Spinnerlie -紡ぎ歌ー 04

投稿日:2009/11/15 14:51:45 | 文字数:1,799文字 | 閲覧数:70 | カテゴリ:小説

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この辺から「CP」がまったくなくなっていくような、逆であるようなカオス

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04

しばらくして。
周囲がにわかに騒がしくなってきた。
それは歌い手として認められたことの証明といえたが、唄を最優先とする存在であるカイトには少々のわずらわしさを伴った「雑音」にも、彼女には聞こえた。
マスターである彼女がなまじ「元」有名な歌い手であったことも一つの原因だったかもしれない。
公開はしていなかった筈の「悲劇の歌姫:海久の秘蔵っ子」ということがどこからかバレて、頼んでもいない方向での騒ぎになったのだ。
流石の社長も「ちょっと調節した方がいいかな」とも言い出だしていた。
ただこの人の場合の「調節」はとんでもない方向のもので、だが彼女にはそれはとてもいい案に聞こえた。
その存在が"男女"というだけで、邪推する連中は後を絶たないことが彼女を苛立たせていたから、半ば自棄も入っていたのかもしれない。
自分たちの関係を、その程度に考えられたくなかったのだ。
それにしても。
「・・・・・・・・僕は歌いたいだけなのに」
「そうね。わたしも、みんなが貴方の唄だけをみてればって、そう思うわ」
「マスター・・・」
謳うための存在が謳うだけ。
なのに、どうでもいいことに人の好奇心は動く。
恐らく彼が唄の為にいる存在だからなのかもしれない。
「歌手」として晒されていた時は無視してきた雑音が、酷くここにきてわずらわしいなと彼女は想う。
そしてその考えは、自然、唇を滑っていった。
「人って面倒よね」
「マスター?」
「貴方たちみたいに、素直にまっすぐだけをみてればいいのに」
「他にないだけです」
「そんなことないわよ」
それだけなら、あんな風に謳えない。
あんなふうに、良くも悪くも人をひきつけたりしない。
「・・・・・」
「カイト?」
「あ、はいっ」
「つかれちゃった?」
「いえ、僕は・・・」
むしろ疲れているのはマスターでは。
言葉を重ねたがりそうな表情。
創られたもの?
なにいっているの。
人だって、変わらない。
でもこんな風に心配してくれることの嬉しさと、ほんの少しの悪戯の勝利。
疲れている理由は別にあるのだ。本当は。
けれどつらそうな様子なんて、逆に切ない。
「うぅん、体はなくてもつかれるのよ?
パソコンだってずぅっと使ってると壊れやすくなるでしょう」
奇妙な事例だなと想わないでもないが、なんとなく。
勿論、反論は自然なことだ。
「でも、マスター」
「・・・。今日はゆっくりしましょう。
明日辺りね、多分トシアキさんたちが来るから」
突然、話題を変えた。
強引だったかなと少しだけ想ったが、元々この話題のつもりだ。
きょとんとしているカイトが、今更のように確認を重ねる。
「トシアキさんて、メイ姉のマスターですよね?」
「そうよ。メイコさんとのデュエット」
「え?僕がですか」
考えたことも無かっただろう提案は、騒ぎの関係で、当分は「謳えないのかな」と想っていたカイトを一蹴したようだった。
発表できなくても、謳わせては上げるつもりだったのだけれど。
けれどこみ上げてくるいたずらっ子の笑みで肝心なことを今更のように教えてみる。
「えぇ。そしてその曲が・・・
貴方の本当のデビューよ、カイト」
「!!デビュー・・・するんですねっ
でも、"騒ぎ"が・・・」
「そんなの、ささいなものよ。
それにこれ、社長の考えでもあるの。
半端に隠すより、一気にしちゃったほうが囃し立てるのもムダって想われるでしょう?
でも、貴方は今までどおり、今まで以上に唄を愛してうたい続ければいい。
私もマスターとしてそれを望むわ」
「・・・・・・」
それは。
カイトには嬉しくてたまらなかったらしい。
謳うために生まれた彼には、きっとすごく重要なのだ。
綻ぶ花の様に微笑む彼に、つられて笑う。
「その代わり。
貴方に必要のないものからは、絶対、私が護ってあげる」
「僕、オトコノコなのに、マスターに護られちゃうんですか・・」
おとこのこ、という主張も少しだけおかしかった。
ふてくされたような様子に、ほんの短い時間での彼の成長を感じる。
「あら、そんなコトいうの?
子どもを護るのは親の役目だもの」
「・・・・・・こども、ですか?僕」
「そうよ。だから、護りたいのよ。
ああいう輩からは、絶対にね」
呟いたことで蘇った過去の嫌な記憶が、ふと頭の片隅で気持ち悪い重さで静かに呼吸をしていた。

ものがき。


動画化したいんだけどネタすぎて困っている「話」が一本。
ネタなので普通に「投稿作品」にも「コラボ募集」もできません。
絵師さんとかドウガーさんとか超希望

 →http://trickkingdom.fc2web.com/vocafull.html


各落書きボーカロイド基本設定


■no style

基本。マスター一人(男性)でのんびり系。
five~がキャラ基準。基本的にみんなでまったりのんびり
歌えていればそれでいい、そんなメンバー
かなり俺設定乙。ルカが京弁になってもらいました。好み的な意味で

■Spinnerlieシリーズの設定;

某音楽会社の社長の道楽半分、郷愁?半分で開発された存在
純粋に歌うことを存在理由とする。プログラム→アンドロイド
つーか社長出張りすぎ。マスターではない。むしろ「おとーさん」。

オフサークル「巨大獣」にてかが つるぎ名義で発行される本は基本この世界の大体15年後くらいが時間軸となり、マスターは全ボーカロイドにとって「二人目」のマスターという扱いになります。因みにこちらだと恐ろしいレベルで品行方正というコトバと縁がないという問題作だったりする罠。

■arsnovaシリーズの設定:

某魔砲少女世界観ちらっと利用な機人仕様
特殊な詩を紡ぐことでロストロギアを無効化する能力を持ち
それを封印する特殊時空護衛艦の住人。マスターだけ人間。
戦闘ものひゃっはぁ!注意。むしろガチ大好き。

■BAR;firstsoundシリーズの設定:

有機人工生命(オノガロイド)。存在自体は比較的一般的だが、
歌に特化している=オーダーメイドで作られたと考えられる仕様
えーとね、うん、言い方解りやすくすると多分コーディネーター(ガン種)?
ただし「親」はいなくてあくまで「製品」なので、
扱いはむしろちょびっ○のパソコンに近い。財産譲渡はできるよ。
どBL仕様予定。だってそれが依頼だったから
あとすんごく酒話多数。だってやって良いって言われたから。

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