夜中の二時を告げる古びた時計
あれはあなたのものだったわね
つい最近まで
私が無理を言ってあなたからもらったの
あなたのあのときの目
わたしを恨むような瞳の奥底
わたしはとてもとても感じてしまっていたわ
全てを求める私
歯止めはきかない
私の欲求を妨害するものは
容赦なくたたきつぶす
狂おしいあなたの目玉
視神経はいまだにぶら下がり
私はそこに舌を這わすの
唾液が垂れる
それはまるで涙のよう
瞳孔にそっと触れる
あなたのあの時の瞳の記憶が蘇る
時計の針は断末魔を誘発させる
午前三時の鐘が鳴る
醜く老いていくあなた
それをわたしは直視できないと感じたの
だから氷漬けにして閉じ込めるしかなかった
そんなに恨みがましい目で見つめないで
わたしは悪くない
でもその瞳がわたしをゾクゾクさせるのは間違ないの
首をかき切り血を抜く
凍て付く真冬の寒さ
湯気をたて流れる血と
じわりじわりと溶ける雪
四肢切断ののちに残骸焼却
あなたの腕は残しておこう
さみしい夜にわたしが慰めるために…
愛しいあなたの目玉
視神経を噛み千切る
舌の上に転がる嫌悪と絶望の味
垂れ流れる唾液と経血でカクテルを
瞳孔をすりつぶし
全て飲み干すと
あなたの最期の記憶が見える気がしてきた
わたしはあなたの一部
あなたはわたしの一部
冷たいあなたの手
わたしの手と重なる
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