謝る事じゃないですよ」


テトは優しく、マスターを抱き締め返す。
内心、何時もより素直な自分に驚きがあったが。
でもテトはそれにどこか喜びを覚えて、悪くない気分だった。


「前言撤回…」


マスターは口を開いて、テトの耳元で言葉を続ける。


「できるだけ早く帰ってくるから………ご飯、用意しててくれる?」


そう言ってマスターはテトの顔を見ながら、笑顔で笑いかけた。
そんなマスターにつられて、ついテトの顔にも笑顔が浮かぶ。


「わかりました…、早く帰って来てくださいよ?」


今はもう寂しさはなく、テトの心の中には待つ喜びで溢れていた。















(アナタのその優しさに、きっと私は―――)

文をメインに、色々と創作中。
基本テトさんと鏡音が大好きです^^*(もちろんボカロ全般好きです)

よく色々な作品を巡り歩きしてます。一行詩に出没しているので気軽に絡んでくれると嬉しいです♪

最近は絵師さんのイラストから文を書いてみたいと思っていたり…。
また、僕の書いた文からイラストを書いて頂けたら嬉しいなと思ってます←


ツイッター始めて見ましたが、使い方がよく分からないww
よければお立ち寄りください♪
http://twitter.com/Defectiveprodu

pixivでも作品を投稿し始めました、良ければご覧ください^^
http://www.pixiv.net/member.php?id=2245288

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