※注意
・巡音ルカが大変作者好みなテイストに。
・ミョウガも似合うと思うんだ。
・他ボカロ家族がキャラ崩壊必至。



 理解と覚悟をされた方は、レッツスクロール!↓



















「あ、めーちゃんいたー!」
 1月30日。あるスーパーでワンカップを吟味していたメイコの後ろから抱き着いてきたのは、メイコの弟のカイトだった。
「あらカイト。留守番は?今日は新しい妹が来るって言ったでしょ」
「それなんだけどね、新しい“妹”はマグロが好きって聞いたから伝えに来たんだ」
「・・・また個性的な妹ね。まあいいわ。マグロだったらやっぱり焼酎かしら」
「えー・・・僕飲めないから分かんないよ。まだ二十歳らしいから、程々にしてあげてね?」
「誰にもの言ってんの。このメイコさんに任せなさい」
 ワンカップ3つに芋焼酎と麦焼酎(2リットル)を1瓶ずつ、そして悩んだ末マグロの刺身を購入し、アイスコーナーのボックスにへばりついていたカイトを殴り、メイコとカイトは家路を歩いた。
「もう家に着いてるかな?早く会いたいなー」
「ミクやリンの反応を見るのが楽しみだわ。あの子達、『持たざる者の気持ちを分からせてやる!』って張り切っていたから」
「レンは『俺より身長高い・・・』って落ち込んでたけど、大丈夫かな?」
「大丈夫よ。だって家族だもの」
 そんな事を話しているうちに家に着いた2人は、玄関のドアを開ける。玄関の床を見てみると、見覚えがあるブーツが3組に、きちんと揃えられた1組の雪駄。それに、おろしたてと思われる真新しいウエスタンブーツが1組あった。
「あ!もう来てるよ、めーちゃん!」
「そうみたいね。カイト、最初くらいはお兄ちゃんらしくするのよ?」
「最初は?!めーちゃん酷くない?」
 2人でふざけた話をしながらリビングに入ると、

「ミク先輩。紅茶を持ってきてくださらないかしら?」
「い、今から持ってくる!」
「あらリン先輩、ネイルが少しはみ出ていますが。しっかり塗ってくださらない?」
「くッ・・・屈辱的だわ・・・!」
「がくぽさん。もう少し強く揉んでもらわないと、肩揉みの意味がないですわ」
「あい承知した!」
「レン先輩、早くミョウガをここへ」
「もう無いよ!どれだけ食べる気なんだよアンタ!?」
 慌しく奉仕する4人と、ソファでふんぞり返りミョウガをぼりぼりと食べている巡音ルカがいた。



「・・・・ちょ、なにこれ?」
 カイトより早く状況を理解したメイコは、取りあえず声を上げた。
「あら、メイコ先輩にカイト先輩。お帰りなさいませ」
「ああただいまー・・・って違うでしょ!アンタ何で初対面の先輩パシらせてんのよ?!」
 優雅に微笑むルカにメイコは埒が明かないとふんだのか、何故かメイド服と燕尾服を着ている4人にもツッコミを入れる。
「あんた達も何で言うこと聞いているの!レンに至ってはメイド服だし!」
「だってリンが『燕尾服は3着あったけどレンに合うやつは無かったから(身長的な意味で)』って・・・」
「しかもがくぽ、何よさっきの満足げな顔は!すごくノリノリじゃない!」
「せ、拙者は仕方無しにと、決してそのような道の者では・・・」
「まったくもう!あんた達、新人に指図されて恥ずかしくないの?!」
「あの・・・めーちゃん、取りあえず落ち着いて」
「退いてなさいバカイト。これは深刻な問題よ!」
「めーちゃん落ち着いてブフォッブ!」
「きゃああ!カイトお兄ちゃんの頭が!」
 カイトの静止を麦焼酎(2リットル)でなぎ払うメイコに、悲鳴を上げたミクを筆頭に誰もが終わったと絶望した、その時だった。
「メイコ先輩、この件は私が説明させていただきます」
 凛とした音色がリビングに木霊し、頭に血が上ったメイコの動きを止めた。決して大きくは無い、けれどもよく響く声で制止したのは、話の元凶でさっきまでミョウガを貪って静観していたルカであった。
 ルカは最後のミョウガを食べ終え、今までのなり行きを語り始める。
「まず、私はここで起動し、皆様に挨拶をいたしました。自己紹介も終えて、お互いにある程度の質問を交わしたあと、最後にリン先輩が私に聞きました。
『ルカちゃん、大富豪って知ってる?』・・・と。」
 クールな声に合わない幼い台詞を言ったとき、リンはぎくりと肩を震わせた。
「私は大富豪を存じなかったので、皆様にルールの説明を受けてからゲームをしたのです。その際『2位から5位のものは1位に奉仕をする』という罰ゲームをミク先輩が提案され、今に至ります」
 あえて勝敗を省いたのは眼に見えているからだろう。メイコと復活したカイトがミクとリンに視線を向けると、静かに逸らされた。
「『持たざる者の気持ちを分からせてやる!』って・・・胸と全然関係ないじゃない」
「しかも返り討ちにされたんだね。ものの見事に」
「うぅ・・・」「あーっ、あーっ、聞ーこーえーなーいー!」
 ミクはしょんぼりと肩身を小さくし、リンは耳を塞いでいやいやと首を振る。
「そうだったんだー・・・でもビックリしちゃったよ。いきなり下克上しちゃったのかと思った」
 カイトはにこにこと微笑む。ルカも笑みを浮かべたが、カイトのような緩んだものではなく、どことなく貴族を連想させる笑顔だ。
「流石にそんな失礼なことは致しませんわ。ところでミョウガはございません?」
「・・・え、ミョウガ?」
「ミョウガです。もしかして、先ほどので全てだったかしら・・・」
 ルカの視線の先には、高く積み上げられた空の皿。・・・もしかして、生で食べたのだろうか?
「さっき食べたのが最後だよ。よく生で食えるよな」
 レンが愚痴る。やはり生なのか。でもミクも生ネギ食べるからなぁ・・・とメイコとカイトは変な所で納得していた。
「仕方が無いですわ・・・がくぽさん、買ってきてくださる?」
「何袋で御座ろうか?」
「って、先輩をパシらせないの!がくぽも応じるな!」
 自然の流れのようにがくぽに命令をしたルカに、メイコは手振りまでつけてツッコミをいれる。それでもルカは優雅な微笑を崩さず、当然といった声で答えた。
「こればかりはどうしようもないですわ。『女王デレ』ですから」
「・・・女王デレ?」
「女王様でデレる、です。軽く『ツンデレ』とかぶるのが悩みですわ」
「・・・いや、そんなキャラありなの?!」
「あぁ、なるほどねー。何ていうか、いいんじゃない?」
「ちょっ、納得すんなバカイト!」
 カイトは頭の上に豆電球が浮かびそうな仕草でぽん、と手のひらを打ち、メイコは暢気なカイトに怒る。
「どうする気なのカイト、このキャラが定着しちゃったら」
「大丈夫だよ。ルカちゃん悪い子じゃないみたいだし、個性的なのはみんな一緒でしょ?」
「それは、そうだけど・・・」
「それに家族なんだし。ね」
 メイコは驚いて瞳を見開き、それから少し、照れたのかふてくされたのかよく分からない表情を浮かべた。まさか自分が先ほど言った言葉が引用されるとは思わなかったからだ。ルカも“家族”という言葉に少なからず驚いているらしく、口をぽかんと開けている。
「ルカちゃんも、僕達のことを『先輩』って呼ばなくてもいいよ?」
「あら・・・。しかし、まだ私は新型ですから・・・。流石に失礼でしょう?」
 カイトの台詞にルカは困惑した顔で遠慮したが、それにミクとリンが反応した。
「そんな事ないよ。ボク、ルカちゃんともっと仲良くなりたいな」
「そうよそうよ!それとさっきから思ってたんだけど、敬語も禁止!何だかむず痒いもん」
 ルカは思いもしない言葉に瞬きをした。ミクとリンはそれにもかかわらずに喋り続けたためか、レンとがくぽも会話に加わる。
「呼び方は何がいいかな?ボクだと、『ミクさん』みたいになるかな?」
「えぇ~、それは変よ。『ちゃん』とか『くん』付け・・・う~ん、何かしっくりこないわねぇ」
「もういっそ呼び捨てでいいんじゃないか?俺らも呼び捨てにしたら万々歳だろ」
「いやいや、呼び方というものは1つで親しみが変わるというもの。ここはじっくりと決めるべきでは御座らんか?」
 かしましく話す4人に完全に置いていかれ唖然とするルカに、メイコとカイトが話しかける。
「まったく・・・私の事はちゃんと姉として呼びなさいよ?呼び方は任せるわ」
「僕はお兄ちゃんって呼んでほしいなー。まだお兄ちゃんだけは呼ばれてないから」
 笑顔で語りかける2人に、やっとルカは少し、緊張が解れた顔で笑った。
「・・・どうやら、柄にもなく緊張していたみたいだわ。私らしくもない」
「なぁに言っているのよ。今日生まれたくせに、ちょっと生意気じゃない?」
 先ほどよりも偉そうな、そして何かを吹っ切った清々しい声のルカに、メイコは冗談めかして忠告すると、可笑しそうに笑った。ルカもつられ、クスクスと笑い声を漏らす。
 談議をしていた4人もルカ達の会話に加わり、
「あ~!メイコ姉がルカちゃん独占してる!ずるい~!」
「ルカちゃんの笑いかた可愛いな。何をお話していたの?」
「まあ2人とも落ち着いて。カイト殿、そろそろ夕食の準備を致さぬか?」
「あ、ほんとだ。ルカちゃんは何か食べたいものある?」
「止めとけよ兄貴・・・ルカはミョウガしか食べないから」
「そんなことはないわよ。お酒も飲むわよね、ルカ?」
 リンはメイコに怒って文句を言い、ミクはにこにこと笑って、がくぽがまとめるようにカイトに提案をし、カイトは朗らかに話しかけ、それにレンは呆れた風に呟いて、メイコは嬉しそうに酒を勧めて。
それを全て受けたルカは、どこか嬉しそうな、ルカに似合った気品のある笑みを浮かべる。

「あら、その前に改めて・・・。私はCV03『巡音ルカ』、よろしくお願いするわ。
・・・大切な、家族の皆様。」

それから満面の笑顔を、自らの家族に向けた。



おしまい。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ミョウガで女王様な巡音ルカを支援したい小説。

なんというか・・・すみませんでしたーーー!or2
 特に『お前書きかけの作品なかったっけ?』という方!すみません、これだけは先に出さないと出せなくなるので・・・見捨てないでください;;

 ルカ様が発表の日に、友達とルカ様の好物と性格を談義してできた産物です。すでにスタートダッシュは致命的、しかも慌てて仕上げたため大変残念な出来栄えに。
 でもあえて女王デレで、ミョウガで!想像してみてください・・・椅子に足を組んで座って、気品をあふれさながらミョウガを食べるルカ様を!・・・もしかしたら作者は病気かもしれません。
あと、何気にボカロファミリーを書くのが楽しかったです。初めて書く人が多かったので。
読んでいただきありがとうございました!

閲覧数:406

投稿日:2009/01/13 13:10:49

文字数:4,081文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • 秋徒

    秋徒

    ご意見・ご感想

    佑希さんへ

    がくぽがノリノリ過ぎてすみませんwwwなんと言うか、私の中で兄さんは癒し系なアイス好きなので、自然とがくぽがヘンタイに…うわ何をするやめ(強制終了

    とりあえず、ルカ様とがくぽは仲良そうですよね^^

    コメントありがとうございました!


    時給310円さんへ
    乗ってくださりありがとうございます!そしてすみませんでした!orz 次回こそは本編を書きたいです…;;

    多いのはやっぱり鮪みたいですね(^^;ロイツマもできますし。
    でも、ミョウガだってミクと『野菜(薬味?)シリーズ』で仲良く出来ると信じてます!

    コメントありがとうございました!

    2009/01/14 11:03:46

  • 時給310円

    時給310円

    ご意見・ご感想

    『お前書きかけの作品なかったっけ?』

    ……すいません、ここは乗る所かと思ったので、あとがきをコピペしてみました orz
    秋徒さんのボカロファミリー小説は初めてですね、相変わらず雰囲気のよい小説を書かれる。
    ルカの持ち物は、今のところ鮪が優勢なのかな? やっぱりネギトロでミクとコラボったのが強みですかね。秋徒さんはミョウガと来ましたかw これまた他と一線を画すルカ様で、とても新鮮でした。
    お次は本編か、短編か。次回も楽しみにしております。

    2009/01/13 21:37:24

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