【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#08】

投稿日:2009/09/01 21:41:34 | 文字数:3,525文字 | 閲覧数:196 | カテゴリ:小説

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かいとぉぉぉ!と叫んだ人がいたら握手してください。←
頑張るんだぞ、かいと。めーちゃんも頑張ってるんだ。

とりあえず、復帰しました。って言いたい。
・・・パソコンのデータぶっ飛びましたゲフン。
多分そのうちraison d’etreの方でもそのようなことを言うと思います。
つんばるさんには迷惑かけてしまって申し訳ないと思いつつ、今こうして書いてる所存です。
まだ微妙にテンション低いのですが、なくなったもの以上のものが書けたらいいなとやる気だけはあります!というわけで改めて頑張るので最後までお付き合いいただければと思います。

つんばるさんが手がけた紅猫編もよろしくお願いします!

+++

「紅猫編」を書いているコラボ主犯
つんばるさんのページはこちら → http://piapro.jp/thmbal

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TEXT
 

!!!Attention!!!
この度、ボス走らず急いで歩いてきて僕らを助けてPの「野良犬疾走日和」を、コラボ(二人)で書くことになりました。
自分が書く「青犬編」とつんばるさんの書く「紅猫編」に分かれております。
原作者様には全く関係なく、そして勝手な解釈もいいところで、捏造だろうと思われる部分もあると思います。
そういった解釈が苦手な方はブラウザバック推奨。
なお、カイメイ要素を含みますので、その点にもご注意ください。

大丈夫だよ!寧ろバッチ来い!の方はスクロールで本編へどうぞ。








【独自解釈】 野良犬疾走日和 【青犬編#08】





 車輪の跡は途中で途切れて、それでも走り続けていた俺の体力が尽きたのは、随分走った後で・・・立ち止まったその場所には、見覚えのない風景がそこにあった。
 失望に打ちのめされていて、それから気付いたら俺は自分のいた街に戻っていた。
 道中、俺が何を見てどうやって道を選んで歩いていたのかは記憶にない。そんな中、街に帰ってきたとわかったのは、例の明るい髪の双子が俺に駆け寄ってきて声をかけてきたからだった。
「あんちゃんっ・・・!」
「にぃにぃっ・・・!」
 ほとんど同時の、同じ意味を持つ違った愛称。顔を上げると心配そうな双子が俺を見上げていた。
 それから・・・どうしたんだろうか。
 何か聞かれたと思うが、何も言わずに出てきてしまったかもしれないし、失意のまま胸の苦しみを吐き出していたかもしれない。とにかく気が付いたら、もう自分の家で、何も口にせず一睡もしないまま朝になっていた。

「――あんちゃんっ!」
 れんくんの呼びかけにはっとしたのは、もう昼下がりだった。
 視界いっぱいにりんちゃんの顔があって、目を見開く。我に返った瞬間に足に重みを感じたのは、その足の上にりんちゃんが跨っていたからだったらしい。
「え、な、何?」
 つぶらな瞳に見つめられて思わず視線を逸らすと、その先にも同じ色の瞳があって今度は目を逸らせなかった。どっちを見ても責めるようなその視線にぶつかる。しかもそれはどちらもどこか悲痛な色を湛えていて、何だか自分の心の中を見せられているようで息が詰まった。
「めいこさんに」
「会えなかったの?」
 その言葉は、尋ねているはずなのに、もう答えを確信しているものだった。ただただ、辛い色を隠せない声。
 否定してほしいがために言ったようなその声色に、俺は目を伏せて息を一つ吐く。知らず知らずのうちに痛いぐらい自分の手を握り締めていた。
「・・・昔は、大人になればすぐにめいこを迎えに行けると思ってたんだ」
 大した保障もないのにそんな未来を信じていて、疑いもしなかった。一体、あの時の俺はどこへ行ってしまったんだろう。
 何故、れんくんとりんちゃんにめいこが俺に会いにきていると聞いた瞬間、会いに行こうと思えなかったんだろう。何故、自分のことばかり考えてしまったんだろう。
 二人は黙り込んでそれぞれ俺の目の前に座った。その表情を見ると今にも泣き出してしまいそうだったから、あえて目を閉じたまま喋る。
「実際は、大人になればなるほど周りが見えてきて、めいこの家のこととか、俺と彼女の差っていうものが高い壁になって聳え立っていて・・・不安になった」
 何を子どもに話しているんだろう、と思いながらも喋り出したものは止まらない。
 子どもの時には言えた言葉も、今では躊躇する。子どもの時平気にできたことも、今ではできなくなってる自分がいた。
「自分のことばかり考えて、めいこの想いなんて・・・考えてなかった」
 もう少し早く走り出していたなら、追いつけていたのかもしれないのに。
 自分でも驚くほど淡々とした声で付け足して、握り締めていた手を解いた。
 目を開いてぎょっとしてしまったのは、二人の目から大粒の涙がいくつも零れ落ちていたからだ。
「う、うあぁっ・・・」
「べ、別に悲しくて泣いてるんじゃっ・・・」
 声を上げて泣き出すりんちゃんを見ていると悲しくなってしまったのか、れんくんは強がってそう言いながらも同じように涙をぼろぼろと零していく。俺が流せない涙を、いつも元気で笑っているはずの明るい二人が流してくれているのかと思うと、二人がとてもかけがえのないものに思えた。
 両腕を開いて、できるだけ優しく、そして苦しくない程度にぎゅっと二人を一緒に抱きしめる。
「ごめん・・・ありがとう」
「にぃにぃのばかぁ・・・っ!」
「あんちゃんのあほぉ・・・っ!」
 緊張の糸が途切れたように声を上げて、泣きじゃくる二人の背中を軽く叩いて、あやしながら鼻をすすった。視界が歪むのは気のせいだと言い聞かせて、手に力を込める。
 でも、抱きしめた双子の温度が俺の冷たくなった何かを温めてくれているようで、目頭はどんどん熱くなった。

 泣き止んだ二人は鼻をすすりながら、「元気出せ!」「元気出して!」と俺に声をかけて仕事に戻っていった。元気を出すのはそっちだろ、なんて手を振ってそれに応えたはいいが、もちろんすぐに立ち直れるわけもない。
 二人の話によれば、紫の男とやらに蹴られてケガをしたしぐれは、めいこに任せたらしい。それは構わないが、大切なものを二つとも同じ男に連れ去られてしまったようで、俺はどうにも無気力な気分だった。
 今こうしている時も何をしているのか飛び飛びにしか把握できないのは、俺が頭の中でめいこのことばかり考えているからだとわかっている。今更会いたいと思ってる自分に嘲笑しているだけで、気が付けば日は暮れていた。
 どうやって配ったのかは全く覚えてないが、配達する予定だった荷物はなくなっていて、無意識で仕事ができるほど染み付いているのに、何故最終目的であるめいこに対してはすぐに素直になれなかったんだろうと思うと、また笑えてしまう。
 家に帰っても、玄関に倒れるように横になって、暫くは目を閉じて何も考えないようにしていた。そうしなければ、頭が割れそうだった。
「めいこ・・・めいこ・・・」
 まるで子どものようにその背中を捜して手を伸ばすのに、結局何も掴めない。今回も、天井に伸ばした手は何も掴めずに体の横に投げ出した。
「しぐれと・・・上手くやってるかな・・・」
 そんなこと本気で思ってもいないのに、言葉が勝手に出てくる。
 犬も猫も好きなめいこのことだから、連れて行ったと言うなら可愛がってくれているに違いない。それに、俺のところにいるより良いものを食べさせてもらえるし、居心地だって・・・。
 考えていると頭の中に笑っているめいことはしゃいでいるしぐれが見えて、それを傍で見ている微笑みを浮かべた紫の髪の男が――
 ――ダンッ!
 思いのほか大きな音だった。
 今俺の表情はどうなっている?
 多分、嫉妬に狂った男の醜い顔をしているんじゃないか。
 床に打ち付けた手がびりびりと振動と痛みをじんわりと伝えてくる。
 想像でしかないその男に嫉妬するなんて、どうかしている。今までこんなことはなかったのに。
 手の届くところにいためいこに触れられなかったことが、自分で思うよりも自分を打ちのめしていたらしい。
「・・・おばあちゃんに言われてたのに・・・」
 つまらない自尊心なんて捨ててしまえば良かった。こうして後悔してはじめて気付かされる自分の愚かさ。
 いや、こうやって自尊心を守るために必死になってるのは、多分男だけだろう。
 女の人は、いざとなったら自分のことなんか簡単に犠牲にできてしまう。それに、女の人の方が中の痛みに強い。男は、身体的には明らかに女の人よりもしっかりしていて、外からの痛みには強くても、中からの痛みには弱い。自分を守るため、小さな自尊心にしがみ付いて、結果・・・大事なものを手放す。
「愚かな生き物だよ・・・そう思わない?・・・めいこ」
 ため息と一緒に吐き出した問いは、起き上がって歩き出す俺の足音に消えた。
 考えていることをいちいち中断して行動しなければまた記憶が飛んでしまいそうで怖い。ほんの少し考えるだけで、何時間も時間が経って、気付かないうちに一人で年をとっていってしまいそうで。
 風呂場へとそのまま向かい、狭い脱衣所に鞄を落とす。
 水が溜まったままの浴槽。桶で水をすくい、頭からかぶる。服はずぶ濡れになっていたが、それでも構わなかった。少しすっきりして、その場でようやく服を脱ぎにかかる。
 使いすぎて焼ききれそうな思考回路が一気に冷やされた気がして、少しだけ楽になった気がした。




思いついたことをマイペースに書いていけたらいいなぁと思っている暇人。



2012
~1/ 3  ツギハギだらけの今(完結・全9話+α)

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作品へのコメント2

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    その他

    >にゃん子様
    こんばんは、にゃん子様。早速ですが、握手しましょう!いえ、寧ろしてくだs(ry

    ほほぉ、なるほどですね。解釈ありがとうございます。
    お金ためなきゃってことだけで目的にまで目が行ってない感じはしてましたよね。
    間違い、正しいなんてことはないので、考え聞かせていただけるとすごく喜びます。わっふー!

    本当にデータ吹っ飛んで泣きました。マジ泣きなんて何年ぶりだよ!←
    更新ペース守らないと続けていけない気がするので頑張ってみました。

    こっちより断然主線な紅猫編へ行ってらっしゃいませ!
    あっちではぜひとも「めぇちゃぁぁぁっ!」と叫んでいただきたいですっ!(何か言い出した

    2009/09/01 23:38:03 From  +KK

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    ご意見・感想

    か、かああいとおおおおおおぉぉぉぉぉうおおおおおぉぉぉぉぉ!!(´;ω;`)ぶわわっ
    …というわけで+KKさん握手お願いs(ry

    きっと今まではめいこを迎えに行くことに現実味というか実感が湧かなかったんじゃなかろうか、なんて思ってみたり。
    まかりなりにも距離が(一時的にでも)近づいたことによってふわふわした存在だっためーちゃんがすっと地に足のついた現実の女性になった…てところでしょうか?ぜんぜん違かったらごめんなさいです(^^;

    データ飛ぶと泣きたくなりますよね。苦労して書いたものが一瞬にしてパーとか何という仕打ち。それでもあまり間を空けずにあげて下さる+KKさんには恐れ入ります…!

    それでは紅猫編に行ってまいります!

    2009/09/01 23:23:11 From  望月薫

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