ちょいと 手招きゃ おでまし 護衛 気取りの「飼い犬」
詰め襟すがたの軍服を 高下駄で見下ろす
はっと 振り向きゃ 一大事 楼主の遣り手が 追って来た
御前の背中で猫被り 鼠の始末は任せるわ
主(ぬし)の盾になる 手袋の白
初心(うぶ)な香りを脱ぎ捨て 月夜に踊れ
客も楼主も もう いないから
見栄っ張りな愛で からっきしな欲で
せめぎあう御前の恋心
気取ってないでさ 敬礼をする手は後ろに回せ
魅せてあげるわ
欲しがりなくせに 意地っ張りな瞳
素直じゃないから 待ての一言
惚れた弱みにつけ込む遊び女(め)
今宵 牡丹は咲かず
ちょいと はだけた着物に わざと見せつけ 胸元
紅 染めるは 固い頬 禁欲に忠実ね
ふっと流し目 合図に 存じないふりの御前は
命じられなけりゃ動かない 嫌いじゃないけど たまにはね
熱な眼差しで 迫ってみせて
舌の求めるところをなぞってみせて
野暮な遊技などはいらないわ
仮初めの欲で 崖っぷちの理性
我慢もできずに落とした涙
何十回目の誘惑に泣く甘い躊躇いが 胸を乱した
押っ取り刀で ねだったの接吻(くちづけ)
惑いを捨て切った 男が迫る
惚れた弱みにつけ込む遊び女(め) 今宵 月よ 紅く染まれよ
牡丹の花を飲み込めば 幾度となく愛して
軍服すがたと遊び女
軍人に愛された遊女のお話。
歌詞募集(http://piapro.jp/t/S1tD)に応募させていただいた歌詞です。
元は応募用ですが、よろしければお使いください!前バージョンにひらがなの譜割りをおいています。
ー語句などの解説ー
1A「楼主」
→遊郭のオーナー
1A「猫被り 鼠の始末は任せるわ」
→猫が遊女、鼠が楼主の遣り手
1B「主(ぬし)の盾になる 手袋の白」
→飼い主の【主】と遊女の一人称【ぬし】の掛詞
LS「押っ取り刀」
→刀を取る暇もないほど急いで行動すること
LS「牡丹の花を飲み込めば」
→昔、牡丹は避妊薬として用いられていた
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