蛇神様は人の子を愛する12

投稿者: usericonエリーさん

投稿日:2020/09/05 00:56:00 | 文字数:1,345文字 | 閲覧数:18 | カテゴリ:その他

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「どうにかここから出ることできないかしら・・・」
青い空間の中をひたすら彷徨いながらなぎさは呟いた。
この空間には終わりも始まりもないような感じがして不気味だとなぎさは思った。
まるで出口のない鳥籠のようだ。
「どのくらい歩いたかしら・・・景色も一向に変わらないし・・・」
「大人しくしておいてって言ったよね?」
目の前には紗良が立っていた。
(気配がなかったから気づかなかったわ)
「ここから出して」
なぎさは震える声で紗良に訴えた。
しかし、紗良は首を横に振り駄目だと意思表示をした。
「そうそう、麗様は今必死になぎさのことを探しているよ」
「それなら早く麗のもとに帰らせて」
(やっぱり探してくれたんだ・・・)
少しなぎさは安心した。
「嫌だよ。今回は譲りたくない」
笑顔でそう言われなぎさは戸惑った。

「言ったよね?僕もなぎさが好きだって」
「紗良が好きなのは”ゆかり”なんじゃないの!?」
「・・・どうしてそう思うの?」
紗良の纏う空気がピリッとしたものに変わった。
なぎさは言葉を続けた。
「紗良を助けたのは”ゆかり”だからよ」
ダンっと耳の横ですごい音が聞こえた。
紗良が空間の壁を殴った音だった。
「違う!同じ魂なんだから”ゆかり”もなぎさも同一人物だ」
「・・・」
(多分何を言っても聞いてくれそうにないな・・・これ以上は話にならないかな)
紗良はなぎさに腕を伸ばして強く抱きしめた。
ぞくっとしたなぎさは身を捩って抵抗したが男性に力では敵わない。
「や・・・嫌!放して」
「そういえばまだ麗様の”嫁”になってないんだよね」
首筋にぬるりとした感触が伝う。
それに嫌悪感を抱いてなぎさはさらに抵抗した。
「僕と契りをかわそう。そうすれば永遠に二人だけの世界だよ」
「ち、契り?」
「わからなくてもいいよじっとしていてくれればいい」
紗良は言いながらなぎさの着物をほどいていく。
押し倒されているので抵抗してもびくともしなかった。
「こんなに痕をつけて・・・独占欲の塊だね。麗様は」
くすくすと笑い、手を止めてはくれない。
その時だった。
傷だらけになった麗が空間を切り開いて入ってきた。
「そこまでだ。桜の精霊!」
パッとなぎさの体から離れ紗良は言った。
「意外と早かったね。もう少しでなぎさが手に入るところだったのにな」
残念そうに紗良がつぶやくとなぎさの拘束を解いた。
なぎさは乱れた着物姿のまま麗のところまで走った。
「この傷は!?どうしたんですか!?」
「・・・そんなことより着物を正せ。目のやり場に困る」
麗らしい言葉に思わずなぎさは笑みがこぼれた。
「やっぱり千年前と同じように麗様を選ぶんだね」
俯き呟いた。
「お前は”ゆかり”が好きだったんだろう?」
「なぎさも好きだ」
「・・・ごめんなさい、私は麗が好きなの」
なぎさが二人の間に入りはっきりと言った。
「今回は退くけど、次は退かないからね」
紗良はそう言い残し青い空間と共に消えていった。

気が付く泉の前だった。
「なぎさ、無事でよかった」
「・・・うん」

血まみれで着物も破れている麗の姿がとても痛々しく、なぎさの瞳に映った。
(あの話はまた後でした方がいいよね)
今は社に帰ることを優先した。

コラボにいらしてくださった方ありがとうございます。
初めてコラボ立ち上げます。
宜しくお願いします。
最終的にはニコニコ動画やYouTubeへのアップを目指しています。

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