目抜き通りの記号はチカチカ
遊歩者たちの声は響(どよ)もし
商品のような人々が見る   
人々のような商品

「何かを持てる可能性」を持つ 
ために今は何も持たないさ 
「世界は理解できる」なんてこと
てんで理解できないから   


深層に辿り着くことなく
今、ここにあるのは差異だけ
新しさが並ぶ陳列棚(ショーケース)
古都の郊外に無数の月
本当に新しいものは無価値の似姿で生まれる

円らかな目 残灯が沁みて
閉(ふた)ぎ輪郭が滲む
目の前にある形でない
ことだけは分かるけれども
どんな形かまでは分からない
そんな明日を探す          
       
まるまる太り肉の道化師(アルルカン)
痩せぎすな荷馬を従えて 
広場で騒(ぞめ)く会話の中から 
その主語を盗み歩いた

真相に辿り着くことなく
ここあるのは解釈だけ
予告だけが映る映写幕(スクリーン) 
意味の亡骸を拾うルンペン
「「「夢」の中の私の夢」の中の私の夢」の中……

煌らかな手から零れる蜜が 
夜に絵模様を描く
自分の自分でない部分に
届かない手紙を出す
さあ、意図の外へ 
見本通りならそれは失敗だ

自己を守れ "とうそう"せよ?
闘争or逃走(どちら)を採っても主体などない
「選びたかった」ピースはないから
「選ぶしかなかった」ピースだけだ

部分を全部集めても、それは決して全体にならず
「間違いはどちらか?」という問いを間違いとして
「正解は無い」を正解として、世界の辺境まで来た  

尽きせぬ色、古い幻灯機
朧気な像を結ぶ
一色に混ざることなく
沢山の色のまま光れ

私の喜びが私"達"の喜びとなることなど
もうないから、だから行かなくちゃ
ここから違う道を進み 
やがて同じ場所で
いつか会うための訣別だ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ファンタスマゴリー市街

歌詞

閲覧数:2,338

投稿日:2020/03/18 19:52:12

文字数:764文字

カテゴリ:歌詞

ブクマつながり

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