自分だけ武器を手にしていないこの状況。つまり無防備な状態で、敵の居る危険なフィールドを移動しなければならない。このままでは一番乗りで、ばたんきゅ〜(気絶)してしまう。
 リーダーである自分が、仲間の足を引っ張ってしまうことは避けておきたいからだ。なので仲間の2人に助け船を送るよう涙目で視線を流してみた。

「…………」

 お二人さん、か弱い私に武器を貸してください…次の町までで構いません。どうか私に武器を貸してほしい……。

「あーっ‼ モンスターを発見したわ!。ミクちゃん、レン、さっそく戦うわよっ!」

「それはたいへんだっ!」

「……」

 思い伝わらず無念に沈む16歳の乙女が出した助け船。仲間の2人がさきに戦闘を始めてしまった‼。


[BATTLE START]

モコモコバニーAがあらわれた
モコモコバニーAは、うしろ脚で体をかいている

ミクのターン
どうする?

【たたかう】
【とくぎ】
【まほう】←SELECT
【ぼうぎょ】
【アイテム】
【さくせん】
【あいさつ】
【にげる】


「ミクちゃんっ! あたしたち、まだ魔法なんか使えないよっ!」

「あっ!いけない」

ミクのターン
どうする?

【たたかう】
【とくぎ】
【まほう】
【ぼうぎょ】
【アイテム】
【さくせん】
【あいさつ】←SELECT
【にげる】


ミクはモコモコバニーAに【あいさつ】をした

「やっほーっ!」

モコモコバニーAは地面に体をこすりつけて喜んでいる
ミクはモコモコバニーAからニンジンを貰えた

──You Win!──

ミクたちは戦闘に勝利した
それぞれに経験値2が割り振られていく


「えーーっ!? いまのでバトル終わり?」

 あまりの超展開にレンは肩透かしをくらっていた。生まれてはじめて行うモンスターとの戦いに意識を高揚させたが、実際の戦いはコマンド【あいさつ】だけで終了してしまったからだ。
 自分だけであるが脳内で流れるBGMも金髪繋がりで“闘う者達”が演奏され『デーッデーッデーーッデーーッデーーッデーーーーッ♪』と心の準備だけは万端だった。

「たたかうを選ぶとウサギさんがかわいそうだったから、私はあいさつしてみたの」

「まあっ、いいんじゃない。経験値もおおく貰えたし、ミクちゃんの言うとおりウサギさんも悪そうじゃなかったし」

「クラウドーーッ!!」

 広い広い草原が広がる大地の中心で、厨二病を発症しそうになった少年の声がこだましていた。

「モンスターでも悪くない子は、むやみにイジメちゃダメだよレン君」

 実際のところ、自分には武器が装備されていないので上手く戦闘を回避したかったリーダーの思惑があった。その思惑は、まだ14歳の少年少女が知る由もない。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

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植松伸夫さんの大ファンです

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投稿日:2020/01/02 20:29:52

文字数:1,157文字

カテゴリ:小説

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