＃３２「予測とテト」




前回のあらすじ

グミさんが、【やっぱり】迷子に……

どうやら、外に出て行ったらしい……

私とカイトさん、がくぽさん、リリィさんの四人で彼女を探すことになった





「じゃ、僕はあっちを探すよ。がくぽはそっちを頼む。」

「承知した」


カイトさんが仕切ってくれる


「暗くなってきて、女の子が一人でいるのは危ないから、テトさんとリリィさんは一緒に行動でいいよね？」

「はい！」


私とリリィさんは、カイトさんの意見に素直に従った

リリィさんも、ミクさん達が周りにいないので、真面目な状態に戻っている


「じゃぁ、なにかあったら連絡して！みんな、気をつけて！」


カイトさんが、そういうとカイトさん、がくぽさんがそれぞれ散っていった


ちょっと、意外だったカイトさんの真剣な表情や行動力……少し、メイコさんの気持ちがわかった気がした







「テトさん。カイトさんには、メイコさんがいるから駄目ですよ？」


私の考えを見透かしたかのようにリリィさんがそういった


「わ、わかってますよ！別にそんなじゃないです！」


むきになって、否定する


「ふふ、すみません。でも、私も少し気持ちわかります」


それはどういう意味なのだろうか……




「さ！あの手のかかる幼馴染みを探しましょう！」


リリィさんは、手をパチンと叩いて気合を入れていた

さきほど家を出る前、グミさんの携帯に連絡を入れたが、その携帯がリビングに落ちていた

つまり、連絡を取る手段がないので、自力で探すしかない




「リリィさん、思い当たる場所とかってないんですか？」

「う～ん……グミは思いつきで行動するから……」


要するに、あては無しか……



「……あの、確証はないんですけど、ついてきてもらえますか？」


リリィさんがどこか別の場所を向きながらそういった

私は他に策も何もなかったので、黙って頷いた



















私たちは街が一望できる高台にやってきた

このあたりでは一番高い場所……

辺りには小さな東屋と少しばかりの街灯……すでに辺りは真っ暗

目下には、街の光がキラキラと輝いていた


「……ここにグミさんがいるんですか？」

「わかりません……けど、なんとなく……グミならこういうところに来るかなって……」


私たちは辺りを見渡した

しかし、辺りが暗くて、そこまで視界がよくない


「グミは自分が迷子という認識がありません」


うん……それが厄介だと思う


「となると、彼女は、私たちを探そうとするわけです」


なるほど……彼女の場合、それでさらに迷子になると


「つまり、辺りを見渡しやすい場所や、高い場所にグミがいる可能性が一番高いわけです」


す、すごい……この人は、本当にあの目がハートになっていた人と同一人物なのだろうか