『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~ session:1』

投稿日:2012/05/23 22:23:58 | 文字数:3,920文字 | 閲覧数:221 | カテゴリ:小説

ライセンス:

原案者:Keiji Imamura Black 様
お預かりした設定を元に書かせて頂いております。
拙いながらではありますが、楽しんで頂けたなら幸いですw

今回のは前の試作に色をつけて直したものになります

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『じゃまけんっ! ~望嘉大付属高校 ジャマイカ音楽研究会~』session:1


授業終了を告げるチャイムが鳴る。それと同時に教室はドッを溢れ返るように騒がしくなった。1学期期末考査試験最終日、これで面倒から解放されるよろこびに生徒達は今日これからの予定に色めき立っていた。
「「グミっちゃーーーん」」
元気よくそう呼ばれ振り返ると、そこには双子の姉弟が既に帰り支度を済ませていた。
「なぁにぃ~、双子~」
「「双子言うな」」
グミと呼ばれたその少女は森園久美といった。制服さえ着ていなければ確実に小学生に間違われる見てくれで、とても愛嬌のある顔立ちをしている。ユニゾンで切り返した元気のいい双子は杜草凛と杜草漣。
ここは望嘉大付属高等学校。最寄り駅から歩いて15分の所にあり、普通科の他には在学中に海外留学などに融通のきく国際交流科や最近のIT社会対応の情報技術科など、専門分野に特化した市内でも1・2を争う有名さを誇っている進学校だ。文武両道を掲げているだけあって部活数も半端無く、運動部の幾つかは常にインターハイ出場で輝かしい成績を残している。3人は普通科1年A組に属していて、今から向かおうとしている部活の仲間でもあった。
「あーはいはい。そういえば今日留佳先輩が何かスペシャルなことするから、終わったら早く来いって言ってたよね? 」
「うん、それと必ず小銭用意しとけってアタシ聞いたよ」
「ボクも」
「あたしも。じゃぁ早く行こっか」
3人は揃って教室から出て行く。向かうは特別校舎の3階にある元物理科準備室、今は使われておらずほぼ物置場と化していた。久美達が所属している部活は設立されてからはまだ新しい方で、部室が持てたのは現部長の功績が大きいと言っていい。
下校する生徒達を横目に普通校舎から廊下を渡って特別校舎へと進んでいく。中に入ったところで3人に声をかけた人物がいた。
「おい、お前達。これから部室か? 」
声のした方へ目を向けると、そこには社会科担当教師の荒巻岳歩が歩いてくるのが見えた。髪の毛が若干跳ねている具合を見る限り、どうやら彼は社会科準備室で居眠りでもしていたのだろう。久美達の部活の顧問でもある。
「「ガッポイだー」」
「うるせぇ、その綽名やめろ、絞めるぞ。そんで、部活か? 」
「うん、これから向かうとこ。岳兄ちゃんは? 」
「おい久美、学校では先生って呼べっつってるだろう。そうか。オレは今日会議で遅くなるから草薙にもそう伝えておいてくれ」
「はーい」
言伝だけ頼むと岳歩はそのまま特別校舎を出て行った、それと入れ違うように二人の上級生が顔を出す。
「あ、めーちゃん先輩! 」
「「未来センパーイ! 」」
「あらっ、3人揃って仲の良いこと。双子は相変わらず元気いいわねぇ」
双子と括られ凛と漣は喧々囂々と反論を繰り広げ始めた。どうにも一緒にされて良い時と悪い時があるらしいが、その基準は双子しか解らないので周りもあまり気にせず結構適当だ。
「あれ、未来先輩。今日は拍先輩は? 」
「え、さっきまで・・・って拍、何そんなとこに隠れてるのよ」
「ご、ごめんなさい。知らない人が居るのかと思って・・・」
彼女達は久美達の部活の先輩で、おずおずと後から出て来た気弱な方は2年の吾妻拍、拍に声をかけたツインテールの彼女は同じく2年の石川未来。めーちゃん先輩と呼ばれたのは3年の芭桐芽衣子で、綺麗に揃えたショートカットとスタイルの良さが印象的だ。彼女達も今日は早く部活に顔を出す様にと言われていたらしく、チャイムと同時に教室を出て来たのだという。別々に行くのもおかしな話、揃って部室に向かって足を進めていく。部室に近付くにつれて何やら言い争う声が聞こえ始めた。よくよく聞いてみるとそれは自分達の向かっている部室からするものだというのが声で解った。着いて扉を開けると、そこには久美達が所属する部活の部長である草薙留佳と副部長の斉藤櫂人が激しく何かを争っていた。皆が入って来たのを見受けて、
「やぁーっときたか! まちくたびれたぞ、お前達」
唯我独尊を体現したかの様な留佳は堂々と仁王立ち全員を迎えた。
「留佳先輩。先生は会議で遅れてくるそうです」
「あ、そう。まぁどうせ今日は来なくても構わないさ。むしろ邪魔」
さすがに此処まで言われると可哀想だなぁと久美は岳歩の言伝を引き受けたことを少し後悔した。岳歩は久美の親戚で結構破天荒な性格をしている。留佳はそんな岳歩と殊更気が合うらしく遠慮ない関係だが、たまに本当のところはどうなんだろうかと周りが頭を捻る程だ。グミと留佳の後ろでは櫂人が苦い顔をして溜息をついていた。
「そういえば留佳先輩。私達何で今日は早く来た方が良かったんですか? 」
「そうよ、留佳。ワタシ達詳しいこと何も聴いてないわよ」
その質問を受けて留佳は輝かさんばかりの表情を浮かべ、櫂人は何とも言い難い様な顔をした。その様子から一同は一抹の不安を覚える。
「言ってたものは用意してるな? なら集え、皆の者!」
そのままホワイトボードに向かい、ひっくり返す。そこに書かれていたのは、
「チキチキー! 抜き打ちセッションテストー。ちなみに用意してもらったお金は賭け金だから、今から渡す紙に誰がドン亀になるか書いて賭けるんだ、いいな! 」
一瞬のことに沈黙が流れ、
「「何それーーー!? 」」
真っ先に声を上げたのは双子達、櫂人はうなだれて頭を抱えている。言い争っていたのはどうにもこの案件のことだったようだ。
「ちょっ、留佳! テストは解るけど賭けは止めときなさいよ」
「大丈夫、勝てばいいだろ。ちなみにそれで集まったお金は今日の部活でのお茶とおやつ代な。買い出しも負けたヤツに行かせるから」
「いやそうではなくてね! 」
快活に笑う留佳を前に、全員が苦笑いを浮かべていた。早く先生が来ないかなぁと心の中で久美は呟く様に思う。視線を向けた窓の外はそんな彼女達の心とは裏腹にとても晴れ晴れとしていた。
「さぁっ、今日もジャマイカ音楽研究会の開幕だ! 」

ーーーーーーーーーーーーーーー

久美達が所属するジャマイカ音楽研究会、通称“ジャマ研”はその名の通り、スカ・レゲエ・ロックステディなどジャマイカの音楽や文化について研究し、演奏することを活動の趣旨とする。6年前に出来たばかりでそれといった功績が無い為、学校側には未だ部活動として認められていない部分が多いが、なのにも関わらず部室が持てて顧問が付いているのには訳がある。それは1年の頃から所属している留佳と櫂人の存在だ。留佳はその性格から向かうところ敵無しな口の強さを誇っていることで有名で、それに関しては教師陣がたじろぐ程。櫂人の音楽センスは知る人ぞ知る事実で、実家は横須賀駐屯基地の近くにあるジャズバーなこともあり、その腕を持って認めてもらったところがこの部活の強みとも言える。指導者が居ないことには部活として意味を持たないからだ。
「留佳っ、取り敢えずワタシの話を聞いてくれる? 」
芽衣子がその場を取りまとめようと前に出た。
「セッションテストに関しては、まぁ異論は無いわ。でも何で突然賭け事になるのっ!? 」
「ただのテストじゃないぜ? 曲も相手も衣装も公平にくじで決める」
「・・・・・ちょっと待って。留佳、アンタ今何て言った? 」
「ただのテストじゃないぜ」
「いやいやいや留佳先輩、そうじゃない。何かボクも今恐ろしい事を聞いた気がするんだけど」
「曲も相手も衣装も・・・」
「「だからその衣装って何!? 」」
突っ込み具合も絶妙な双子の叫びを切り口に、全員が留佳に喰いついた。
「だから俺は止めたんだっ」
「衣装って何!? 私も嫌よ、だって・・・」
未来が何とも言い難い様な表情をして何かを思い出している。その横ではそれ以上に怯えた兎のように拍が身をちぢこませていた。
「あ、でも衣装かぁ。何かちょっと面白そうだしアタシは別にいいかも」
「や、やめてぇ~、凛ちゃん!? 」
「そうよ凛! 芽衣子先輩も言ってやってよ、このままだとあの時の惨事がまた!? 」
戦々恐々と拍と未来が必死になってその発言に反論を唱えた。話を振られた芽衣子も声も出ない様子で無言で首を横に振り続けている。
「ふぇ、何で? 」
「いや、あのね・・・。ちょっとそれは・・・。拍っ、あとヨロシク! 」
「えっ、ちょっ、む、無理! 何で自分に振るのぉ?! 」
「私には無理よ~~~! 」
「あー、前に一回やったんだ。無論私の発案だ」
「・・・留佳。俺もさっき口酸っぱくして何度も言ったが、衣装に関しては聞いてないぞ」
「言ってねぇもん」
「てめぇな! 」
一年生は上級生達のやり取りをただ見ていた。その様子から過去に何かとんでもないトラウマが生まれたことだけはよく解った。それでもまだその加減が解っていない凛は『?』な顔をして漣と顔を合わせている。久美は取り敢えず仲裁に入り、その場を一旦落ち着かせてから再び話が進み始める。
「だーかーらぁー。衣装は前に文化祭で使った仮想衣装がそのまま残ってて勿体ないし、だったら使って遊ぼうぜ~みたいな」
「あの時はちゃんと目的があって使ったんじゃない。あれは・・・」
「メイ、思い出さない方が為だとおもうが」
「・・・」
言い淀む2人を尻目に留佳はさっさと2つの箱を机の上に置くと、
「さぁ、じゃんけんするのも面倒だから早いもん勝ちで引け、お前達! 」
結局その場の誰もが諦めることになった。

to be continued...

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