目が覚めても、視界は真っ暗だった。


「…なんだ、ここは?」


よく見ると、周りが完全な暗闇ではないということがわかった。
うっすらと見える扉らしきものを殴ってみるが、拳に痛みが走るだけだ。

なんなのだ?理由がわからない。確かなことは…


この空間に、閉じ込められてしまったということだ。






<<13943号室>>






「気がついたか」


聞き覚えのある声が耳に届く。
声がしたほうを見ると、そこには見覚えのある顔が二つ。


「ここはどこなんだ?」


そう尋ねると、青髪の方が静かに言った。


「お前、俺たちがここに入れられた意味がわからないか」
「…」
「わからないみたいだな…『欲望塗れ 上っ面だけ』…」
「…?」
「ちょっとどいて…これは?」


俺が首を横に振ると、金髪の方が右手で銃の形をつくり、撃ったフリをして言った。


「『人間の 醜い 汚い 塊』…これで思い出せる?」


一瞬、俺の体に電流が走ったようだった。


「わかったみたいだね」
「みたいだな」
「あぁ。俺達は『VanaN'Ice』。そうだろう?」
「正解。きちんと思い出したようだな」


そう、俺は思い出した。
だから、今まで俺達がしてきたことも、全てわかる。


「この部屋…そうか、俺達は…捕まったんだな」
「しかもこの部屋…政府か何かがオレ達用に作った部屋、『13943号室』らしい」
「そうか…数字に意味はないだろうけど、脱出は不可能なんだろうなぁ」
「そういうこと。でも武器は奪われなかったんだよ」


そう言うと、金髪――レンは何かを床に置いた。


「こっちは、僕の飛びクナイとナイフ。ナイフのほうが一本行方不明です」
「捕まったときに落としたんだろ?」
「抵抗したときかもね。でも落としたのが一本だけでよかった」


まぁ、全て落とすよりはよっぽどいい。


「カイトの武器は?」
「拳銃と毒薬ね。毒薬一個なくなってるけど」
「なんの効果のやつ?」
「即効性の笑い薬」
「それ毒薬じゃないよな?」


むしろ落として正解なんじゃないのか?


「あと、がっくんの刀剣なんだけど…」
「俺の武器だけ奪われた?」
「いや、『よく手入れされてる。すばらしい』って」
「切れ味悪くなったら何も切れないから。っていうか、褒めるなら普通武器奪うよな?」
「新米だったし、バカだったんだよきっと」


言われてみれば、動きが新米ぽかったな。



……

…………

……………なんだろう、この沈黙。
まぁ、よく考えたら監獄にブチこまれてるわけだし。
あんまり、楽しい話ができるわけじゃないよな。


「…そういえばさ」


長い沈黙を破ったのは、レンだった。


「僕達、今まで悪いことをしてきたんだよね…」
「……昔から、そうだったよね。そういうふうに育てられた…」
「一番幸せだったのは、いつだったんだろうな」
「ねぇ、どうせだから昔の話でもしない?」
「そうだな、監獄でやることじゃないけど他にやることないもんな」
「反省会的な?」


なんか、捕まった後にする会話じゃなくなってきてるのは、気のせいだと思いたいな。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

13943号室【自己解釈】

解釈っていうよりはgdgd。
多分続く。

本家様http://www.nicovideo.jp/watch/sm17709319

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投稿日:2012/05/03 00:00:07

文字数:1,323文字

カテゴリ:小説

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