玩具屋カイくんの販売日誌(159) デビちゃん、売り出し作戦開始 ~その4。
投稿日:2012/06/24 17:45:39 | 文字数:1,384文字 | 閲覧数:63 | カテゴリ:小説
バイトの道は険し。商売の道もけがれなく遠し…ですね。
「かわいいわねー、このワンちゃん。それと、こちらも…キモかわいいわね」
テトさんが、小物をのぞき込んでつぶやく。
「そうですかぁ、えへへ」「どうも、ありがとうございます」
嬉しそうに答えるのは、作品を作った、ぱみゅちゃんとレイムさんだ。
「ギャラリー・ゆうひ」で開かれている個展「レイム&パム 作品展」の会場。
日曜日の午後に、ここを訪れているのは、テトさんと、ルカさんの2人連れだ。
アクセサリーが好きな彼女たちは、楽しそうに、ガラスと粘土(クレイ)でできた作品に見入っている。
雑貨デザイナーのテトさんと、企業で商品開発をしているルカさん。
2人は仲良しで、ときどき一緒に買い物をしたり、こうして展示会をのぞいたりする。
●ヒット商品に負けないぞ!
「ホントにいろんな個性があって、楽しいよね。粘土(クレイ)の作品は、どちらが作るの?」
飽きずに作品を見ていたテトさんは、感心したように言う。
「はい、粘土は私が…。ガラスの造形は、このぱみゅちゃんがしています」
レイムさんは、テトさんのそばに来て答える。
「ステキね。うちの会社でも、いっしょにお仕事できたらいいと思います」
そばで聞いていた、ルカさんが微笑んで言った。
「ほんとですか?」
ぱみゅちゃんが、目を輝かせる。
「それは、いいわね。いま、ルカちゃんのとこでは、新しい作品をいろいろ探してるものね」
テトさんは、言った。
「大ヒットしてるメグ・ハミングの雑貨も、ルカちゃんの企画で始まったのよ」
「へえ、すごいなあ」
ぱみゅちゃんと、レイムさんは顔を見合わせる。
「大ヒットなんて。たまたま当たっちゃっただけよ」
謙遜して、ルカさんが手を振った。
「そういえば、テトさんのところのドール。発売になったんですって?楽しみだなあ」
ルカさんの言葉に、テトさんはうなずく。
「うん、そうなんだ。いまね、いろんなお店で、発売のキャンペーンをしてもらってるんだ」
テトさんは笑って言った。
「メグ・ハミングにも、負けないぞー」
●恥ずかしいと思えば、恥ずかしい?
その頃。
お茶の水の雑貨店「ゆっくり」をめざして歩いている、2人連れがいた。
リンちゃんと、モモちゃんだ。
ちょっと前から、雑貨店巡りが好きになった高校生のリンちゃん。
双子の兄が、バイトをしているお店に行ってみたいと、かねてから思っていた。
そこで、休みの日にモモちゃんを誘ってみたのだ。
めざすお店に近づいていくと、何やら店の中で、やりとりをする声が聞こえる。
「やっぱり、いやですよー」
なんだか、せっぱつまった声だった。
「平気、へいきー。恥ずかしいと思えばー、恥ずかしくなるのよー」
のんびりと、諭すような声も聞こえた。
「あれ、お兄ちゃん!?」
リンちゃんは、声をあげかけた。
お店の入り口に、兄のレンくんの姿が見えたように思ったからだ。
でも、それはすぐに引っ込んでしまった。
「何?いまの」
横を歩いていたモモちゃんが、不安そうにリンちゃんに言う。
「なんだろう。レン兄ちゃんかと思ったんだけど…」
リンちゃんは、眉間にしわを寄せて、お店の中をのぞきこんだ。
モモちゃんがつぶやいた」。
「…なんか、天使のかっこうをした人、みたいだったわよね」=( ・_・;)⇒
作品へのコメント1
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ご意見・感想
今晩は! 早速拝読させて頂きました。
前半は、凄く、”同業者さん達の間のお話”な感じで、
『こんな感じでオシゴトのお話をしているのかも』
って、勉強になりました。雑貨のお仕事は、デザインやアートにも勿論ですが関わっているんですね。
そして後半は、レン君の受難ですね。私の所でも巫女にされたりしたレンくん。男の子は大変です…。
女の子、例えばリンちゃんだと、曖昧な返事はせず、嫌だったら、
『嫌です』
ってはっきりと断っちゃいますよね。
今回も楽しいお話、有り難うございました。
ではでは~♪2012/06/24 19:21:52 From enarin
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メッセージのお返し
こんばんは。メッセージありがとうございます!
そうですね、雑貨の仕事の人は、ここにいけば面白いものに会える、みたいな、
コツを知ってることが多いですよ。
その点は、ネットの世界とも同じですね?。
へえ、レンくんが巫女さんになる話も書かれてるんですか。
ちょっと楽しそうですね!
あとで、読ませていただきますね。楽しみです!
それでは、また。2012/06/24 21:55:12
tamaonion
オススメ作品10/28
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雑貨の仕事をしてます。
キャラクター雑貨がらみで、キャラクターも好きです。
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