知らない駅の　最終電車
僕は乗るか迷ってる
行き先もない勇気だけを
ポケットで握りしめている

だれもいないホームの隅
ため息と夢が肩を寄せた
戻る理由もないけれど
進む理由も見えないままで

たとえばいま　この扉が閉まって
知らない街へ　僕が消えたなら
きみは少し　僕を思い出すかな
片道のキモチでも
未来に乗ってみたかった


ホームのベンチ　ひとつ埋まって
知らぬ誰か頷いた
「乗っちゃえばいいんじゃない？」って
僕よりも泣きそうな顔で

いつからだろう　選ぶことが
間違えるようで怖くなって
だけどきっとね　誤りは
ずっと留まり　歩まないこと

たとえばいま　この列車が動いて
僕の「いままで」揺らしてくならば
それでいい　不器用でもいいから
片道のキモチでも
誰かを想ってたかった


行き先はない
だけど背中を押したのは
「誰でもない、今の自分」だった


たとえばいま　走り出した景色に
後で反省　したっていいから
明日をただ自分で選びたくて
片道のキモチでも
背筋を伸ばし乗ってたい

知らない駅の　知らない風が
僕のシャツを揺らしてる
片道でも、きっと
どこかへ続いていく