残酷な物語を知っている君は
　今宵もまた美しく舞い続ける・・・


始まったものを諦めようなんて
そんな情けないことしたくない
せめてすべてを終わらせてから
ただ静かに諦めていくんだ

何もないように真っ暗なこの場所
そこに映る一粒の光に僕は手を伸ばした・・・


残酷な物語を知っている君は
今宵もまた美しく舞い続ける・・・
そんな君を手の中にそっとしまいこんで
僕は君を籠の中に閉じ込めた・・・・

終わったことに未練なんて
そんなものは残してはいかない
未練が残るようなものは
はじめからしなければいいんだ

何もなかった真っ暗なこの場所
籠の中の一粒の光に僕は手を伸ばした

ヒラヒラと舞いよるは美しい蝶
籠の中で足掻く姿も輝いていた
罠に嵌り美しき蝶はもがく
その輝きを忘れずに永遠に・・・


逃げる事など不可能と知らずに
麗しい模様の施された羽をただ徒に動かし続ける
素足で歩むのはいばらの道
一輪の薔薇をつんで君へ贈ろうか・・・・
漆黒の黒薔薇を・・・・


残酷な物語を知っている君は
今宵も籠の中で舞い続ける
そんな君の傍に黒薔薇をおいた
君と同じ黒い色の薔薇を・・・

残酷な物語を知ったこの僕が
今宵君の目の前で生き絶える
君をこれほどにまで苦しめた僕は
一体どこへいけるのだろうか・・・