夜明けに

『季節が溜まっていくから』

季節が底に溜まっていくから
僕らは曖昧な返事しか出来ないんだ
海蘭を一つ摘んだ
波のまにまに 遠くへ

季節が底に溜まっていくから
俄に知らない場所に行きたくなるんだ
太陽を少し待った
白いシャツも 懐かしく

彼らは肺に溜まってゆくのに
ちっとも溶けようとしないから
曇るばかりの窓 風ばかり色を変え
どこか 遠くへ ただ

季節はそこに溜まっていくのに
僕ら言葉さえ交わすことが出来ない
暈けた陽に脆い日々
教えたいこと
いっぱいに書き留めておく

『出発』

それじゃあ
夜が明けたら
ここを発つことにするよ

オレンジも 白いシャツも
想像の 車窓から膝に落ちる光も
何もかも 潤みだすだろうから

東雲の息が 郵便受けにかかって
何か頼むような朝

窓の下の 日陰には
よく熟れた檸檬のような
願いをひとつおこう

『鳥』(擬似的オートマティスム)

降り注ぐ 軒先
暗がり
瀬をはやみ
肩書きに降りかかる 災厄は
半端なところで
今日は 何事も無かったかのように
消えてゆく

フリーズドライの
繰り返し辿る
ここからここまで歩き
みちすがら 炎に燃え盛る
フラッシュバック
誰も見ちゃいない公園で
鳥が鳴いている
どこへ行こうと言うのか
なみなみと注がれたビールは
配色の彼方に とりあえず
開始の合図は
いつからか鳥になってしまった

おーい、ここから触れないというのか

ドーナツは 初めから才色兼備
トリニダストリニタス
大きな声を上げて
飛び去ってしまった 鳥たちは
燃え盛る炎の中へ
今花魁は花咲くよう
幸福は何処にあるか
跳び箱を飛ぶことが いつまでも
夢だった

さよなら また来る日まで
いつでもここに座っていようと思う
さよなら 帰る日は
コンキスタドールの渡来
最後に何か言うとしたら そうだ

04/28/07:02:24

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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夜明けに

僕自身のことを書いたり、言葉遊びをしたりする日々です。積もるばかりの言葉もいつか直接伝えられる日が来ますように。

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投稿日:2020/05/03 22:26:56

文字数:800文字

カテゴリ:歌詞

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