【オリジナルマスター】 ―Grasp― 第四話 【アキラ編】

投稿日:2009/09/28 16:34:13 | 文字数:3,920文字 | 閲覧数:144 | カテゴリ:小説

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マスターの設定で異様に盛り上がり、自作マスターの人気に作者が嫉妬し出す頃、
なんとコラボで書きませんかとお誘いが。コラボ相手の大物っぷりにぷるぷるしてます。

******

アキラ、久々にかいとくんとバトるの巻。

……って書くと、アキラとかいとくんの仲がわるいように見えますが、仲良しだよ。
でも、恋アプを経てのアキラとかいとくんの仲だとわかれば納得してもらえる
関係かと思います。我が家の舌戦担当、かいとくん。……こういうことばっかり
してるから、「かいとくん=実は賢い」説がもちあがるのか!
複数人に言われるからなんでかなーと思ってたんだ、そういうことか!(遅い

小春さんが買ったという某ゲーム、リアル世代としては食いつかざるを得ない。
けど、もういろいろ忘れてて涙目。ラプラスが金曜だったのは覚えてたけどね!

悠編では、なにやら先輩たちが酒盛りしているようです、こちらも是非!

******

白瀬悠さんの生みの親で、悠編を担当している桜宮小春さんのページはこちら!
http://piapro.jp/haru_nemu_202

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TEXT
 

オリジナルのマスターに力を入れすぎた結果、なんとコラボで書けることになった。
オリジナルマスターがメイン、というか、マスター(♂)×マスター(♀)です、新ジャンル!
そして、ところによりカイメイ風味です、苦手な方は注意!

コラボ相手は、かの純情物語師(つんばる命名)、桜宮小春さんです!
(つ´ω`)<ゆっくりしていってね!>(・ω・春)



******



『ねえ、もし悠と組むのが嫌なら、無理しなくていいのよ?』
「何をいまさら」
『もとはといえば私のわがままみたいなもんだし、もしつらいなら――』
「美憂先輩、私は降りる気ありませんよ」
『アキラちゃん……』
「うちのめーこさんとかいとくんが楽しみにしているし、もう乗り掛かった船ですから。悠サンがもう無理とか抜かしたときは、美憂先輩が一緒にやってくれればいい話ですし」
『……アキラちゃんってしたたかよねえ。ウチの悠もそれくらいの男気があればいいのに』
「なにより」
『ん?』
「こういう諍い――というか、摩擦があるのも、コラボの醍醐味だと思えば、たのしいものですよ」



―Grasp―
アキラ編 第四話



 そうして数分ほど美憂先輩と話をして、「あっやばっ休憩おわっちゃう」と言った先輩のひとことで、通話はあわただしく終了した。早口で美憂先輩に挨拶をすると、ほどなくぷーぷーと通話終了を示す音声が聞こえ、こちらも携帯のフリップを閉じた。ディスプレイの中で大人しくしていためーこさんとかいとくんは、相変わらずの呆れ顔だ。

「……そんな顔しないでくれるかな。ちゃんと反省していると言ったろう」
「マスターって、ほんとハルカさんの扱いひどいですよね」
「そんなつもりはないけどねえ」
「おれがいうのも難ですけど、いくらなんでも突き放しすぎじゃないですか?」

 私と悠サンの、洗面所での一連のやり取りについては、もうこのふたりには話してある。隠すようなことでもないし、おとうとくんにも聞かれていたやりとりだ。彼経由で話が広まるよりは、私に対するこのふたりの心証もいくぶんかよかろうと思ったのだ(が、どっちにしろ、心証が悪くなるのに変わりはなかったようだ)。

「突き放すとはちょっと違うだろう」
「同じです、体調のわるいひとを、そのまま放ってきたんですから」
「悠サンちにはメイコさんもおとうとくんもいるだろう、邪魔にならないように出てきたんだと思えば」
「人間にしかわからないことだってあるでしょう。それとマスター、さっきの話だと、邪魔にならないように、なんて、そんなつもりは微塵もなかったように聞こえましたよ」
「キミら、私を冷血だといいたいのかい」
「配慮がないのだといいたいのです!」

 だが、私とじかにやりあって――もとい、話し合って日の長いこのふたりである。要らない知識もつけて、日を追うごとに弁舌も達者になってきて、最近は相手をするのも面倒に思えるほどだ。相手の発言を覚えている記憶系も、機械の性能そのままに話すものだから、こちらとしては分が悪いことこの上ない。
 まったく誰がこんな風にしたんだいと言えば、あなたしかいないでしょうと速攻で返答がくるくらいには、相手も私の扱いを心得ているといったところか。
 あからさまに疲れた顔をしてみせるが、めーこさんの怒りを含んだ渋面は変わらない。

「マスター……」
「なんだいかいとくん」

 めーこさんの渋面とは少し違ったおもむきの渋面をつくったかいとくんが、ため息交じりに私を呼ぶ。なんだいと言ってはみたものの、殆ど話をする気は失せていた。なんだってもう、ウチのアプリはこうも理屈っぽくなってしまったかな、などと、明後日の方向に思考を飛ばしていたが、

「どうしてそう、ハルカさんとかかわるのが下手なんです?」

 かいとくんの言葉に、思考が明後日から舞い戻ってきた。思わずかいとくんの顔をまじまじと見る。その渋面の中にうかがえるのは、怒りでもなく、好奇でもなく、純粋な疑問だった。
 なんだ、なんといった。彼は。私が、なんだって?

「……どういうことだい?」
「訊いたままですよ。どうも、おれの印象では、マスターはハルカさんとだけは、かかわりをもつのがヘタクソです」
「何と比較しているんだい。キミらと比べているのならお門違いだよ」
「おれらがマスターの比較対象になるわけないじゃないですか」

 じわりと、手に嫌な汗がにじんだ。落ち着け、私。何を動揺している。
 落ち着いてかいとくんの話を聞くんだ。そのうえで、きちんと反論してやらないと――反論してやらないと、なんだというのだ。

「マスターのお友達とか、ミユウ先輩とか、そういう人たちへの対応と、ハルカさんへの対応が、質の違うものみたいに見えるんですけれど」
「そりゃあ、女性と男性では扱い方も違うよ、私は。とくに女尊男卑というわけではないけれどね」
「でも、マスターの弟さんの扱いと、ハルカさんの扱いも全然……」
「悠サンは、家族じゃないだろう。家族と他人の扱いは違うだろう?」

 冷静に反論しているつもりになりながら、なんとか、ディスプレイの中から見える範囲に焦りが滲まないように、細心の注意を払う自分に気がついた。
 なぜだ。動揺している? この私が? かいとくんごときに? ――いや、かいとくんに動揺させられたことなら、以前もあっただろうが。この子は侮れない奴だと、思ったじゃないか。
 ――なのに、なぜ相手を貶めて考えなければ、まともな思考が成立しないところまで焦っている!
 やりとりをしているかいとくんも、今は静観しているめーこさんも、私が動揺していることには気づいていないみたいだ。そう思ったのもつかの間。

「それにしても、マスターはハルカさんに、必要以上近づかないようにしているような印象を受けます」

 かいとくんのその言葉は、とどめとも言える一撃だった。

「――ばかばかしい。かいとくんの主観だろう。私はそんなつもりはない、よ」
「でも……」
「これ以上論を重ねるのはむだ。少し寝てくる」
「マス……!」

 ばちん、と、半ば強引にノートパソコンを閉じて、スリープモードにした(ノートパソコンはふたを閉じれば勝手にスリープモードになってくれるから、余計な操作がいらなくてらくだ、と思う)。

「……避けられているのは、こちらの方だよ」

 誰も聞いていないことをいいことに、漏れた言葉は弱弱しかった。
 彼は頼りにならない先輩で、私は彼にとって生意気な後輩のはずだ。それ以上でもそれ以下でもない。好かれているつもりもないが、嫌われているつもりもない。それでいい、それがいい。
 なのに、なんだと? 『かかわるのが下手』? 『対応が違う』? 
 ばかばかしい。ひととのかかわりに、上手も下手もないだろう。そこに悪意があれば褒められたことではないが、個人によって対応が違うのはあたりまえだ、そんなの自然なことだろう。
 ああ、でも――

(『必要以上近づかないようにしている』は、正しいかもしれないな)

 ぼん、と、ベッドに身を投げた。そろそろ厚い布団も出さなければな、と思いながら、掛け布団に顔を埋める。

(必要なだけの距離を保つというのは、むずかしいことだ)

 近すぎてはいけない。けれど、離れすぎてもいけない。おとこのひとなら、なおさらだ。
 おとこのひとは、信用ならない。近づけば近づくほど、化けの皮が剥がれていく。女の子みたいに、かんたんに激昂したりかんたんに泣いたりしないからこそ、恐ろしい。それ以外の表現方法で、裏面が見える。
 私が見たくなかった、と、思ってしまうような腹の底が――きっと、あのひとにも。
 ずきり、と、下腹が痛んだ。

 たとえば「世の中の誰もがそうだというわけではない」というある事象がある。しかし、それしか経験していない者にとっては「もしかして世の中の誰もがこうなのではないか」と思わせるに足る、衝撃的な事象というものも存在する。
 私が経験したあの出来事は、おそらく前者だったはずだ。だが、それしか知らない私は、おそらく後者の呪縛にとらわれているんだ。
 わかっているけれど、この腹の痛みが消えないのは、そういうことなんだろう。


 目が覚めると、時計の針が思った以上に進んでいた。ほんのひと眠り、のつもりだったのだが、予想以上に寝過ぎてしまったらしい。
 もそもそと起きだして、パソコンをひらくと、スリープモードから解除されたディスプレイに、めーこさんが顔を出した。かいとくんは自力で帰ったのだろうか(まあ、待っていてとも、帰るなとも言っていないので、よしとしよう)。

「……おはようございます、メールがきているみたいですよ」
「ん、わかった、ありがとう」

 メールボックスを開いて、その送り主の名前に一瞬手が止まった。

「マスター……」

 めーこさんが心配そうにこちらを見ているが、「だいじょうぶだよ」とひとこと告げて、内容を確認する。とにかく、返信の画面を作成しなければ。

「まったく、かいとくんは鋭いね。痛いところを突いてくる」
「マスター。白瀬さんは、マスターが考えるようなひとじゃないですよ」
「うん、そうかもしれない。でもね、めーこさん」

 いつもどおりあっさりした、用件だけのメールが、できた。

「……私が臆病者なのは、めーこさんが一番よく知っているだろう」

 いつもどおりのメールが、なにか味気ないものに見えたけれど、そのまま送信した。

つんばるといいます。世の中のすみっこでしがないモノカキやってます。
MEIKOがすきです。KAITOがすきです。カイメイがすきです。

写真素材はサイズ・色調その他、改変自由のフリー素材です。お好きにどうぞ。
なにかが誰かの琴線に触れたらさいわいです。

⇒ブログ:http://phantomlake.blog58.fc2.com/
⇒メール:croak-crash【あっとまーく】hotmail.co.jp

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