羽根を生やした
真っ赤な戦車が
血深泥引き連れ
キャタピラ廻す
こびりついた過去は
剥がれ落ちなくて
のたうち回って
泣きながら
恋人の様にきつくきつく
抱き締めながら
眠るしかない
疾走れ疾走れと
キャタピラ廻す
ダンボール製の
真っ赤な戦車
破れかぶれの
踏んだり蹴ったり
蹴った小石が
額に当たる
あんたの所為だと
呟いた先は
唯の鏡で自分の顔で
俺の所為かと
呟く頃には
どういう理由(わけ)だか
視界が歪む
真っ赤な戦車は
緑色だったんだ
覚えはないけど
確かそうだった気がする
羽根を生やした
真っ赤な戦車が
血深泥引き連れ
キャタピラ廻す
流れ出す現在(いま)は
止められなくて
のたうち回って
泣きながら
我が子の様に強く強く
抱き締めながら
眠るしかない
疾走れ疾走れと
キャタピラ廻す
ダンボール製の
真っ赤な戦車
破れかぶれの
踏んだり蹴ったり
蹴った小石は
未来に当たる
誰の所為かと
探した先は
真っ暗闇で何にも無くて
誰の所為でも
ないかもしれない
気付く頃までには
間に合っててくれ
真っ赤な戦車は
土色してたんだ
真実(ほんとう)は
土色の戦車だった
思い出したんだ
真実(ほんとう)なんだ
羽根を生やした
真っ赤な戦車が
血深泥引き連れ
キャタピラ廻す
土色の紙を
剥がした先に
待っている色
誰も識(し)らない
羽根を生やした
真っ赤な戦車が
血深泥引き連れ
キャタピラ廻す
戦車は羽ばたき
何処へ向かうのか
その瞬間すら
誰も識(し)らない
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