最近、あるスタートアップ企業の新サービス開発に携わっています。アイデア段階から関わり、プログラミング言語という「楽譜」を元に、一つひとつの機能を「音符」として紡いでいく作業です。
この仕事を進めるたびに、僕はプログラミングという行為が、まるで「楽器の演奏」に似ているな、と感じるようになりました。
まず、プログラミングには「楽器」があります。
僕たちの場合は、プログラミング言語やフレームワークがそれに当たります。Pythonは温かみのある音色を奏でるピアノ、Javaは重厚なハーモニーを響かせるオーケストラ、JavaScriptは軽快なリズムを刻むギター、といったように、それぞれに個性があります。どんな音色を出したいかによって、使う楽器を選ぶのと同じです。
次に、「楽譜」です。
プログラミングにおける楽譜は、「要件定義書」や「設計書」です。しかし、楽譜に書かれているのはあくまで「指針」であり、それをどう解釈し、どんな表現で演奏するかは、演奏家(プログラマー)の腕にかかっています。同じ楽譜でも、演奏家によって全く違う感動が生まれるように、同じ要件でも、プログラマーのスキルやセンスによって、システムの完成度は大きく変わります。
そして、「演奏」です。
プログラマーは、コードという音符を一つひとつ丁寧に打ち込み、システムという「楽曲」を組み立てていきます。時には、期待した通りの音が出ない(バグが発生する)こともあります。まるで、演奏中に音を外してしまうように。しかし、それは決して失敗ではなく、どうすれば美しい音色を奏でられるか、試行錯誤する貴重な過程です。
最後に、「セッション」です。
一人で完璧な楽曲を作り上げることもありますが、多くのシステム開発はチームで行われます。それはまるで、バンドやオーケストラでのセッションのようです。フロントエンド、バックエンド、インフラ担当者がそれぞれの「楽器」で最高のパフォーマンスを発揮し、美しいハーモニーを奏でる。お互いの音に耳を傾け、時には即興で新しいメロディーを生み出しながら、一つの「楽曲」を完成させていきます。
この仕事を通じて僕が思うのは、プログラミングは単に論理的な思考力だけでなく、音楽家のような感性や表現力も求められるクリエイティブな仕事だということです。
僕はこれからも、最高の「演奏」を追求し、お客様の心に響くような「システム」という楽曲を創り続けていきたいと思います。
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