!!!Attention!!!
この度、ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、コラボ(二人)で書くことになりました。
自分が書く「青犬編」とつんばるさんの書く「紅猫編」に分かれております。
原作者様には全く関係なく、そして勝手な解釈もいいところで、捏造だろうと思われる部分もあると思います。
そういった解釈が苦手な方はブラウザバック推奨。
なお、カイメイ要素を含みますので、その点にもご注意ください。

大丈夫だよ!寧ろバッチ来い!の方はスクロールで本編へどうぞ。








【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#10】





 必ずめいこに会いに行くと強く思ってからの俺というのは、自分でもこんなに動けたのかと思うほど仕事に明け暮れていた・・・のだが、俺の前向きな行動とは裏腹に、空は日を増すごとに陰り、今日はどんよりと暗い雲で顔を覆ってしまっている。今にも雨が降り出しそうだ。
「心が折れそうな空の色だな・・・」
 自分の口から出た言葉があまりにも女の人が口にした言葉のようで、小さく笑う。女々しいというのだろうか・・・酷くそんな感じがした。
 心が折れていたのは数日前の俺だ。めいこが会いにきたというのに、自分が素直になれないばかりに会うことができず、確かに後悔したが・・・今は、前向きに頑張ろうとしている。
 全ては、めいこに会うために。離れていた時間を埋めるために。
 薄く靄のかかった早朝、いつもの作り置き握り飯を口に運び、準備を整えて玄関へ向かう。あまり荷物がないから来なくてもいいと仕事仲間たちには言われたが・・・とりあえず顔を出して手伝っておこうと・・・思っていた。郵便受けを覗くまでは。
「そういえば・・・もう届いてる頃かな」
 いつもより少し遅いが、さすがにもうそろそろ返事が届いているんじゃないか。いや、今日こそは届いていると・・・そんな気がしていた。
 覗いて見れば、俺の予感は当たり、やはり上等な質感の手紙が一通。いつもよりも心なしか薄い気がするそれ。
 俺はその場でそれを開けにかかった。

 ――何故気付かなかったんだろうか。
 いつもならもう少し分厚いはずの封筒が薄くて、封筒に書かれた字も心なしか揺れていることには気付いていたのに・・・何故その理由を察することができなかったんだろうか。
 手紙が来たことへの喜びにうつつを抜かすことなく、少し冷静になってその理由の予測さえ立てていたならば、もう少し普通の反応もできただろうに。
 俺には彼女の気持ちがわからない。わからないが、それでもどこかで自分と同じ気持ちでいてくれると思っていた。ずっと、変わらないままでいてくれるのだと。
 ・・・それがとてつもなく危ういものだったということに、今、この手紙を見て初めてわかった。俺は、彼女のことを理解していなかったのだと。そして、理解できるはずもなかったのだと。

 それはまさしく、鈍器で殴られたような衝撃だった。眩暈に襲われて、そのまま強い頭痛に倒れこんでしまうような。
 何故・・・何故だ。俺が会いたいと素直に思えなかったからなのか。伝えなかったからなのか。
 何故だ、何故、何故・・・!
 疑問ばかりが浮かんだ後、前向きになっていたはずの思考が、回れ右をして綺麗に後ろ向きになるのがわかる。
 手紙の文面から、彼女の気持ちが正確に読み取れなかった。いや、読み取れてこそのものなのか・・・俺のこの気持ちは。
 手紙を持つ手が、カタカタと震えるのは気のせいではない。この頭を占めているものは悔しさなのか、それとも憤りなのか。噛み締める歯が軋む音は、まるで蛇が俺の胸を締め付けているかのようだ。痛いのか苦しいのか、それともその両方なのか・・・麻痺したようにその感覚が何なのかさえわからない。
「本気、なのか・・・めいこ・・・?」
 零れ落ちた言葉で、波紋のように広がる不穏な感覚。無性に、叫びたくなった。
 幼い頃の彼女が脳裏に浮かび、笑顔を浮かべてあの約束の言葉を繰り返す。
 覚えていると思っていた。今もその気持ちは変わらないと思っていた。でも結局それは、俺の勝手な思い込みに過ぎなかったというのだろうか。会いにきてくれたというのは、夢か幻だったのだろうか。
 力を少し込めればあっけなく皺くちゃになるいつもと違う頼りない紙切れ一枚。潰されたそれは、まるで今の俺自身みたいで、握り締めた手にそのまま力を加える。自分自身を壊すように。
 直接彼女に確かめようにも、今すぐに声を聞く手段はなく、今から走って行けるほどここから彼女の家までの距離は短くない。もしも俺がお金さえ持っていれば、こんなことでいちいち悩むことなんてなかったのに。何故、君までの距離はこんなにも長いんだろう。
「めいこ・・・」
 半ば握り潰した紙切れに呟いてみても、それを書いた彼女からは、やはり何も答えなど返ってくるはずもなく、やるせない思いが胸を締め付ける。
 とにかく、すぐに信じられる話ではなかった。
 それでも・・・いつもと違う便箋、手紙の始まり、内容が淡々と綴られただけの素っ気ない文章は、俺にそれが本当であることを伝えている。そう、否応なしにそれが真実であることを伝えていた。
 握り潰した手紙がカサカサと手の肉をやんわりと刺すのが、妙に現実的だ。夢か幻だと思いたいのに、そうは思わせてくれない。
「これが最後って、どういうことだよ・・・」
 掠れた声は、いやに低く響く。実際には響いていたわけではないはずなのに、その声は両耳から入って体に大きく響いていた。
 ぎゅっと握り締めた手から、血が出てきそうだ。いっそ、涙でも血でも出てくれたなら、少しはすっきりするだろうに。出てくるのは悔しげな声ぐらいのもので、混乱した頭は怒っていいのか泣いていいのかすら判断をつけかねているらしい。
 理由がない・・・わからない。りんちゃんとれんくんが言うことを信じれば、彼女は俺に会いたくてここまできてくれたはずだった。
 会えないままで帰ることになった彼女は、とうとう俺に愛想つかしたということなのか。少なくとももう彼女が向こうについてから確実に3日は経過しているはずだ。その間に心が変わったのか、それとも最初から・・・最初から?
 そこまで考えて、俺は愕然とした。
 もしかしたら彼女が俺のところへわざわざ来たのは、別れを告げるためだったのではないか。


 前略ごめんください
 突然申し訳ないことですが、ちかいうちに結婚することが決まりました。
 もう、このような文のやりとりはできなくなると思います。
 私から送る文も、きっとこれが最後でしょう。
 お返事はいりません。
 いままでありがとう。
 あらあらかしこ


 返事はいらないと書いた彼女の真意がはかれない。
「『結婚』? 『私から送る文も、きっとこれが最後』?」
 何だそれ、何だよそれ。そんな自分勝手なこと、何でそんなことを突然書くんだよ。
 ぽつ、ぽつ、と握り締めた手が何かで濡れた。
「いままでありがとうって・・・何だよ・・・!!」
 思い切り壁に叩き付けた手が軋む。早朝の街に、叩きつけられた壁の悲鳴が響いた。
 俺とのことはもういいってことか。子どもの頃のことは誰にも汚されない綺麗な記憶だけで十分ってことか。今の俺なんかよりも、今一緒にいてくれる男の方がいいってことか。
 いつの間にか俺を濡らす冷たい水滴はどんどん増えていて、気がついたら握り締めた手の中の手紙も少し濡れているようだった。屋根からはみ出ていた手が、もうずぶ濡れだ。
 空を見上げれば、暗い雲からいくつもの雨が遠慮なく降り注ぐ。
 それは、俺の涙なのか。それとも・・・彼女の涙なのだろうか。

「もしそうなら、めいこ・・・君は何故泣いてるんだ・・・?」

 頭が混乱して、もうできれば何も考えたくなかった。




ライセンス

  • 非営利目的に限ります

【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#10】

かいとぉぉぉ!・・・叫んだ人、握手で(何かまた言い出した
立ち直ったところにこれだよ!つんさんのドS!(待て
・・・何か怒られそうだ・・・ごめんなさいorz
この辺りは互いのとこのマスターを褒めまくってました。
興味ある方は是非つんさんとこでお話読んでみてください~。
かっこいいお姉さんが好きな方は是非に!(笑

めぇちゃぁぁぁぁっ!と思わず叫びたくなる紅猫編もよろしくお願いします。

+++

「紅猫編」を書いているコラボ主犯
つんばるさんのページはこちら → http://piapro.jp/thmbal

+++

あれ?おかしいな、何か前バージョンとか書いてある・・・?
何やら「前編」とか書いてあるぞ?

閲覧数:696

投稿日:2009/09/15 23:09:36

文字数:3,249文字

カテゴリ:小説

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    >>桜宮さん
    わっふー!お久しぶりです、桜宮さん。
    とりあえず握手してください。拒否られても無理やりしm(黙れ
    かいとの応援ありがとうございます!本当に頑張ってもらいたいものです!

    アキラ嬢はかっこいいおねえさん で す よ ね ! !
    でも相手が彼女だからこそハルちゃん先輩がいいのですよ~。
    純情だし可愛すぎます、ハルちゃん先輩(笑
    か、勝手に名前出しててすみません・・・!ごめんなさい!今更ですけど・・・(汗
    >司くん、なんならうちのおねーさ……すみません、黙ります。
    ・ ・ ・ ! ! ? それなんてs(とりあえずお前も黙れ
    桜宮さんに倣って口にチャックしておきます。すみませんでした。
    とにもかくにも、メッセージありがとうございました!

    2009/09/19 10:16:03

  • 桜宮 小春

    桜宮 小春

    ご意見・ご感想

    かいとおおおおおおおおおお!!!!

    あ、どうも、いきなりすみません。
    お久しぶりです、桜宮ですわっふー!

    もうとにかく、かいと頑張れとしか……! ああ、私の語彙力のなさが恨めしい!!
    続きもどきどきしながら読みに行かせていただきます!

    アキラ嬢はかっこいいおねえさんですよね……うちの純情男も見習うべきだ←
    彼氏ですかぁ……肝心の彼はまだうじうじしてますけどね(笑
    っていうか、そういう話が出るとは……(笑
    司くん、なんならうちのおねーさ……すみません、黙ります。
    変な事口走ってすみませんでした……っ!

    2009/09/19 09:00:38

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