―――――こんなにも、好きなのに。
どうしても…素直になれない。
だから、この想いは伝えられないんだ。
それは、ふわりと舞い落ちる粉雪のように、
積もっては…悲しく融けてゆく ―――――
<<【解釈小説】粉雪【ぽルカなんです】>>
――息が白い。
この日、街には粉雪が降っていた。
冬はただでさえ寒いのに、雪が降っていると、もっと寒くなる。
だから、私はマフラーをした。そして出かける。
そう、あの人が待っている所へ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
その人とは、駅前で待ち合わせしていた。
私はその人のもとへ、走る。
「…遅くなってごめんなさい。」
「あ、ルカ。大丈夫、あまり待ってないから」
「でも、神威さんを待たせてしまったのには変わりないです…」
「そんなことないって。俺、来たばかりだから全然待ってないよ」
そして、一緒に歩きだす。
神威さんは、高校で知り合った。
一応、神威さんは一つ上の先輩である。
――今日こそは、伝えるんだ。
「神威さんが好き」って、伝えるんだ。
神威さんと二人で出かけるたびに、そう決意する。
でも、いつもタイミングを逃してしまい、結局は伝えられない。
「今日こそは」って思うのは、もう何回目?
ただ一言、言えばいいだけなのに。
たった一言なんだから…簡単でしょ?
彼は、目の前にいるのに。
その簡単なことが、どうして出来ないの?
(ずっと、伝えられないのかな…)
そして、私は彼に見られないように顔を背け、表情を歪める。
この先ずっと「想い」は伝えられない、不安な表情に。
「――ルカ、どうしたの?さっきから顔色が悪いけど…」
「あ、え?な、なんでもないです…」
「そう?具合が悪くなったら言ってね」
しまった、彼に見られていた。
彼には、余計な心配をかけたくない。
そういえば、出会ったころに比べて、私たちは笑わなくなった。
毎日が楽しかった頃のあの笑顔は、二人の間から消えてしまった。
ふと周りを見れば、笑顔の人たちばかり。
その中には、カップルも混じっていた。
―― もっと可愛い子を、演じれば…また、笑ってくれるかな… ――
ふいに、そんなことを思った。
でも、どうせ気持ちだけが空回りするだけ。
思ってみても、始まらない。
埋まらない、この距離は何?
いつまでもこの距離なんて、悲しいよ。
出会った頃の、「二人」のように。
ただ、素直に笑い合える日は、来るのかな…
降り積もる「想い」は…また、手のひらで、融けてゆく。
そう、まるで粉雪のように。
【解釈小説】粉雪 【ぽルカなのか?】
本家様 http://www.nicovideo.jp/watch/sm13385986
ちなみに続きません。
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