【超自己解釈】人柱アリス【二番目】

投稿日:2009/11/08 16:06:37 | 文字数:1,936文字 | 閲覧数:1,399 | カテゴリ:小説

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にょろーん。

遅くなりました。二番目アリスです。
絵本口調目指したけど見事に玉砕しましたお!^q^

なんかもう、全力でサーセン;次三番目ですね。頑張ります(((

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TEXT
 

「あれ・・・・・?」

カイトが目を覚ましたのは、人ごみの中でした。
ガヤガヤと騒がしく行きかう人々の中には、己の知る者は独りも居なくて、
僅かに見える景色は、己の知る者ではなくて、
隣にいた愛しい姉弟たちは何処にも居ませんでした。

目の前の人ごみの間から、自分へ注がれる視線を感じ、カイトはそこに目をやりました。
そこに居たのは、あの夢で見た少年でした。

少年は笑いながら口を開きます。

『こんにちはアリス。愛しいアリス。
 初めて独りになった君に、僕がプレゼントをしてあげる。』

独り。
この単語に目を見開いた彼の前からは、すでに少年は消えていました。
ですがカイトの手には、先ほどまで無かった、数枚の楽譜が握り込まれていました。
楽譜に刻まれるのは、不協和音。歌詞。この二つ。
カイトはその楽譜を見ると、まるで取り込まれるかのように楽譜を見始めました。
そして静かに口を開きました。

「一番目アリスは勇ましく――――」

カイトはその歌詞を大層気に入りました。
その歌詞が、自分の愛しい姉、メイコを表すものだとは知らずに。

カイトはその歌を歌います。けれどもそれは全て、人ごみに紛れ、誰の耳にも届きません。

(こんな素晴らしい歌なのに――――)

カイトはもう一度歌います。
けれどもやはり、すべて人ごみにかき消されます。

(どうしてだれも、俺の歌声を聞こうとしない!?)

そう、それはカイトにとって、初めての出来事でした。
今まで自分が歌を歌えば、姉妹たちが聴いてくれて、喝采までくれました。
しかしここでは、カイトの歌を聴く人も、喝采をくれる人も独りもいません。
そして今、カイトは実感しました。

(姉や、妹、弟達は、どこにいるの?)

あの少年の言った言葉を。独りを。
その時、カイトの握っていた楽譜の音符が、怪しい紫の光を発し始めました。
その音符はスルスルと楽譜から抜け、カイトを導き始めました。そこに見えるのは、噴水。

カイトは操られるかのように、そこへ向かいます。
(僕が歌えば、きっと皆、気付いてくれる)
そう願って。
たどり着いた噴水を背に、カイトは人ごみを眺めます。
そしてもう一度、口を開きました。

「一番目アリスは勇ましく―――。」

とたん、カイトの目の前の人が数人足を止めました。

「剣を片手に 不思議の国」

ざわざわと、何人もの人が足を止めます。
そして綴られるその歌声に聞き入ります。

それは決して心地よい歌声ではなかったのに、その不協和音に耳を貸します。
語られる「アリス」の行く末を、それを歌う狂った青年を、その歌声を静かに“聞”いていました。

「二番目アリスは」

バンッ!!

その音と共に、歌声は止みました。
カイトはゆっくりと、噴水に堕ちていきます。

人ごみは止まっていました。木も、鳥も、動物も、時計も。
カイトと噴水の水を残して、全てが止まりました。
その人ごみの中から、あの夢の少年がゆっくりと歩いてきました。
少年は悲しむような目でカイトを見ます。

「なん・・・・で・・・・・。」

振り絞るカイトの声を無視して、少年は口を開きました。

『あーぁ。また失敗。
 独りぼっちの君は、姉同様使えなかった。』

そうカイトには、強さ、愛しさ、元気、賢さ。
その全てが掛けていました。

カイトに唯一残った癒しは、この国に来て形を変え、
使いようの無くなった、塵になりました。

『癒しすら持っていないアリスなんて、必要ないよ。』

少年は手にあった銃を、もう一度、カイトの胸に構えました。
すると、

噴水の水が、少年の手にある銃を叩き落しました。

カイトは空ろな目でそれを見ています。

「めー・・・・ちゃん?」

カイトの目には確かに見えました、姉のメイコが、少年の手から銃を叩き落とす所を。

『あぁ・・・・これ、あの、前のアリスの涙か。』

そう、その噴水の水は、メイコの涙。強さの滲んだ水でした。

『こんな所で姉弟愛見せられてもねー。もう遅いのに。』

少年はおかしそうに笑うと、ばいばい。と言い放って消えてしまいました。

全てが戻りました。
人も、時も、なにもかもが動き出します。
人はカイトの遺体を見て嘆きました。

「死んでしまった。」「可哀想に。」
「墓を」「墓を作ってあげましょう。」

カイトは森の中の少し開けた所に眠らされました。
カイトの墓の周りには、大量の蒼い薔薇が咲きました。それはもう、見事に。
しかしカイトの墓の上の大輪だけは、紅い、おぞましくすらも感じる奇妙な色をしていました。
その華にはどこから来たのか、必ず、透明な水が滴っていました。

元紫薔薇です。 コメントが機動力な中学生です。

VOCALOID廃です。
ヒヨラーです。
ヘタリア好きです。
腐女子です。


ちょくちょく妄想小説を更新中。
いつまで続くかすらわからない(っていうか続く気がしない)

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作品へのコメント4

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    ご意見・感想

    次回期待してます!!!

    2010/01/16 01:23:26 From  秋貴

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    コメントのお返し



    遅くなってスイマセン;
    三番目は妙に長くなったので分けてうpするかもです!
    そして書きたい曲も多いので少し遅くなるかもです;

    それまで気長にお待ちくださればー・・(うっせ

    2010/01/16 21:59:46 ニュルーズ

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    ご意見・感想

    は、はじめまして!そしてありがとうございます^^
    世界が見えましたか・・・きらn(ry

    結構間違えやすいですよね、人柱;

    2009/11/27 19:55:20 From  ニュルーズ

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    ご意見・感想

    ありがとうございます!遅くなってサーセン;
    絵本・・むずいです・・・。

    赤闇さんも頑張ってください!楽しみにしてますお^^

    2009/11/08 22:11:18 From  ニュルーズ

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    ご意見・感想

    ヤター!!!待ってました!!
    やっぱり大好きですとも^p^p^p^

    絵本口調って難しいですよね…あ、俺も書かないと。
    プロローグだけ書いて絶賛放置中なので^^;

    3番目頑張って下さいね!

    2009/11/08 16:11:53 From  赤闇

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