例えば一人きり この世を旅するとして
何が一番辛いか考えてみてごらん
ずっと 当たり前だと思っていたものが
足元から崩れてゆくのを見ても笑っていられるかい

安住する人よ 見るがいい
哀れな末路と 嗤うがいい
誰かへの呼びかけを背中で聞きながら
差し伸べる手のない枯れ野原を行く

分かれゆく 分かれゆく たくさんの分岐点
戻らない 戻れない 足跡すらも消えて

道なき流浪(さすらい)の遠き旅路を 僕はただ一人歩いてゆく
折れそうな心ふるい起こすように 今日も自分に呼びかける
Mr.Single-traveler, 御機嫌いかがですか
今夜も星はひとつ 暗い空に光る

「君は強いよな さすが一人きりで
旅してきただけあるよな」と誰も彼もそう言う
強いから一人 旅に出るのではない
一人で歩かなきゃいけないから 強くなっただけ

孤独なる者よ 唄うがいい
風の哀歌を 聴くがいい
懐かしいあの唄を口ずさみながら
誰にも見られないはずの涙をこらえる

離れゆく 離れゆく 美しき故郷(ふるさと)
帰らない 帰れない 帰る家もない

寄る辺なき異国の見知らぬ大地を 僕は ただ一人歩いてゆく
嗤うように囁く夜風をくぐって 今日も僕は呼びかける
Mr.Single-traveler,御機嫌いかがですか
今夜も星はひとつ 寂しく空に光る

旅する者よ 憩うがいい
戻れぬ日々に 泣くがいい
夜露に濡れた草に 体を丸めて
暫しの間だけ 優しい夢を見る

帰りたい 帰りたい 懐かしいあの場所へ
分からない 分からない どれが帰る路だろう?
果てしなく 果てしなく 続く幾千の分かれ道
振り向かず 戸惑わず 歩いていってやろうか

限りなく広がる永き旅路を 僕はひたすらに歩いてゆく
分かれ 別れ また絡まり合う道 その中のただ一つだけを選んで
僕はただ歩いてきた、 そしてこれからも 同じ
振り返るのはまだ先 もう進めなくなる時まで・・・

共に征(ゆ)く者なきこの道を 僕はただ一人歩いてゆく
澄み渡る黒い宇宙(そら)に抱かれ 今日も孤独な流浪人(さすらいびと)
Mr.Single-traveler,そう 僕は single traveler
今夜もあの星をひとつ 頼んで旅に出る

星よ照らせ 僕の心を
あるがままの小さな 身の丈を照らせ
星よ照らせ 漆黒の空に
明るく強く燃えて 僕の行く手を照らせ・・・

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Mr.Single-traveler

絶対の孤独を抱える旅人が主人公の詩。
―――どこまでも一人でさまよい続ける彼は、何を信じ、なぜ旅を続けるのか?

「Lost Voyager」と似通った感じですが、こちらのほうはより比喩的で架空の世界に近く、旅人の孤独感が一層増すように作っています。
最後の星に関する描写はロシアのことわざ「漆黒の夜空が暗ければ暗いほど、星は明るく輝いて未来を照らす」を下敷きにしています。

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投稿日:2013/08/21 14:27:00

文字数:1,004文字

カテゴリ:歌詞

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