願い、星にかけて~レンの反抗、リンの暴走~
やっと見つけた…
手紙に書かれた場所
あとはミツキの動き次第か。
魔法陣を作っていく。
「ふふ、ありがとうね。わざわざ私たちの手伝いをしてくれて。」
…荒らしなのだろうか?意図が読めない。いったい何を考えているのか…
「これで、この世界を破壊できるわ。」
嫌な予感が頭をよぎる。
「とりあえず、願音リノ。貴女には、死なれると困るのよね。しばらくそこで大人しくしていなさい。」
金縛り!?身動きが取れない。
世界の破壊を促進することができるとか言っていたが、そんなことができるのは…リナか抹消型か…
彼ら以外では、とてもそんなことできないだろう。
荒らしらしき影は手下を呼び出した。
「この魔法陣を使って、リンに交渉する。暗号の術式は覚えてるな?」
狙いはリンか!?
ふざけないでよ、リンを傷つけようとする奴は、許さないから!
流星群を放つ。
しかしそれは、手下たちが全て受けてしまった。
影は言う。
「大人しくしてろって、言ったはずだけど…ね。」
後頭部に走った痛みは、意識を、飛ばした。
私たちは、リノを探して、歩いていた。
途中出会った帽子屋に、ボカロRPG界には居ないと聞いた。
リナさんと、ルアさんは?と聞くと、先に行ったと答えられた。
ネットロードは幾多の世界と繋がっている。
どれが正しい道か、一本の道を選らんだのは、レンだった。
驚く私たちを見て、レンは言う。
「その道を行けば、森につく。お前らの言う、リノらしき人を見た。…じゃあな。」
「待って!一緒に行かないの!?」
私もミクも…全員が止めようとする。
それでも、レンは振り向いてくれなかった。
レンの手を引こうとした時だ。
♪~壊してよサンドスクレイパー
またどこかへ行ってしまう。
ずっと一緒がよかったのに…
「とりあえず、レンが教えてくれた道を、行こうか。それ以外に当てもないし…」
…世界が終わりに近づいているとは、こういうことだろうか?
突然の荒らしと、それに乗る人々。
誰かが荒らせば、そのままどんどん広がっていく。
私はがくぽ、レンとともに戦っていた。
「ぐ…GUMI殿!やはり人手が足りないでごさる!!」
がくぽは放っておいても大丈夫。
で、何でレンがここで戦っているかだ。
リンたちから逃げる一方で、先に行って敵を倒し、安全なルートを作ろうとしていたらしい。
素直じゃないやつだ。
♪~ボクは何の為に歌う?パラジクロロベンゼン
敵の数が多すぎる。レンの歌も、私の歌も、がくぽの歌も、届かない。
「大体、この曲のPが悪いんだろう?」
「これ、絶対にあの曲に対抗する曲だよね」
「悪いのは、このPV作ったやつ。」
「このP擁護する奴も、どうせロクな奴いないんだろう?」
「消えるんなら、さっさと消えろよ」
「有名Pなら、発言考えろよ」
渦を巻く、尖った言葉。
♪~愛したっていいじゃないか
必死で声を張っても、掻き消される。
そのまま私たちは突き飛ばされ、動画は消えてしまった。
「う、嘘……」
荒らしはこっちに向かってくる。
その時だった。
♪~るりらるりらこの子守唄あなたの心癒せるかな
傷が回復した。
ミクたちが、走ってくる。
合流した私たちは、戦いに再び参加した。
道の先に居たレンたちと合流できた。
まずは荒らしたちを、一気に片付けてしまおう。
デュエットとか、かなりできろようになったし、大丈夫。
♪~しゃぶり尽くしてしまえ!悪意の全てを永久に終わらぬ悪夢
♪~あのね、もっといっぱい舞って頂戴 カリンカ?マリンカ?弦を弾いて
♪~挽香に狂える夜明け前 谺す我らの葬送歌
♪~花火のように弾けて消えるまで 互いを焦がし全てを燃やしてく 優しく…
♪~大嫌い嫌い嫌いな僕が見えてますか?ルンパッパ
♪~ゆらり揺らめく幻想に抱かれ 君に言った言葉はIMITATION
荒らしは、勢いを弱めていく。
そこでMEIKO姉さんは、あるフレーズを歌った。
♪~友情 トラウマ 正義 幻覚
みんなも、私も頷き、続ける。
♪~希望 破滅 夢 欲 愛 死
全てを溶かして廻りつづける
ぜんまい仕掛けの子守唄
孤独な男がその死の間際
作り上げた映画館
彼が望んでいた理想郷は
完成するのだろうか?
続けて、歌う。
8人居るだけで、これほど心強いものなのか。
♪~歌え踊れ騒ごうぜ 酸いも甘いも忘れてさ 気が狂っちゃうほどに 楽しんじゃえ Happy nighT
荒らしは残らず消え去り、動画が戻ってきた。
GUMI曰く、以前とは少し変わってしまったらしいが…
?
あ、あれ?周りの音が聞こえなくなった。
頭の中に直接響く音が…ある。
何かの呪文…あ、嫌だ、この音は、聞きたくない!
私は違う!違うってば!!
妬ましい妬ましい妬ましい…誰が?…世界がだ。
…壊してしまおう
荒らしに壊される前に、この手で。
♪~笑いさえ妬みさえ狂おしく愛せそうだよ 善でもいい悪でもいい*しましょう眠りましょう もういいよ疲れたよボクたちは救われますか?
…鏡音リンを狂わせることに成功した。
あとは、願音リノがそれに影響されて狂うのを、待つだけ。
リノの能力は知ってる。暴走することで、星の動きまで全てを巻き込んだ時空破壊の力を持つ。
リノの目が赤く輝いたかと思うと、夜空へ飛びたった。
さて、こちらも動きますか。
…!?
「いったい、誰なんです?私の邪魔をするやつは?」
紅いリボンに銀髪の女と、緑髪の幽霊だろうか?
こちらへ向かってくる。
「とりあえず、私が気に入らないから、アンタはこのリビデスでズタズタにしてあげる。」
「リナ…さん…ま…だ自…己…紹介…が…終わ…って…いませ…ん…よ?」
「…しょうがないわね。私の名前は怨音リナ。隣の娘は、ペルセ=崩音=ルアよ。」
名前は聞いたことがある。
どうやら、最悪の相手に出会ってしまったようだ。
でも、私がやられたところで、リノが世界を破壊してくれる。
「私はこいつで遊んでおくわ。ルアは、リノをお願いね♪」
「わかり…まし…た…とり…あえず…ミツキに…知らせ…て…きま…す。」
雷鳴が轟いたかと思うと、辺りが血に染まった。
心残りといったら、無に帰った世界を見れないことかしら…ね………
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